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2章
露店めぐり
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もう着くわよとママが言っただけあって、本当にもう着いた。
1時間くらいのフライトだっただろうか。早いもんだなあ。
空の旅を楽しんでいたと言うのにあっという間だ。
私達が着陸するところはユグドラシル王国の大使館だ。
そこには先に出発したうちのメイドさんたちが沢山控えていた。みんな勤勉だなあ。
「お疲れ様でした国王様」
「ふう。お出迎えご苦労様。みんなも疲れたろう」
「いえ、我々も余裕のある日程でしたので。ささ、姫様。風呂の用意もできておりますぞ」
「まだお風呂はいいよー。うーん、ちょっと街のほうに出かけたりしてみたいかな?ママいいでしょ?」
「ん、カリナとプリンちゃんと一緒に行ってらっしゃい。ミルクちゃんはママが預かってあげるわ」
「わーい。ありがとー。いくよー!」
「はい。では行ってまいります」
(行ってきますプル)
2人と一匹で出かける。プリンちゃんは最近小さくなるの術を覚えたので、カリナの服のポケットに入って一緒にお出かけだ。出かける先はやっぱり定番の冒険者ギルドかなあ?
「また冒険者ギルドですか?他の所へ行って見ましょうよ」
「他ってどこ行くのよ。面白そうなところあるの?」
「そりゃああります!ここは魔族の国ですよ。魔族といえば魔法剣やら魔法付与されたアイテムがいっぱいじゃないですか。そういうのを見に行きましょうよ!」
「ウチにあるのよりいい物なんてあるのかなあ」
ウチにある、といっても王国の宝物庫にあるものより良いモノなんてそうそうそこらの市場にあるものだろうか?
たぶんないだろ~?
「まあそう言わずに。ダメならダメでショッピングを楽しめばいいじゃないですか!」
「そうだね。あんまりそういうのもしたことないし、それもアリかもね」
それもそうだ。冒険者ギルドにいったって今までもあんまりろくな出会いがなかった。
なんだか微妙なオッサンに馬鹿にされたり、親切そうな人に子供が着たら危ないよって忠告されたり。私やカリナの顔を知っている人が突然土下座して困っちゃったり。
そんな記憶がかなり多いなそういえば。
勿論すごく強そうな人もいっぱいいた。
現役でダンジョンに行ってる人はみんな結構強そうだったなあ。いずれは勧誘して一緒にダンジョンにいきたいもんだなあ。
じゃあ市場とやらを覗いてみよう。
カリナが事前に調べていたみたいで、掘り出し物市場に到着した。
でもこれは、悪いけど外れっぽいぞ?
なんだかガラクタにしか見えないものを沢山並べている露店。生活用品や古着を置いてある露店。
他にも採れたての果物を置いてある露店……は当たりだ。桃がすごく美味しかった。
「食べ歩きおいしいね!」
「そうですね。思っていたのと少し違う気もしますが中々素晴らしいですね」
桃のあとは串焼き、それからイカの足を使ったタコヤーキ。
どれもこれも良いではないか、良いではないかー!
