深窓の令嬢はダンジョンに狂う ~ハイエルフの姫に転生したけどなかなかダンジョンに行かせてもらえません~

吉都 五日

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2章

赤の悪夢?

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なんだかミルクで酔っ払ったお兄さんのおかげで余計に大騒ぎになってきたから他の所に移動しよう。さっきママと話してた販売コーナーとかいってみよっかな~?


「じゃあママ販売コーナーいってみよ?」

「いいわよ。いい加減ココをはなれましょう。なんだか酸っぱいわ」


むむ。確かになんだか酸っぱいにおいがする。ママは顔をしかめているし、さくっと離れよう。

販売コーナーは今いる研究結果展示のコーナーの隣の建物のようだ。

このテイミング学会は魔族の国の大きなホテルを貸しきって行われているらしく、そのホテル本館一番大きなホールで歓迎の宴やら演者による研究発表が。そのホールの壁際に展示物がおいてある。
そして別館がアイテム販売コーナーになっている。地図によるとね。


ママと一緒に別館へ移動。移動中に変なおじさんたちが付いてきている気がするけど、これも気にしちゃダメだきっと。


「いいアイテムとかおいてあるといいね!」

「そうね。テイムしたモンスターの装備とかあるかしら?」

「おお!でもスラちゃんが剣とか持ってる姿が想像できないんだけど……」

「うーん。スライム関係はあんまりないかもね。テイムしたモンスターにつける馬具のようなものとかならあるんじゃない?ママも飛竜につける鞍とか買い換えてもいいわね。あれちょっと古いのよ」

「古いって1000年くらい?」

「流石にそれはないわよ。10年くらいね。アーシャちゃんが産まれてから一回換えたわよ」

「そっか。そんなもんかあ。」


そりゃそうか。1000年もつ鞍とか逆にすごいね。
ドラゴンの革でもそんなに使ってたら伸びたり切れたりしそうだもんね。
虫食いもしてきそうだなあ。


「ついたわよ」

「おお。お店いっぱいだね!」


そこには露天のような小さなお店が所狭しと並んでいた。
なんだかよく分からない機械や、水晶。
それに人間が美味しく食べられそうな木の実にママが探してる鞍や手綱に鞭ばっかりのお店もある。それにこれは塗り薬?あとは用途のよく分からない錠剤?


「なんだかよく分からないお店も多いね」

「分からないことは店の人に聞くのが一番よ。ゴミみたいなのが実は最先端のアイテムかもしれないわよ?」

「そうだね。色々聞いてみよう!」


情報収集だ!
私はあっちこっちのお店の人たちに話し掛けまくった。
よく分からない機械は機工種という種類のモンスターを懐かせるためのパーツ。
水晶はゴーレムの使役に使うもの。
美味しそうな木の実は勿論モンスターのご飯だった。やっぱり。

でも人間が食べても美味しいんだって!
当然のように一口もらってみたけど美味しかった。
桃と梨を足して二で割ったような、不思議な味だったけどジューシーで美味しいことには違いない。

鞍や手綱のお店は使役するモンスターのサイズに合わせてオーダーメイドで作ってくれるらしい。
そりゃそうか、馬と竜とグリフォンじゃ全然サイズが違うし、それぞれの種族の中でも大きさが色々あるもんなあ。

ユグドラシル王国の王都にも支店がある有名なお店なんだって。
ママの顔を知ってたみたいでペコペコしてた。ママは頭を下げられてちょっと困ってた。


「変装くらいしてくるべきだったかしら。でもアーシャちゃんの側にいることを考えると今のままが一番……」

「何で私の側だと変装ダメなの?」

「そりゃママが横にいると変なのや誘拐犯だって近寄ってこないでしょ?」

「何でよ?美人のママごと攫っちゃおうとか思うかもよ?」

「私を知らないようなモグリなら困るけどね。ある程度の力を持った組織なら私がいれば手を出してこないわよ」

「ふーん?そうなんだ?」

「そういうもんよ。アーシャちゃんも早く有名になって変なの沸かないようにしないとね」


うーん?

つまりママは強盗犯とかの悪い人に『アイツは危ない奴だから近寄るな』って有名になってるって事なのかな?それとも昔悪いやつを捕まえまくって有名になったとか?


