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登場人物紹介:その1

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◆スターク (15・♀)

 本作の主人公の一人。 

 一人称は『あたし』。
 彼女が師事している武術の達人と同じ一人称。

 フェアトの双子の姉にして、【聖女】レイティアと【勇者】ディーリヒトの間に奇跡的に産まれた娘。

 身長はフェアトと同じ165センチ。
 体重は若干フェアトより重い。

 勇者譲りの栗色の短髪と真紅の瞳が特徴の美少女。

 旅立ってからは妹とお揃いの髪飾りをつけて左側頭部に束ねた、いわゆるサイドテールにしている。

 世界規模で見たとしても並ぶ者が殆どいないほどの圧倒的な【攻撃力】を誇っており、本気で足踏みすると国一つの存続を揺るがすレベルの地震を起こせる。

 産まれたばかりの頃はその力を制御できず毎日のように身体がボロボロになっていたが、レイティアが連れてきた武術の達人に【力の制御】と【体術】を習ったお陰で身体を壊さない程度に暴れる事が可能に。

 また、脚力を活かしての高速移動や高度の跳躍、肺活量を活かした大声による爆音波なども得意とする。

 自分の体術に武器や拷問器具の名前を付けがち。

 その力の代償ゆえか【魔法】に対して異常なほど弱く、覚えたての子供が放つ魔法でも大きな傷を負う。

 また、八つ全ての属性に適性を持ちながら魔法が一切使えない事を本人は心から残念がっている。

 手合わせと称して妹を木人のように扱い、戦いの中で盾や囮として利用する事も少なくはないが、だからといって大切に思っていないわけではない。

 むしろ、この世界の誰より妹が好きだからこそ自分の手元に置いておく為、傷つけようとする節も……?

 好きな食べ物は肉全般。
 嫌いな食べ物は野菜全般だが、自分では絶対に作らないし頼まないというだけで出されれば食べる。

◆フェアト (15・♀)

 本作の主人公の一人。

 一人称は『私』。
 姉と一人称が違うのは、姉が師事しているのとは別に彼女が【先生】と呼び慕っている魔法の熟練者が常に敬語を使っており、それが移ってしまったから。

 スタークと同じ聖女と勇者の娘であり、スタークの双子の妹だが顔立ちや体格以外はさほど似ていない。
 
 聖女譲りの金色の長髪と空色の瞳が特徴の美少女。

 彼女は元よりポニーテールだったが、旅立ってからは姉とお揃いの髪飾りにて束ねている。

 産まれてから15年もの間、傷を負った事も病に冒された事もなければ自分の血を見た事すらないというレイティアから見ても規格外の【守備力】を誇る。

 これを守備力と称していいのかという事と、自分の血は本当に赤いのかという事が最近の彼女の悩み。

 その力の代償ゆえか、その辺の子供と同じかそれ以下の身体能力しか有しておらず、ナイフやフォーク以上に重い物を運ぶ事はできない極端な体質を持つ。

 自発的な攻撃手段は全く持ち合わせていない。

 また、姉と同じく魔法の習得はできなかった。

 無論、スタークの攻撃力もフェアトの守備力の前では無力であり、この15年間で散々手合わせしてきたが一度も傷を負うどころか痛みを感じた事もない。
 
 普段は素っ気ない態度で隠しているものの姉の事は心から慕っており、『血が繋がっていなければ』と考える事もしばしばあるが、それを表には出さない。

 絶対的な守備力を持つ自分に傷を負わせた時、姉は満足して自分から離れていくのでは、という言いようのない不安に苛まれてもいるらしいが……?

 好きな食べ物は果物。
 嫌いな食べ物は脂《あぶら》っこいものだが、スタークの好みがそれである為に作る機会は割と多い。

◆レイティア (34・♀)

 スタークとフェアトの母親にして、18年前に天上の神々によって選定された【聖女】その人。

 一人称は『私』。

 身長は170センチ。
 体重はとある理由から軽め。

 金色の長髪と空色の瞳が特徴的な妙齢の女性。

 娘たち以外に家族はおらず、彼女の家族や親戚は聖女の出現を悟った魔王によって皆殺しにされている。

 同時期に勇者として選定されていたディーリヒトとともに、【魔王】の討伐と【魔族】の殲滅を志す。 

 そして、今から15年前に死力を尽くして魔王を討ち倒した唯一の生存者であり、世界の救世主の一人。

 その後、彼女が信仰する地母神ウムアルマが創造した辺境の地にて娘たちとともに仲良く暮らしていた。

 現在、彼女の存命を知る者は限られており、彼女が心から信頼できる者、或いは誰も知らないこの地で命を落としても構わない者を辺境の地に連れてきて、娘たちに接触させて外の世界の力を経験させる事も。

 聖女としての力は、文字通り神懸かった光の魔法。

 元より光属性に強い適性を持っており、それが神々の聖女認定によって更に力が開花した事で、この世界で最も優れた光の使い手となって勇者を支援した。

 勇者ディーリヒトとは将来を誓い合った仲だった。

 勇者が魔王と相討ちになった事で一人この世界に残される絶望に打ちひしがれていたが、そんな彼女に地母神が伝えたのは彼女の身体に宿る二つの命の事。

 15年が経過した今でもの無い彼女は未だに聖女としての力を残しており、その光の力は自らを無敵の【矛】や【盾】と自称する娘たちを圧倒するほど。

 娘たちを送り出す際、何やら意味深な別れの言葉とともに物悲しげな表情を浮かべていた理由とは……?

 好きな食べ物は家族と食べるご飯。
 嫌いな食べ物は一人で食べるご飯。

◆パイク&シルド (15・♀/15・♀)

 15年前、勇者の武器たる“勇竜剣《リントヴルム》”が壊れた後、その破片が卵となり、そこから産まれた双子の雌の竜。

 身体の大きさは自由自在、手乗りサイズから人間を乗せて飛べるサイズまで様々であり、大きさだけでなく形も武器や防具、装飾品まで多種多様に変化可能。

 パイクの瞳は真紅、シルドの瞳は紺碧。

 基本的に『りゅー』としか鳴けず、15年という時が経過していても未だ幼体である事が窺える。

 その正体は、かつて神々の代行者としてこの世界に君臨していた水晶の如き美しさを持つ巨竜、神晶竜。

 かの竜は神々の代行者たる自身を遥かに上回る力を持つ魔王の出現を悟った為、数多くの魔族を討ち倒していた勇者に試練と称して戦いを挑み、その戦いが終わった後は自らの身体を剣としてこの世界を託す。

 俗に【竜種】と呼ばれる魔物たちとは一線を画す魔力量や魔法の習得数を誇る反面、全身が硬質かつ柔軟な水晶でできているせいで【属性袋《プロパタンク》】という息吹《ブレス》を吐く為の器官が存在しない唯一の竜種となっている。

 パイクは火、風、氷、光の四属性の魔法を。

 シルドは水、土、雷、闇の四属性の魔法を扱う。

 パイクはスタークの相棒として、シルドはフェアトの相棒として転生した魔族の討伐の旅に同行する。

 好きな食べ物は鉱物や宝石だが、それはそれとして普通に人間の食べる物も魔力として吸収できる。
 嫌いな食べ物は魔族の血と肉と骨。
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