896 / 1,289
第37話
(8)
しおりを挟む
硬くて滑らかな表面の、丸い形をした異物だ。欲望で擦り上げられたせいで、敏感になっている内奥の襞と粘膜を撫で上げるようにして、ゆっくりと奥へと入り込んでくる。初めて味わう感覚に和彦は戸惑い、怯える。さほど大きなものではないので、痛みはまったくない。しかし、内奥で確かに感じる異物感は強烈だ。
賢吾はさらに、二度、三度と同じ行為を繰り返し、そのたびに和彦の内奥は、押し込まれてくるものを否応なく受け入れていく。
全身から汗が噴き出し、和彦は浅い呼吸を繰り返す。何個目かの異物を内奥に挿入されたが、無意識に締め付けた拍子に、押し戻してしまう。すると、賢吾の指が挿入され、内奥をゆっくりと掻き回された。
「あっ、ああっ」
異物が内奥で擦れ合い、一層奥へと押し込まれる。そこにまた、新たに異物を押し込まれた。
「思った通り、いくらでも食いそうだな。腹の中が、飴玉でいっぱいになるんじゃないか」
「……飴玉……」
「お前の尻に、妙なものを入れるはずがないだろ。いくら、仕置きとはいってもな。男を甘やかして癒す、大事な場所だ」
異物の正体が飴玉だとわかった途端、和彦の内奥は妖しく蠢き始める。指を挿入している賢吾にもそれが伝わったらしく、笑い声が耳に届いた。
「どうしようもないオンナだな、お前は。尻に飴玉を突っ込まれていたと知って、興奮したか?」
羞恥と屈辱感が、和彦の官能に火をつける。内奥の蠢きによって、飴玉の硬い感触を意識していた。すでにもう、欲望でも届かない深い場所にまで入り込んでいる。
「安心しろ。奥まで入っても、じっくりと溶けていくだけだ。そして、お前の中が甘くなる」
飴玉をもう一個押し込まれたところで和彦は、下腹部に違和感を覚える。腰をもじつかせると、賢吾の片手が前に這わされ、紐で縛められている欲望を軽く扱かれる。いつの間にか反応していた。
「どうやら、飴玉を気に入ったようだな」
「違、う――」
「そうか? さっきから尻の中も、ビクビクと痙攣してるぞ」
内奥で妖しく蠢く賢吾の指に、飴玉をまさぐられる。わざとなのか、粘膜と襞に飴玉を擦りつけるように弄られ、和彦は呻き声を洩らして腰をくねらせる。
じっくりと時間をかけて、飴玉を使って内奥を嬲られる。ときおり飴玉を掻き出されるが、すぐにまた押し込まれ、そのとき和彦は、浅ましく身悶えてしまう。
縛められた欲望が痛みを訴える。中からの刺激で身を起こそうとするのだが、巻きついた紐はきつく、和彦を苛むのだ。
「賢吾っ……、前、痛い……」
「仕置きをされている最中なんだから、我慢しないとな」
意地悪く賢吾に言われ、欲望を指で弾かれる。苦しさに涙が滲みそうになるが、内奥から指を出し入れされながら、柔らかな膨らみを巧みに揉みしだかれると、意識は呆気なく快感へと流される。
「ああっ、あーっ、あっ……ん、んっ、んうっ」
もどかしくて何度も身を捩り、なんとか両手の縛めを解こうと力を入れていると、ふいに賢吾の愛撫が止まる。次の瞬間、衣ずれの音がしたかと思うと、ふっと両手が楽になった。
腰を引き寄せられてから、慎重に体を仰向けにされる。このとき、内奥深くで飴玉が擦れ合い、いままで経験したことのないような刺激を生み出す。和彦が唇を噛むと、残酷な笑みを浮かべた賢吾が顔を覗き込んできた。
「感じたか?」
睨む気力もない和彦はすぐに顔を背けたが、あごを掴まれて戻される。与えられたのは、傲慢な口づけだった。熱い舌に歯列をこじ開けられ、口腔に飴玉を押し込まれてくる。賢吾の舌が飴玉をまさぐり、唆されるように和彦も舌先で追いかけていた。甘い味に思わず喉を鳴らし、口腔に唾液が溢れ出す。
