56 / 65
56 進むべき道とは③
しおりを挟む
「燃え尽きたよ~」
王宮の舞踏場にて、私はしゃがみ込んだ。あのお方のおかげで、精神的にクタクタだ。
「アリス、お疲れ様。かつての英雄を彷彿とさせる勇ましさだったよ」
「レオンこそ、大活躍だったね」
お互いに讃えあっていると、連絡や調整を済ませたローズが戻ってきた。
「アリス、レオン、相談がありますの。お時間をいただけまして?」
緊張感を漂わせるローズに、まだ戦いは終わっていないことを思い出した。両手で頬を「パン!」と叩き、気合いを入れて立ち上がる。
「いいわ! 何?」
「実を申しますと、異形の存在は数ヶ月前から、隣国で確認されておりましたの」
「え」
「討伐しなかったのかい?」
「ユル様が試みたものの、再生能力が高くて手に負えなかったそうですわ。それに、フラフラと歩くだけで、人や家畜を襲わないことから、害がないと判断されましたの。それでも、監視は続けていたそうですわ」
「なるほど。ユル様の国で発生したものが、なぜか国境を越えて、学園に侵入したというわけか」
「理由はあるの?」
「それは、まだ分かり……」
「俺への恨みを晴らしたいのだろう」
ローズの話に被せてきた者がいたが、辺りを見回しても姿はない。この無礼な物言いといい、聞いたことのある声といい、考えつくのはあの人だ。
「もしかして、ユル様?」
ローズは私を見てため息をつくと、指輪に話しかける。
「私なりに、順序立ててお話しておりますの。勝手に割り込まないでくださいませ」
「非常のときだ、大目に見ろ。あまり時間がない。俺から説明させてくれ」
「ああ、そういうことですか。では、ユル様のお話をお伺いしましょう」
レオンは瞬時に状況を理解し、次の展開を求めるが、私にはさっぱりだ。
「適応能力の差かな!? 話についていけないよ!」
「ユル様、お気になさらず。ご説明を」
「放置!?」
「アリス、一旦、落ち着こうか」
自分だけが理解できていないのは、何とも悔しいことではあるが、話を進めるために口を閉じる。
「お前たちも知っているように、傍流の俺が国を平定するためには、多くの反対勢力と戦う必要があった。
政権を交代した以降も、しつこく俺の命を狙う者や、昔の俺が大いに世話になった者は、皆まとめて地下牢に放り込んでおいたのだ。アリスに言っただろう。ころしていないと。まあ、あの劣悪な環境なら、そのうちしぬだろうとは思っていたがな」
当然のことのように言うが、相当ひどい内容ではないか。そんな仕打ちが受け入れられる人など、いるわけがない。牢の状況を想像するだけで、つらくなる。
「その人たちが反旗を翻したのですか。それにしても、瀕死の彼らがよく脱獄できましたね」
「いや、人であることを放棄し、魔物となった」
今、さらりとすごいことを言ったぞ。厳しい表情をしていたレオンから、表情がなくなった。
「魔物を使役しているのではなく、自らを魔に堕としたと?」
命懸けの復讐なんて、どんな気持ちか想像もできない。いかに自分が能天気に生きて来たかを思い知る。
「それでも、分かりませんわ。一矢報いたいならば、国内にいるユル様を狙うはずですのに。なぜ、ここへ現れましたの?」
「……それは、その」
ローズの追求に、ユルが言い淀んだ。身に覚えがあるらしい。レオンの目が光る。
「もしかして、彼らに自慢話を聞かせたのではないですか? 例えば、アリスやローズとのエピソードを、五割り増しで」
それは半分嘘ではないか。
いくらユルでも、絶望の淵にいる人に対して、そこまで非道な真似はしないだろう。
「……許せ。そのくらいの嫌がらせをしてもいいと思ったのだ」
「図星かな!?」
「なるほど。彼らは、ユル様が一番苦しむ方法を選択したのか」
「ユル様っ! いかなる理由があろうと、我が国の民を危険にさらすことは許せませんわ!」
滅多に感情的にならないローズが、烈火の如く怒る。
「……弁解のしようもない」
ローズの異変に周りの生徒も気付き始め、少しずつ人が集まって来ている。
「みんなが聞いているよう」