「後の方よ!強盗犯より危ないってどうなってるのよ!」

「危ないのは間違いないと思うけど。さっきだってキングさんいなかったら何人も死んでたよ」

「いるの分かってたからやってたんじゃないのよ。」


それもどうなんだろうなあ?とは思うけど、ママには誰も逆らえないからなあ。
キングさんよりよっぽど魔王なんじゃないかなと思っちゃう。時々ね


ママとやいやい言いながらお店を冷やかしてまわる。鞍は結局今回はパスするみたい。私も今はスラちゃんのご飯とかに困ってないし、他の種類のモンスターをテイムする予定もないし出会いもない。でも、木の実だけ食べさせて育てるっていうのもアリかもなあ。


考え事をしながらふらふらすると魔道具屋さんがあった。
あのお店の人って昨日の人じゃないかな?


「よう、お嬢ちゃん。注文の品できてるぜ。っと今日はママさん同伴かい。よろしくたのんますよ!」

「こんにちわ。昨日のやつですよね。お金もってきたよー」


そういってカリナが財布を取り出してお金を払う。
パパとママと一緒にいるときは影のように控えているのだ。
うーん、この影の薄さが斥候役にいいんじゃないかなあと思うんだけどなあ。


「アーシャ様?ちょっと私について変なこと考えてませんでした?」

「大丈夫です。ちょっとしか考えてませんでした!」


絶対嘘だって視線を受ける。
そうです。ちょっと失礼なこと考えてました。
影が薄いだなんて思ってごめんなさい。


「アンタも大変そうだなあ……じゃあお嬢ちゃん、これどうぞ」

「ありがと!」


受け取って起動してみる。昨日よりやや魔力は食うけど発生したバリアは硬くて強くなった気がする


「へえ。なかなかいいじゃない。オーガの一撃くらいなら耐えそうね」

「いいでしょ?昨日見かけたんだ!」

「アーシャちゃんのお散歩も無駄にはなってないみたいね」

「オーガクラスのモンスターなら問題ないはずさ。ドラゴンとかはちょっと厳しいんじゃねえかな。あんたのママは絶対無理だから試しちゃダメだぜ」

「あはは……試さないよさすがに」

「ママさんのほうは試したそうにしてたもんでな。さすがは『赤の悪夢』だ。怖い怖い。」

「悪夢?なにそれ?」

「そりゃお嬢ちゃんのママの昔の……いえ、なんでもないです」


ママからものすごい魔力と殺気が放出されてる。
魔道具屋さんは冷や汗をダラダラかきながらなんでもないって誤魔化した。


「な、なんでもないよね!私も何も聞こえてないよ!」
「そ、そうだろう。まあその魔道具はいい出来だとおもうけど、万一の時に使うくらいにしてくれよ!あんまり頼りすぎるとあぶねえぜ!じゃあな!あばよっ!」


魔道具屋さんはお店をほっぽり出して逃げてった。


「まったく、ザカンの野郎は油断も隙もないわ」

「ザカン?っていまのお店のおじさん?知り合いなの?」

「ちょっとした知り合いよ。腕はいいけど口が軽くて貴族なんか相手にもポロポロ言っちゃうから目を付けられるのよ。だからお店を開いてもつぶされたりしちゃうの。もうちょっとね、慎重な性格ならいいと思うんだけどねえ」

「ふうん?お抱えの職人にするとかダメなの?」

「昔いろんな国で魔道具やら魔方陣やらの研究主任みたいなことやってたわ。でも貴族やら王族やらとケンカが絶えなくってね。クビになって他所の国に仕官して、そこでも同じ事やって~って何回も繰り返してるようなヤツよ。でも見ての通り腕は悪くないわ。それどころか今も昔も何処に出しても恥ずかしくないほどの一流職人よ。あんなのを市場で見つけるってアーシャちゃんの運も眼もいい証拠ね」

「それほどでも。でへへ」


褒められたよね?
でもやっぱりいい品物だったんだ。うれしいなあ。


もうちょっとザカンさんとは色々お話してみたかったけど、ママが怖いみたいだからしばらく帰ってこないだろう。

今日はまあ、このくらいで勘弁してやるぜ!
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