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第32話
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「外にいた幹部連中と、何か悪だくみがあるそうだから、まだ当分戻ってこない。戻ってきたところで、せいぜい見せつけてやればいい」
そんなことを言いながら賢吾にジャケットを脱がされる。その手つきから賢吾の高ぶりを感じ取り、ふと和彦は、千尋のことを思い出していた。
千尋も、賢吾の部屋で和彦を抱くことにひどく興奮していたのだ。父親の部屋で、父親のオンナを抱くことに、異常で特殊な興奮を覚えたのだろうが、おそらく賢吾も今、同じ状態なのだ。
そして和彦は、長嶺の男たちの高ぶりに容易に感化されてしまう。
「うっ……」
Tシャツを押し上げられ、触れられる前から痛いほど凝った胸の突起をきつく吸い上げられる。もう片方の突起は指で摘み上げられ、押し潰すように刺激されると、呻き声を洩らしてビクビクと胸を震わせる。
「オヤジに毎晩吸われてるか? ここも、こっちも――」
賢吾の手が両足の間に這わされ、布の上から敏感なものをぐっと押さえつけられる。和彦が否定しないでいると、賢吾は忌々しげに眉をひそめる。
「……我がオヤジながら、呆れるほど元気なジジイだ」
一旦体を起こした賢吾に下肢を剥かれ、乱暴に両足を抱えられて左右に広げられる。射抜くほど鋭い眼差しで賢吾が探しているのは、和彦の体に残る守光の痕跡だ。もしかすると、もう一人の男の痕跡も――。
触れられることなく、ただ見つめられているだけなのに、和彦の体はすぐさま反応を示す。
「賢吾っ……」
羞恥のあまり、堪らず声を上げたが、賢吾は許してくれない。指先が内腿をなぞり、熱くなりかけた欲望をそっと撫で、柔らかな膨らみを軽く弄んだあと、尻の間に指先を這わせてくる。まさぐられたのは、内奥の入り口だった。
「傷つけられてはないみたいだな。さすがに、丁寧に扱われているか」
敏感な粘膜を指の腹で擦られ、顔を背けた和彦はビクンと腰を跳ねさせる。賢吾が自分を痛めつけるはずがないと確信しているからこそ、体は素直に反応してしまう。見られたくないと強く思いながらも、賢吾から向けられる眼差しすら愛撫のように感じられ、肌が熱を帯びていく。
「ほんの何日か触れなかっただけなのに、俺を欲しがっているのか?」
残酷なほど優しい声音で問われて、胸の奥が疼く。和彦は、低い声で囁き返した。
「あんたはどうなんだ……」
賢吾は軽く目を見開いたあと、ニヤリと笑った。
「悪いオンナだな。――和彦」
これみよがしに自分の指をベロリと舐めた賢吾が、再び内奥の入り口をまさぐり、湿らせてくる。半ば強引に指を含まされ、肉を捏ねるように蠢かされると、和彦は堪え切れずに呻き声を洩らす。自分ではどうしようもできない反応として、必死に指を締め付けていたが、その感触を楽しむように賢吾の指の動きは大胆になる。
「うあっ、あっ、あぁっ」
痛みは確かにあるが、まるで小さな火が灯るように疼きが生まれていた。賢吾の指は官能を掘り起こすように、内奥を解していく。
「和彦、ネクタイを取ってくれ」
真上から和彦の顔を覗き込み、賢吾が言う。和彦は息を喘がせながらのろのろと両手を伸ばし、緩められていたネクタイを解き、首から引き抜く。満足げに賢吾が笑い、一旦内奥から指を抜き取った。
「しっかり掴まってろよ」
賢吾がスラックスの前を寛げ、欲望を引き出す。和彦は両腕を賢吾の首に回してしがみついた。
指でわずかに解されただけの内奥の入り口に、凶暴な高ぶりが押し当てられ、慎重に肉をこじ開けられる。苦しさに声を洩らしながら和彦は、ワイシャツ越しに賢吾の肩に歯を立てる。こちらが味わっている苦痛の何分の一かを分け与えたかったのだが、力を入れて噛みつくことはできない。大蛇の反撃は怖い。
「……可愛いな、和彦」
揶揄するように賢吾が洩らし、和彦は羞恥で全身が熱くなってくる。
「いいから、早く終わらせてくれっ……」
「いいのか、そんなこと言って」
賢吾の欲望の一際逞しく張り出した部分を、内奥に含まされる。犯されていると強く実感する瞬間だった。和彦は大きく息を吐き出して顔を背ける。すかさず耳に賢吾の唇が押し当てられ、魅力的なバリトンで鼓膜を愛撫される。
「物欲しげによく締まってる。それとも、俺が入ってくるのを嫌がっているのか?」
「うる、さい……。いつになく、意地が悪いな、あんた」
「お前が、あのオヤジにどれだけちやほやされていたのかと思ったら、嫉妬で意地悪の一つもしたくなるだろ」