「構いませんわ。皆さまには、知る権利がありますもの。ユル様には、後できっちり責任をとっていただきますわ」
それはもちろんだが、私にはどうしても分からないことがある。
「彼らの狙いが、私とローズだとして、どうやって探すつもりかな?」
「探す必要はないよ。皆ごろしにすれば済むからね」
「では、学園の制服を覚えられたら、登下校中も狙われますわね」
レオンが真顔で恐ろしいことを言い、ローズも負けずに最悪の事態を想定している。
「ええっ。そうなると、全ての魔物が討伐されるまで、ここでの避難生活は続くのかな!?」
「そうなるよね」
「仕方ありませんわ」
「でも……」
初等部の生徒たちは幼いため、長期間は避けたい。そもそも、ユルの国でも倒せなかったのに、我々が対抗できるのだろうか。周りの生徒を見ると、完全に怯えていた。
(ですよね)
みんな怖いのだから、上級生の私が弱気になってはダメだ。気持ちで負けたら現実でも勝てるわけがない。
「よーし! 早く解決して、みんなを家に帰してあげよう!」
「アリスの言う通りですわ! こちらも、負け戦をするつもりはありませんわよ。ただいま、国中の戦力を学園に集めておりますの」
「俺からも良い報告がある。光の民にも、ご協力いただけるぞ」
「え」
ユル様から、信じられない話が飛び出した。光の民とは、神に愛された奇跡の一族だ。
彼らは、常に旅をしているため、どこにいるか分からないし、お目にかかれる機会は数年に一度、あるかないかだ。
それなのに、このタイミングで学園に来てくれるというのか。
「通常の武力では、お手上げだからな。交渉は大変だったが、若手のホープであるサラ様が来てくださる。今、飛竜に乗って一緒に向かっているから、もう少し耐えてくれ」
「分かりました。僕らにも、できることはありますか?」
「聞いてみよう」
レオンの質問を聞くため、指輪の向こうではユルが大声で叫んでいた。違う飛竜に乗っているため、会話がしづらいらしい。
自分の居場所は自分で守りたい気持ちは、よく分かる。私も、何もせずに待っているのは落ち着かない。
「武器や食糧の運搬とか、情報収集ならできるよ」
私が参戦の意思表明をした途端、二人は拒絶の体制に入った。
「遠慮するよ。アリスが来ると、みんなの気が散るからね」
「その通りですわよ。ここで後輩の面倒を見ている方が、よほど役に立てますわ」
「……あしでまとい」
しょぼんとしていると、ユル様の声がした。
「えーと、伝えるぞ。サラ様は、甘くて美味しいお菓子をご所望だ。終わったらすぐにお召し上がりになりたいそうで、今から準備して欲しいとおっしゃっている。……頼めるか?」
三人で顔を合わせてキョトンとする。
「戦力の応援は、必要ありませんの?」
「まあ、そういうことだ。学生諸君は、お茶会の準備に励め」
「ちょっとよく分からないけれど、もしかして、奇跡を起こすには糖分が必要なのかな?」
「あははは! すごいな! サラ様は、戦いに負ける気なんてないんだ!」
レオンの言葉に、ローズは勝利を確信したように微笑んだ。
「ユル様! 王家の威信に欠けて、最高級のお菓子をご用意いたしますと、お伝えくださいませ!」
彼女の力強く明るい声が、舞踏場に響いた。遠巻きに見ていた生徒たちから、ワッと歓声が上がり、ローズは彼らの方を向く。
「皆さま! お聞きになりましたわね! サラ様が駆け付けてくださいますわ! 我々の勝利は目前です! もう、恐れることはありませんわ! さあ、我々の意地にかけて、最高のお茶会にいたしますわよ!」
「おおーっ!!」
戦いの場に赴かなくとも出来ることはある。私たちには、私たちの戦いがあるのだ。
一致団結した私たちは、かつてない規模のお茶会を開催するため、大喜びで準備に入った。先ほどとは打って変わって、みんなの顔が明るい。
「ここまで計算していたとしたら、サラ様はすごいね」
レオンが呟く。
「うん、そうだね」
まだ見ぬサラ様に、私は期待は膨らむばかりだった。
王宮の舞踏場にて、私はしゃがみ込んだ。あのお方のおかげで、精神的にクタクタだ。