沢山食べてウハウハの気分になっている私達の所に突然大きな声が響いた。
「テメエ!こんなガラクタを売りつけやがって!使えねえゴミじゃねえか!」
「ゴミはお前さんのほうだ。ある程度魔力がないと使えないと俺は説明したはずだぞ」
「何を言ってやがる!俺様はA級冒険者だぞ!俺が発動できねえ魔道具なんざあるわけねえ!」
露天商のおじさんは魔族、駄目そうな冒険者は人間だ。この組み合わせは昔から喧嘩が多いらしいんだよなあ。たびたび国同士も戦争をしているらしい。主に人間側が攻める方で。
「それはそうと、あの魔道具良さそうだなあ」
「何がそれはそうとなのかは分かりませんが、モノは良さそうですね。でもA級冒険者が発動できなかったらしいですよ?」
「A級って言ってもピンキリだからね。A級だから必ず強いって訳じゃないし、人間ができてるって訳でもないみたいだよ。あんな感じでね」
「なんだこのクソチビは!?黙ってりゃ言いたい放題言いやがって!」
「ふう、おじさんちょっと貸してね」
この冒険者には何を言ってもわかりゃしないだろう。魔族のおじさんが持ってる魔道具を受け取り、起動すると、格子状に光り輝くバリアが私の前に形成される。
「ほら、ちゃんと起動するじゃん。壊れてないしガラクタでもなんでもないよ。ためしに殴ってみなさいよ、このクズ冒険者」
「なんだと?このクソチビ!俺様に向かって何て言った!?」
「このクズ、早くしろよ。ちょっとでも負けそうなら殴れないのか?そんなのでよく冒険者なんてやってられるな。ママのおっぱい飲んでウ○コスライムの研究でもしてろハゲ」
「な、な、なんだと・・・!食らえクソチビ!」
私の煽りにあっさりと殴りかかってきた。
ふふん。こう見えても私は毎日冒険者ギルドに入り浸っているうちに馴染みの冒険者たちから煽り言葉や喧嘩の仕方なんかをすっかり教えられたのだ!女だと色々馬鹿にしてくる奴もいるから色々覚えとけって言われて。
その時にカリナも一緒に習ったけど、私の方がこっちの方も物覚えが良かったみたい。
しっかしクソチビ以外言えないとは語彙もない。煽り耐性もない。
そんなのでよく冒険者なんてやってられたなあ、と私は変な感心をしたが、そのパンチもしょぼい。
こいつほんとにA級か?殴られて息が止まるかと思ったオークジェネラルさんとは大違いだ。
当然の事だけど魔道具のバリアは突破できなかった。ヒビ一つ付いてない。
今のパンチもしょぼかったけど、この魔道具の性能も中々のものだと感心していた。
殴ってきたオッサン?ああ、オッサンなら反射したダメージで寝てるよ。
1時間くらいのフライトだっただろうか。早いもんだなあ。
空の旅を楽しんでいたと言うのにあっという間だ。
私達が着陸するところはユグドラシル王国の大使館だ。
そこには先に出発したうちのメイドさんたちが沢山控えていた。みんな勤勉だなあ。
「お疲れ様でした国王様」
「ふう。お出迎えご苦労様。みんなも疲れたろう」
「いえ、我々も余裕のある日程でしたので。ささ、姫様。風呂の用意もできておりますぞ」
「まだお風呂はいいよー。うーん、ちょっと街のほうに出かけたりしてみたいかな?ママいいでしょ?」
「ん、カリナとプリンちゃんと一緒に行ってらっしゃい。ミルクちゃんはママが預かってあげるわ」
「わーい。ありがとー。いくよー!」
「はい。では行ってまいります」
(行ってきますプル)
2人と一匹で出かける。プリンちゃんは最近小さくなるの術を覚えたので、カリナの服のポケットに入って一緒にお出かけだ。出かける先はやっぱり定番の冒険者ギルドかなあ?
「また冒険者ギルドですか?他の所へ行って見ましょうよ」
「他ってどこ行くのよ。面白そうなところあるの?」
「そりゃああります!ここは魔族の国ですよ。魔族といえば魔法剣やら魔法付与されたアイテムがいっぱいじゃないですか。そういうのを見に行きましょうよ!」
「ウチにあるのよりいい物なんてあるのかなあ」
ウチにある、といっても王国の宝物庫にあるものより良いモノなんてそうそうそこらの市場にあるものだろうか?
たぶんないだろ~?
