乙女ゲームの攻略やめたら、王子様に誘拐された。

えも

文字の大きさ
8 / 23

騎士がきた

しおりを挟む

私とハルト様は手を繋ぎながら、お店がいっぱいの道を抜け広場へと出る。

「まずは腹ごなしだな、ここなら好きなものを色々選んで食べられる」

出店がいっぱいあって、広場で食べれるようになってる。フードコートみたいな感じ。
美味しそうだったサンドイッチを選んで、ハルト様は他の店で串焼きとかポテトとか買ってきた。ジャンクフード好きなのかな。

「王子様って毒味もしないで食べて良いんですね。あ、そういえば護衛みたいな人も連れてないけど」

「時間が出来たらよく来ていたから毒味など今更だな。護衛はその辺に数人いるぞ、マークスがこれ見よがしに近くまで来てる。離れておけと言ったのに」

居たのか。そりゃ居るか。

キョロキョロ見渡したら斜め後ろにイケメンがいたから多分この人がマークスさん。顔覚えてないけど攻略対象だからイケメンのはず。

目があったマークスさんらしき人はこっちに向かって手を振りながら近づいてきた。信じられない量の食べ物持ってる。

「バレちゃった、ご一緒していい?殿下。サクラ嬢久しぶり~」

言いながら同じ席につく。二人ともまだ返事してないけど。

「態とだろう……邪魔するなマークス」

「まあまあいーじゃん、これから何回も来れるんだし。サクラ嬢にお礼言いたかったんだ」

お礼?

「そう、元気に戻ってきてくれてありがとって。ハルトが死ぬ死ぬ言うの納得出来てなかったからね、その必要がなくなってよかった。サクラ嬢は前世覚えてるの?」

「……えーっと、覚えてるようなそうでないような」

死んでないし、覚えてるけどゲームの内容ちょろっとだけだしなぁ。この人とどのくらい関わってたっけ?

「サクラは曖昧だが記憶自体はある。対外用にそれなりの理由を作っておかないといけないな、儀式内容を知る人間は少ないが前世等言うと籍が面倒だ」


「まず前世じゃないです」

「生まれ変わり呼ぶって聞いてたけど違うの?色違うけどまんまサクラ嬢?」

えー、またゲームの話しないといけないのかなぁ。

「サクラは魂を分け二つの世界で二つの人生を生きていたらしい。魂が身体を維持出来なくなりこちらのサクラは消えたようだ」

おぉ、ハルト様上手いこと言う。違うけどなんか納得できそうな感じに短く纏まってる。

「それで違う世界のサクラ嬢が呼ばれたってこと?本人そのものじゃないけど前世でもない?双子に近いのかな」

「こちらのサクラとしての記憶も混濁してはいるが残っている、双子みたいに別の人間なわけじゃない。しかし消えたときにそれまでの感情も消えたのでこれから頑張るしかないな」

「え、愛情なくなっちゃったの?傍から見てると仲良しなの変わってなかったけど」

だって手ぇ繋がないとハルト様歩かないんだもん。

「ハルト様の押しがですね…」

「あはは、ハルト拗らせてるからね。まぁそのまま仲良くしてやってよ、笑うハルト見るのも久しぶりなんだ。今世で幸せにしてあげてくれたら嬉しいな」

「仲良しなんですねぇ…えーと、すみません家名わからなくて」

「主従の前に幼なじみだからね。マークスで良いよ~、サクラ嬢もそのうち雇用側だし。ハルトにも様つけてないし慣れてないからサクラちゃんて呼ばせてね」

「雇用側?」

ハルト様とセットにされてないか。生活の面倒みてもらってるししょうがないのか?

「そそ、ナイトハルト王子殿下は爵位をもって居なくなるでしょ。オレ領地まで着いてくからね、ハルトとサクラちゃんは雇用側」

「マークスお前ついてくるのか」

「行くよ~。王様になったハルトを守るつもりだったけど、公爵になるハルトも守ってあげるよ」

「わー、マークス様格好いいです」

さすが千花の推し。

「ふふふ。様付けはダメだよ~サクラちゃん」


「サクラ……俺はまだ言われたことないぞ」

「ハルト様グイグイくるから格好いい感じなかったです。綺麗とか可愛いとは思ったけど」

「綺麗はまぁ分かるけど可愛いハルト想像つかないな~。どんなの?」

「なんかこう…子犬みたいな」
「サクラ」

「犬!あはははハルトはサクラちゃんの前だと犬!」

「マークスも…もうお前戻れ、食べ終わってるだろう」

「はいはい戻りますよ、またねサクラちゃん。と犬殿下」

「あ、はい。えーと、護衛ありがとうございますマークスさん」

マークスさんは来た時と同じように手を振りながら去って行った。近くにいたのは話すためだったんだろな。

「犬……やはりサクラの前では『私』の方が格好がつく気がする」

ハルト様がブツブツ言ってる。ごめんなさい私のせいですね。

「『俺』の方が良いです。あと犬ってその、すいません悪い意味で言ったんじゃなくて……子犬って放っておけなくて可愛くないですか」

伝わるかなぁ。

「わからん。可愛いより格好良いの方が良い」

「いや、そりゃ見た目は格好良いですけど。私の中でハルト様は格好良いより可愛いです」

「むぅ…何故だ」

好き好き攻撃のせいかな。すぐ目が潤むし。

「愛してるとか言われなきゃカッコいいって思うかも」

「それは不可能だな。格好付けたいがそこは譲れないのでまぁ良しとしよう。可愛いも褒め言葉だ」


納得するのはやいな。好き好き減るかと思ったけど無理っぽい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】

いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。 陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々 だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い 何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

完結·異世界転生したらアザラシ? でした〜白いモフモフでイケメン騎士たちに拾われましたが、前世の知識で医療チートしています〜

恋愛
ネットでアザラシを見ることが癒しだった主人公。 だが、気が付くと知らない場所で、自分がアザラシになっていた。 自分が誰か分からず、記憶が曖昧な中、個性的なイケメン騎士たちに拾われる。 しかし、騎士たちは冬の女神の愛おし子を探している最中で…… ※小説家になろう、Nolaノベルにも投稿しています ※完結まで毎日投稿します

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました

鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。 素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。 とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。 「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」

冤罪で追放された平民書記官が、僻地で出会ったゆるふわ最強魔導士。実は王弟でした

卯崎瑛珠
恋愛
冤罪で僻地送りにされた平民書記官ミリアル。 原因は、騎士団長の横領の揉み消しだった。 左遷先は『人喰い』の噂がある、怪しい王宮魔導士ユーグの屋敷。 だが彼はゆるく見えて、実は王国最強。 「ミリちゃんを泣かせたやつは、絶対許さないよ。ねえミリちゃん、選んで。絞首と斬首、どっち?」 ミリアルはなぜかユーグに溺愛されて、騎士団長にざまぁします。

処理中です...