「アリス、お疲れ様。かつての英雄を彷彿とさせる勇ましさだったよ」
「レオンこそ、大活躍だったね」
お互いに讃えあっていると、連絡や調整を済ませたローズが戻ってきた。
「アリス、レオン、相談がありますの。お時間をいただけまして?」
緊張感を漂わせるローズに、まだ戦いは終わっていないことを思い出した。両手で頬を「パン!」と叩き、気合いを入れて立ち上がる。
「いいわ! 何?」
「実を申しますと、異形の存在は数ヶ月前から、隣国で確認されておりましたの」
「え」
「討伐しなかったのかい?」
「ユル様が試みたものの、再生能力が高くて手に負えなかったそうですわ。それに、フラフラと歩くだけで、人や家畜を襲わないことから、害がないと判断されましたの。それでも、監視は続けていたそうですわ」
「なるほど。ユル様の国で発生したものが、なぜか国境を越えて、学園に侵入したというわけか」
「理由はあるの?」
「それは、まだ分かり……」
「俺への恨みを晴らしたいのだろう」
ローズの話に被せてきた者がいたが、辺りを見回しても姿はない。この無礼な物言いといい、聞いたことのある声といい、考えつくのはあの人だ。
「もしかして、ユル様?」
ローズは私を見てため息をつくと、指輪に話しかける。
「私なりに、順序立ててお話しておりますの。勝手に割り込まないでくださいませ」
「非常のときだ、大目に見ろ。あまり時間がない。俺から説明させてくれ」
「ああ、そういうことですか。では、ユル様のお話をお伺いしましょう」
レオンは瞬時に状況を理解し、次の展開を求めるが、私にはさっぱりだ。
「適応能力の差かな!? 話についていけないよ!」
「ユル様、お気になさらず。ご説明を」
「放置!?」
「アリス、一旦、落ち着こうか」
自分だけが理解できていないのは、何とも悔しいことではあるが、話を進めるために口を閉じる。
「お前たちも知っているように、傍流の俺が国を平定するためには、多くの反対勢力と戦う必要があった。
政権を交代した以降も、しつこく俺の命を狙う者や、昔の俺が大いに世話になった者は、皆まとめて地下牢に放り込んでおいたのだ。アリスに言っただろう。ころしていないと。まあ、あの劣悪な環境なら、そのうちしぬだろうとは思っていたがな」
当然のことのように言うが、相当ひどい内容ではないか。そんな仕打ちが受け入れられる人など、いるわけがない。牢の状況を想像するだけで、つらくなる。
「その人たちが反旗を翻したのですか。それにしても、瀕死の彼らがよく脱獄できましたね」
「いや、人であることを放棄し、魔物となった」
今、さらりとすごいことを言ったぞ。厳しい表情をしていたレオンから、表情がなくなった。
「魔物を使役しているのではなく、自らを魔に堕としたと?」
命懸けの復讐なんて、どんな気持ちか想像もできない。いかに自分が能天気に生きて来たかを思い知る。
「それでも、分かりませんわ。一矢報いたいならば、国内にいるユル様を狙うはずですのに。なぜ、ここへ現れましたの?」
「……それは、その」
ローズの追求に、ユルが言い淀んだ。身に覚えがあるらしい。レオンの目が光る。
「もしかして、彼らに自慢話を聞かせたのではないですか? 例えば、アリスやローズとのエピソードを、五割り増しで」
それは半分嘘ではないか。
いくらユルでも、絶望の淵にいる人に対して、そこまで非道な真似はしないだろう。
「……許せ。そのくらいの嫌がらせをしてもいいと思ったのだ」
「図星かな!?」
「なるほど。彼らは、ユル様が一番苦しむ方法を選択したのか」
「ユル様っ! いかなる理由があろうと、我が国の民を危険にさらすことは許せませんわ!」
滅多に感情的にならないローズが、烈火の如く怒る。
「……弁解のしようもない」
ローズの異変に周りの生徒も気付き始め、少しずつ人が集まって来ている。
「みんなが聞いているよう」
「構いませんわ。皆さまには、知る権利がありますもの。ユル様には、後できっちり責任をとっていただきますわ」
それはもちろんだが、私にはどうしても分からないことがある。