賢吾と舌先が触れ合い、絡め合おうとしたが、飴玉が障害となる。すると賢吾の指が口腔に突っ込まれ、あっさり飴玉を掬い取られる。唾液塗れの飴玉の行き先は――。
「あっ、またっ――」
内奥に新たな飴玉を押し込まれたところに、再び高ぶった賢吾の欲望がわずかに挿入される。和彦は震えを帯びた息を吐き出した。
「……ダメ、だ。飴玉が……、怖いから」
「言ったろ。奥に入っても、溶けると。それにあとで、風呂の中で掻き出してもやる。少しずつ湯を入れて、ゆっくりと溶かしながら。そこまで含めて、浮気に対する仕置きだ」
背からゾクゾクするような疼きが這い上がり、賢吾に唇を吸われて吐息をこぼす。
「いい顔だ。……安心しろ。優しくしてやる。大事で可愛いオンナを、何があっても痛めつけるわけがねーだろ」
そう言いながら賢吾の手が、紐で縛められている欲望にかかる。
「こうされるのだって、本当は嫌っちゃいないはずだ」
「そんなわけ、ない――……。本当に、つらいんだ」
「そうか、つらいか」
賢吾はさらに、二度、三度と同じ行為を繰り返し、そのたびに和彦の内奥は、押し込まれてくるものを否応なく受け入れていく。
全身から汗が噴き出し、和彦は浅い呼吸を繰り返す。何個目かの異物を内奥に挿入されたが、無意識に締め付けた拍子に、押し戻してしまう。すると、賢吾の指が挿入され、内奥をゆっくりと掻き回された。
「あっ、ああっ」
異物が内奥で擦れ合い、一層奥へと押し込まれる。そこにまた、新たに異物を押し込まれた。
「思った通り、いくらでも食いそうだな。腹の中が、飴玉でいっぱいになるんじゃないか」
「……飴玉……」
「お前の尻に、妙なものを入れるはずがないだろ。いくら、仕置きとはいってもな。男を甘やかして癒す、大事な場所だ」
異物の正体が飴玉だとわかった途端、和彦の内奥は妖しく蠢き始める。指を挿入している賢吾にもそれが伝わったらしく、笑い声が耳に届いた。
「どうしようもないオンナだな、お前は。尻に飴玉を突っ込まれていたと知って、興奮したか?」
羞恥と屈辱感が、和彦の官能に火をつける。内奥の蠢きによって、飴玉の硬い感触を意識していた。すでにもう、欲望でも届かない深い場所にまで入り込んでいる。
「安心しろ。奥まで入っても、じっくりと溶けていくだけだ。そして、お前の中が甘くなる」
飴玉をもう一個押し込まれたところで和彦は、下腹部に違和感を覚える。腰をもじつかせると、賢吾の片手が前に這わされ、紐で縛められている欲望を軽く扱かれる。いつの間にか反応していた。
「どうやら、飴玉を気に入ったようだな」
「違、う――」
「そうか? さっきから尻の中も、ビクビクと痙攣してるぞ」
内奥で妖しく蠢く賢吾の指に、飴玉をまさぐられる。わざとなのか、粘膜と襞に飴玉を擦りつけるように弄られ、和彦は呻き声を洩らして腰をくねらせる。
じっくりと時間をかけて、飴玉を使って内奥を嬲られる。ときおり飴玉を掻き出されるが、すぐにまた押し込まれ、そのとき和彦は、浅ましく身悶えてしまう。
縛められた欲望が痛みを訴える。中からの刺激で身を起こそうとするのだが、巻きついた紐はきつく、和彦を苛むのだ。
「賢吾っ……、前、痛い……」
「仕置きをされている最中なんだから、我慢しないとな」
意地悪く賢吾に言われ、欲望を指で弾かれる。苦しさに涙が滲みそうになるが、内奥から指を出し入れされながら、柔らかな膨らみを巧みに揉みしだかれると、意識は呆気なく快感へと流される。
「ああっ、あーっ、あっ……ん、んっ、んうっ」
もどかしくて何度も身を捩り、なんとか両手の縛めを解こうと力を入れていると、ふいに賢吾の愛撫が止まる。次の瞬間、衣ずれの音がしたかと思うと、ふっと両手が楽になった。