本音なのか冗談なのか、声音から推し量ることはできない。それでなくても和彦の意識は、興奮のため舞い上がっている。
そんなことを言いながら賢吾にジャケットを脱がされる。その手つきから賢吾の高ぶりを感じ取り、ふと和彦は、千尋のことを思い出していた。
千尋も、賢吾の部屋で和彦を抱くことにひどく興奮していたのだ。父親の部屋で、父親のオンナを抱くことに、異常で特殊な興奮を覚えたのだろうが、おそらく賢吾も今、同じ状態なのだ。
そして和彦は、長嶺の男たちの高ぶりに容易に感化されてしまう。
「うっ……」
Tシャツを押し上げられ、触れられる前から痛いほど凝った胸の突起をきつく吸い上げられる。もう片方の突起は指で摘み上げられ、押し潰すように刺激されると、呻き声を洩らしてビクビクと胸を震わせる。
「オヤジに毎晩吸われてるか? ここも、こっちも――」
賢吾の手が両足の間に這わされ、布の上から敏感なものをぐっと押さえつけられる。和彦が否定しないでいると、賢吾は忌々しげに眉をひそめる。
「……我がオヤジながら、呆れるほど元気なジジイだ」
一旦体を起こした賢吾に下肢を剥かれ、乱暴に両足を抱えられて左右に広げられる。射抜くほど鋭い眼差しで賢吾が探しているのは、和彦の体に残る守光の痕跡だ。もしかすると、もう一人の男の痕跡も――。
触れられることなく、ただ見つめられているだけなのに、和彦の体はすぐさま反応を示す。
「賢吾っ……」
羞恥のあまり、堪らず声を上げたが、賢吾は許してくれない。指先が内腿をなぞり、熱くなりかけた欲望をそっと撫で、柔らかな膨らみを軽く弄んだあと、尻の間に指先を這わせてくる。まさぐられたのは、内奥の入り口だった。
「傷つけられてはないみたいだな。さすがに、丁寧に扱われているか」
敏感な粘膜を指の腹で擦られ、顔を背けた和彦はビクンと腰を跳ねさせる。賢吾が自分を痛めつけるはずがないと確信しているからこそ、体は素直に反応してしまう。見られたくないと強く思いながらも、賢吾から向けられる眼差しすら愛撫のように感じられ、肌が熱を帯びていく。
「ほんの何日か触れなかっただけなのに、俺を欲しがっているのか?」
残酷なほど優しい声音で問われて、胸の奥が疼く。和彦は、低い声で囁き返した。
「あんたはどうなんだ……」
賢吾は軽く目を見開いたあと、ニヤリと笑った。
「悪いオンナだな。――和彦」
これみよがしに自分の指をベロリと舐めた賢吾が、再び内奥の入り口をまさぐり、湿らせてくる。半ば強引に指を含まされ、肉を捏ねるように蠢かされると、和彦は堪え切れずに呻き声を洩らす。自分ではどうしようもできない反応として、必死に指を締め付けていたが、その感触を楽しむように賢吾の指の動きは大胆になる。
「うあっ、あっ、あぁっ」
痛みは確かにあるが、まるで小さな火が灯るように疼きが生まれていた。賢吾の指は官能を掘り起こすように、内奥を解していく。
「和彦、ネクタイを取ってくれ」
真上から和彦の顔を覗き込み、賢吾が言う。和彦は息を喘がせながらのろのろと両手を伸ばし、緩められていたネクタイを解き、首から引き抜く。満足げに賢吾が笑い、一旦内奥から指を抜き取った。
「しっかり掴まってろよ」
賢吾がスラックスの前を寛げ、欲望を引き出す。和彦は両腕を賢吾の首に回してしがみついた。
指でわずかに解されただけの内奥の入り口に、凶暴な高ぶりが押し当てられ、慎重に肉をこじ開けられる。苦しさに声を洩らしながら和彦は、ワイシャツ越しに賢吾の肩に歯を立てる。こちらが味わっている苦痛の何分の一かを分け与えたかったのだが、力を入れて噛みつくことはできない。大蛇の反撃は怖い。
「……可愛いな、和彦」
揶揄するように賢吾が洩らし、和彦は羞恥で全身が熱くなってくる。
「いいから、早く終わらせてくれっ……」
「いいのか、そんなこと言って」
賢吾の欲望の一際逞しく張り出した部分を、内奥に含まされる。犯されていると強く実感する瞬間だった。和彦は大きく息を吐き出して顔を背ける。すかさず耳に賢吾の唇が押し当てられ、魅力的なバリトンで鼓膜を愛撫される。
「物欲しげによく締まってる。それとも、俺が入ってくるのを嫌がっているのか?」
「うる、さい……。いつになく、意地が悪いな、あんた」
「お前が、あのオヤジにどれだけちやほやされていたのかと思ったら、嫉妬で意地悪の一つもしたくなるだろ」
本音なのか冗談なのか、声音から推し量ることはできない。それでなくても和彦の意識は、興奮のため舞い上がっている。
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