「彼らの狙いが、私とローズだとして、どうやって探すつもりかな?」
「探す必要はないよ。皆ごろしにすれば済むからね」
「では、学園の制服を覚えられたら、登下校中も狙われますわね」
レオンが真顔で恐ろしいことを言い、ローズも負けずに最悪の事態を想定している。
「ええっ。そうなると、全ての魔物が討伐されるまで、ここでの避難生活は続くのかな!?」
「そうなるよね」
「仕方ありませんわ」
「でも……」
初等部の生徒たちは幼いため、長期間は避けたい。そもそも、ユルの国でも倒せなかったのに、我々が対抗できるのだろうか。周りの生徒を見ると、完全に怯えていた。
(ですよね)
みんな怖いのだから、上級生の私が弱気になってはダメだ。気持ちで負けたら現実でも勝てるわけがない。
「よーし! 早く解決して、みんなを家に帰してあげよう!」
「アリスの言う通りですわ! こちらも、負け戦をするつもりはありませんわよ。ただいま、国中の戦力を学園に集めておりますの」
「俺からも良い報告がある。光の民にも、ご協力いただけるぞ」
「え」
ユル様から、信じられない話が飛び出した。光の民とは、神に愛された奇跡の一族だ。
彼らは、常に旅をしているため、どこにいるか分からないし、お目にかかれる機会は数年に一度、あるかないかだ。
それなのに、このタイミングで学園に来てくれるというのか。
「通常の武力では、お手上げだからな。交渉は大変だったが、若手のホープであるサラ様が来てくださる。今、飛竜に乗って一緒に向かっているから、もう少し耐えてくれ」
「分かりました。僕らにも、できることはありますか?」
「聞いてみよう」
レオンの質問を聞くため、指輪の向こうではユルが大声で叫んでいた。違う飛竜に乗っているため、会話がしづらいらしい。
自分の居場所は自分で守りたい気持ちは、よく分かる。私も、何もせずに待っているのは落ち着かない。
「武器や食糧の運搬とか、情報収集ならできるよ」
私が参戦の意思表明をした途端、二人は拒絶の体制に入った。
「遠慮するよ。アリスが来ると、みんなの気が散るからね」
「その通りですわよ。ここで後輩の面倒を見ている方が、よほど役に立てますわ」
「……あしでまとい」
しょぼんとしていると、ユル様の声がした。
「えーと、伝えるぞ。サラ様は、甘くて美味しいお菓子をご所望だ。終わったらすぐにお召し上がりになりたいそうで、今から準備して欲しいとおっしゃっている。……頼めるか?」
三人で顔を合わせてキョトンとする。
「戦力の応援は、必要ありませんの?」
「まあ、そういうことだ。学生諸君は、お茶会の準備に励め」
「ちょっとよく分からないけれど、もしかして、奇跡を起こすには糖分が必要なのかな?」
「あははは! すごいな! サラ様は、戦いに負ける気なんてないんだ!」
レオンの言葉に、ローズは勝利を確信したように微笑んだ。
「ユル様! 王家の威信に欠けて、最高級のお菓子をご用意いたしますと、お伝えくださいませ!」
彼女の力強く明るい声が、舞踏場に響いた。遠巻きに見ていた生徒たちから、ワッと歓声が上がり、ローズは彼らの方を向く。
「皆さま! お聞きになりましたわね! サラ様が駆け付けてくださいますわ! 我々の勝利は目前です! もう、恐れることはありませんわ! さあ、我々の意地にかけて、最高のお茶会にいたしますわよ!」
「おおーっ!!」
戦いの場に赴かなくとも出来ることはある。私たちには、私たちの戦いがあるのだ。
一致団結した私たちは、かつてない規模のお茶会を開催するため、大喜びで準備に入った。先ほどとは打って変わって、みんなの顔が明るい。
「ここまで計算していたとしたら、サラ様はすごいね」
レオンが呟く。
「うん、そうだね」
まだ見ぬサラ様に、私は期待は膨らむばかりだった。
111
あなたにおすすめの小説
【完結】愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
第18回恋愛小説大賞で、『奨励賞』をいただきましたっ!