腰を引き寄せられてから、慎重に体を仰向けにされる。このとき、内奥深くで飴玉が擦れ合い、いままで経験したことのないような刺激を生み出す。和彦が唇を噛むと、残酷な笑みを浮かべた賢吾が顔を覗き込んできた。
「感じたか?」
睨む気力もない和彦はすぐに顔を背けたが、あごを掴まれて戻される。与えられたのは、傲慢な口づけだった。熱い舌に歯列をこじ開けられ、口腔に飴玉を押し込まれてくる。賢吾の舌が飴玉をまさぐり、唆されるように和彦も舌先で追いかけていた。甘い味に思わず喉を鳴らし、口腔に唾液が溢れ出す。
賢吾と舌先が触れ合い、絡め合おうとしたが、飴玉が障害となる。すると賢吾の指が口腔に突っ込まれ、あっさり飴玉を掬い取られる。唾液塗れの飴玉の行き先は――。
「あっ、またっ――」
内奥に新たな飴玉を押し込まれたところに、再び高ぶった賢吾の欲望がわずかに挿入される。和彦は震えを帯びた息を吐き出した。
「……ダメ、だ。飴玉が……、怖いから」
「言ったろ。奥に入っても、溶けると。それにあとで、風呂の中で掻き出してもやる。少しずつ湯を入れて、ゆっくりと溶かしながら。そこまで含めて、浮気に対する仕置きだ」
背からゾクゾクするような疼きが這い上がり、賢吾に唇を吸われて吐息をこぼす。
「いい顔だ。……安心しろ。優しくしてやる。大事で可愛いオンナを、何があっても痛めつけるわけがねーだろ」
そう言いながら賢吾の手が、紐で縛められている欲望にかかる。
「こうされるのだって、本当は嫌っちゃいないはずだ」
「そんなわけ、ない――……。本当に、つらいんだ」
「そうか、つらいか」
78
あなたにおすすめの小説
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい
日向汐
BL
過保護なかわいい系美形の後輩。
たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡
そんなお話。
【攻め】
雨宮千冬(あめみや・ちふゆ)
大学1年。法学部。
淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。
甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。
【受け】
睦月伊織(むつき・いおり)
大学2年。工学部。
黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。
帝は傾国の元帥を寵愛する
tii
BL
セレスティア帝国、帝国歴二九九年――建国三百年を翌年に控えた帝都は、祝祭と喧騒に包まれていた。
舞踏会と武道会、華やかな催しの主役として並び立つのは、冷徹なる公子ユリウスと、“傾国の美貌”と謳われる名誉元帥ヴァルター。
誰もが息を呑むその姿は、帝国の象徴そのものであった。
だが祝祭の熱狂の陰で、ユリウスには避けられぬ宿命――帝位と婚姻の話が迫っていた。
それは、五年前に己の采配で抜擢したヴァルターとの関係に、確実に影を落とすものでもある。
互いを見つめ合う二人の間には、忠誠と愛執が絡み合う。
誰よりも近く、しかし決して交わってはならぬ距離。
やがて帝国を揺るがす大きな波が訪れるとき、二人は“帝と元帥”としての立場を選ぶのか、それとも――。
華やかな祝祭に幕を下ろし、始まるのは試練の物語。
冷徹な帝と傾国の元帥、互いにすべてを欲する二人の運命は、帝国三百年の節目に大きく揺れ動いてゆく。
【第13回BL大賞にエントリー中】
投票いただけると嬉しいです((꜆꜄ ˙꒳˙)꜆꜄꜆ポチポチポチポチ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる