深窓の令嬢はダンジョンに狂う ~ハイエルフの姫に転生したけどなかなかダンジョンに行かせてもらえません~

吉都 五日

文字の大きさ
40 / 49
2章

酔っ払い

しおりを挟む
「おじさんこの魔道具いいね!私に売ってよ!」


A級 (笑)冒険者さんは寝たままだから無視して露店のおじさんと交渉を開始だ!


「いいけどお嬢ちゃんは魔力切れしそうにないのかい?さっきから『纏い』も使ってるだろ?」

「これくらいならまだまだ平気かなあ。燃費は多少悪いみたいだけど、バリアだけじゃなくって反射も付いてていい魔道具じゃない。いざって時に役に立ちそうだね!」

「そうだろそうだろ。ちょーーーっと燃費が悪いもんで発動できないゴミみたいなやつが文句言って来るんだよ。いくつも機能付けりゃ当然じゃないか。なあ?」


そりゃそうだ。というか、買う時にちょっと試せば済む話だと思うけど、どうしてこんなトラブルになったんだろうなあ。


「そうだよね。どうして試さなかったのかなあ?」

「昨日来たとき一瞬は発動できたんだよ。そんで魔力量がちょっと足りないんじゃないかって言ったら知り合いの魔術師に使わせるから大丈夫だっていわれちゃってなあ。まあそれなら良いかなと思ったんだけどさあ。」

「うーん。結局本人が使ったのかなあ」

「A級だ!って言ってたしな。魔力が少ないんだなんて認められなかったのかもな」

「まあしょうがないね。所でこれ私に売ってくれるんでしょ?」


これは中々いい。これならジェネラルさんのパンチも一発は防げそう。
オークキングさんのパンチはぜんっぜん無理だろうけど。
2年前にダンジョンで出会ってから時々オークさんたちと遊んでるけど、キングさんには全く勝てそうにないや。ジェネラルさんもまだまだ無理っぽいなあ。


「お嬢ちゃんならちゃんと使いこなせそうだから売ってあげるよ。それは一応そこのA級さんのだから別の奴を売ることになるけど。値段はおまけして30万ゼニーってとこかな」

「買いまーす。カリナお金有る?」

「申し訳ありませんが、手持ちはあと10万ゼニーしかありません。これで手付けと言うことにして後日ではどうでしょうか?」

「俺は今日までしか露店空けてねえんだ。明日からはちっと用事がな……」

「そうですか。困りましたねえ」

「どうしよっか。今から取りに帰る?」


お金がないんじゃしょうがないなあ。おまけして欲しいな!ってのも言いづらいし。
ちなみに私はコツコツコツコツとスライムを狩るだけ狩って、特に遊んでないのでお小遣いがたまっている。毎月の1万ゼニーとお年玉合わせて100万ゼニーはあるぞ!これで魔道具とか魔法武器を買うつもりだったのだ。ぬっふっふ。

こうなるのならもっといっぱい持ってくればよかった。
ギルドを冷やかしに行って精々その辺で買い食いするくらいしか考えてなかったからなあ。


「あー……?ああ、お嬢ちゃん達はスライムテイムしてんのか。もしかして明日の学会を見にきたのかい?」

「ん?そうだよ。よく分かったねえ」


プリンちゃんは今カリナの服の下ちいさくなってて分からないくらいなのに見分けるなんて。こやつなかなかやりおるな!


「うまく隠してるけどな。一応俺も色んなも道具持ってるのさ。明日の学会に行くならそっちで会おう。多分お互い見りゃ分かるだろう」

「わかったー。じゃあ明日お金持っていくね。」

「おうよ!お嬢ちゃん用にカスタマイズしといてやるからな。楽しみにしとけよ!」


いやあいい店に出会えたもんだなあ。

魔道具自体の品質はかなりいいとおもう。A級のおじさんは使えなかったみたいだけど、あれは明らかにおじさんの魔力不足だ。それにしても30万はやすいんじゃないかな!
一流の魔剣とかだと何千万って値段が付くけど、普通のそれなりの剣は10万くらいで名工の鍛えた剣だと50万以上はする。魔道具や魔力の宿った武器だと100万以上が目安だ。それを30万かあ。


「30万だとお買い得だよねー」

「自分で作ってるから安いとかじゃないですかね?それにここは魔族領で魔道具の本場ですし。」

「結構強そうだったし、もしかしたら材料も自分で取ってきてたりするかもね。それにテイミング仲間かもしれないし。いい人と知り合ったね!」

「そうですね。市場も捨てたもんじゃないでしょう?」

「そうだね。冒険者ギルドよりあたりだったかもねえ」


冒険者ギルドはたまーに大当たりの時があるけど、大体はいつも同じ暇そうにしてる人、つまり駄目な部類の冒険者か引退した人ばっかりがいるのだ。
そうは言ってもその人たちと遊んでもらう?遊んであげる?というのも楽しいものなんだけども。

さて、いい出会いもあったし、時間も遅くなってきたのでユグドラシル王国の大使館に帰ろう。
大使館に帰ると、パパとママは魔族の国の人と会ってるみたいだったので私用に用意された部屋へと入る。

でも今日のお出かけは楽しかった。
いいもの見れたし、私用に調整してくれるって言ってたし、明日が楽しみだなあ。
私はプリンちゃんをお部屋に放流して、すごくいい気分のままミルクちゃんの入った水槽にじょばばばーっと魔力水を注いで、1分待って出来たてミルクをゴクゴクゴク。


「アーシャ様!私にも!」

「ん?勝手に取れば?」

「ははあ。ありがとうごぜえますたー!」


カリナはマイコップを懐から取り出して水槽に突っ込み、ゴクゴクと飲む。


「いやあ、やっぱり姫のミルクは最高ですね!」

「私のじゃないよ。ミルクちゃんのミルクだよ」

「そうそう、ミルクちゃんが出した姫のミルクです。いやあ美味しい。」


そういいながらお代わり。なんだかんだ言いながらまたお代わり。
もう5杯目だけど?大丈夫?


「カリナそんなに飲まなくっても」

「らいじょーぶれふ。ひょーっとのどが渇いてたもんで。いやあ、姫のミルクはホントに最高れふ」

「……ホントに大丈夫?ケビンさんみたいになってるよ?」


ケビンさんはエルフの冒険者で元々は一流だったけど、年を取ってひざが悪くなって引退した。
エルフのクセにお酒大好きでギルドの食堂でいつもお酒を飲んで私に冒険譚を聞かせてくれるおじさんだ。
でもいっつも酔っ払ってて赤い顔でお酒臭くてろれつが回ってないんだよなあ。


「わらしがケビンさんのわけないじゃないれふか。姫ったらもうー!だめれふよ。私の事もちゃんと見てくれらいと。姫の所から離れちゃうかもしれないれふよ!」

「ええっ!カリナどっか行っちゃうの!?」

「……私が姫を置いてどこかへ行くわけないじゃないですかー!姫の、アーシャ様のばかー!私がこんなに好きなのに!もう!」

「ごめんごめんって。もう飲みすぎだよ。ほら座って!」


泣きながら暴れるカリナを座らせる。
おかしいなあ。どう見ても酷く酔っ払った冒険者のおじさんたちと同じような行動だ。ミルクで酔うはずないと思うんだけどなあ。


「アーシャちゃん帰ったのね。楽しかったかしら?」

「ママ!カリナがへんなことになっちゃった!」


ママがお部屋に入ってきた。お客様は帰ったのかな?
まあ、今はそれよりカリナだ。


「ミルクをのどが渇いたとか言ってゴクゴク飲んだの。そしたらこんなになっちゃって」

「飲みすぎたのね……」


もうカリナは机に突っ伏してイビキをかいている。顔は真っ赤のままだ。


「飲みすぎたって言ってもミルクだよ?」

「うーん。なんだか今日はいつもより魔力が濃いみたいね。カリナは魔力酔いでしょ。たぶん」

「いつもと同じつもりだけど。失敗しちゃったかな?」

「失敗じゃないわ。何か楽しいことあったでしょ?だからちょっといつもより魔力が濃くなっただけよ」


いいこと?あったなあ。
私は今日の市場での出来事と魔道具との出会いをママに話した。
明日またテイミング学会で会えるって言われたし、楽しみだなあってウキウキしてた事。
話してて気が付いた。ああ、だから魔力が濃くなったのかあ。


「理由は分かったようね。いつもより少し魔力が濃いのよ。それをガブガブ飲んだカリナが悪いわ。あんまり気にしないでいいんじゃないかしら?」

「そうだね。そういう事にしておこう。」


カリナは今日は使い物になりそうにないし、ベッドに寝かせてママとパパと一緒にご飯食べよっと。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー
ファンタジー
 ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。  これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。 設定 この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。 その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

処理中です...