「まあそう言わずに。ダメならダメでショッピングを楽しめばいいじゃないですか!」
「そうだね。あんまりそういうのもしたことないし、それもアリかもね」
それもそうだ。冒険者ギルドにいったって今までもあんまりろくな出会いがなかった。
なんだか微妙なオッサンに馬鹿にされたり、親切そうな人に子供が着たら危ないよって忠告されたり。私やカリナの顔を知っている人が突然土下座して困っちゃったり。
そんな記憶がかなり多いなそういえば。
勿論すごく強そうな人もいっぱいいた。
現役でダンジョンに行ってる人はみんな結構強そうだったなあ。いずれは勧誘して一緒にダンジョンにいきたいもんだなあ。
じゃあ市場とやらを覗いてみよう。
カリナが事前に調べていたみたいで、掘り出し物市場に到着した。
でもこれは、悪いけど外れっぽいぞ?
なんだかガラクタにしか見えないものを沢山並べている露店。生活用品や古着を置いてある露店。
他にも採れたての果物を置いてある露店……は当たりだ。桃がすごく美味しかった。
「食べ歩きおいしいね!」
「そうですね。思っていたのと少し違う気もしますが中々素晴らしいですね」
桃のあとは串焼き、それからイカの足を使ったタコヤーキ。
どれもこれも良いではないか、良いではないかー!
沢山食べてウハウハの気分になっている私達の所に突然大きな声が響いた。
「テメエ!こんなガラクタを売りつけやがって!使えねえゴミじゃねえか!」
「ゴミはお前さんのほうだ。ある程度魔力がないと使えないと俺は説明したはずだぞ」
「何を言ってやがる!俺様はA級冒険者だぞ!俺が発動できねえ魔道具なんざあるわけねえ!」
露天商のおじさんは魔族、駄目そうな冒険者は人間だ。この組み合わせは昔から喧嘩が多いらしいんだよなあ。たびたび国同士も戦争をしているらしい。主に人間側が攻める方で。
「それはそうと、あの魔道具良さそうだなあ」
「何がそれはそうとなのかは分かりませんが、モノは良さそうですね。でもA級冒険者が発動できなかったらしいですよ?」
「A級って言ってもピンキリだからね。A級だから必ず強いって訳じゃないし、人間ができてるって訳でもないみたいだよ。あんな感じでね」
「なんだこのクソチビは!?黙ってりゃ言いたい放題言いやがって!」
「ふう、おじさんちょっと貸してね」
この冒険者には何を言ってもわかりゃしないだろう。魔族のおじさんが持ってる魔道具を受け取り、起動すると、格子状に光り輝くバリアが私の前に形成される。
「ほら、ちゃんと起動するじゃん。壊れてないしガラクタでもなんでもないよ。ためしに殴ってみなさいよ、このクズ冒険者」
「なんだと?このクソチビ!俺様に向かって何て言った!?」
「このクズ、早くしろよ。ちょっとでも負けそうなら殴れないのか?そんなのでよく冒険者なんてやってられるな。ママのおっぱい飲んでウ○コスライムの研究でもしてろハゲ」
「な、な、なんだと・・・!食らえクソチビ!」
私の煽りにあっさりと殴りかかってきた。
ふふん。こう見えても私は毎日冒険者ギルドに入り浸っているうちに馴染みの冒険者たちから煽り言葉や喧嘩の仕方なんかをすっかり教えられたのだ!女だと色々馬鹿にしてくる奴もいるから色々覚えとけって言われて。
その時にカリナも一緒に習ったけど、私の方がこっちの方も物覚えが良かったみたい。
しっかしクソチビ以外言えないとは語彙もない。煽り耐性もない。
そんなのでよく冒険者なんてやってられたなあ、と私は変な感心をしたが、そのパンチもしょぼい。
こいつほんとにA級か?殴られて息が止まるかと思ったオークジェネラルさんとは大違いだ。
当然の事だけど魔道具のバリアは突破できなかった。ヒビ一つ付いてない。
今のパンチもしょぼかったけど、この魔道具の性能も中々のものだと感心していた。
殴ってきたオッサン?ああ、オッサンなら反射したダメージで寝てるよ。
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