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)
【完結】初夜寸前で「君を愛するつもりはない」と言われました。つもりってなんですか?
迦陵 れん
恋愛
侯爵家跡取りのクロディーヌと、公爵家三男のアストルは政略結婚といえども、幸せな結婚をした。
婚約者時代から日々お互いを想い合い、記念日にはプレゼントを交換し合って──。
なのに、記念すべき結婚初夜で、晴れて夫となったアストルが口にしたのは「君を愛するつもりはない」という言葉。
何故? どうして? クロディーヌは混乱に陥るも、アストルの真意は掴めない。
一方で、巷の恋愛小説ばりの言葉を放ったアストルも、悶々とした気持ちを抱えていて──。
政略で結ばれた婚約でありながら奇跡的に両想いとなった二人が、幸せの絶頂である筈の結婚を機に仲違い。
周囲に翻弄されつつ、徐々に信頼を取り戻していくお話です。
元鞘が嫌いな方はごめんなさい。いろんなパターンで思い付くままに書いてます。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
殿下に寵愛されてませんが別にかまいません!!!!!
さら
恋愛
王太子アルベルト殿下の婚約者であった令嬢リリアナ。けれど、ある日突然「裏切り者」の汚名を着せられ、殿下の寵愛を失い、婚約を破棄されてしまう。
――でも、リリアナは泣き崩れなかった。
「殿下に愛されなくても、私には花と薬草がある。健気? 別に演じてないですけど?」
庶民の村で暮らし始めた彼女は、花畑を育て、子どもたちに薬草茶を振る舞い、村人から慕われていく。だが、そんな彼女を放っておけないのが、執着心に囚われた殿下。噂を流し、畑を焼き払い、ついには刺客を放ち……。
「どこまで私を追い詰めたいのですか、殿下」
絶望の淵に立たされたリリアナを守ろうとするのは、騎士団長セドリック。冷徹で寡黙な男は、彼女の誠実さに心を動かされ、やがて命を懸けて庇う。
「俺は、君を守るために剣を振るう」
寵愛などなくても構わない。けれど、守ってくれる人がいる――。
灰の大地に芽吹く新しい絆が、彼女を強く、美しく咲かせていく。
【完結】公爵令嬢は、婚約破棄をあっさり受け入れる
櫻井みこと
恋愛
突然、婚約破棄を言い渡された。
彼は社交辞令を真に受けて、自分が愛されていて、そのために私が必死に努力をしているのだと勘違いしていたらしい。
だから泣いて縋ると思っていたらしいですが、それはあり得ません。
私が王妃になるのは確定。その相手がたまたま、あなただった。それだけです。
またまた軽率に短編。
一話…マリエ視点
二話…婚約者視点
三話…子爵令嬢視点
四話…第二王子視点
五話…マリエ視点
六話…兄視点
※全六話で完結しました。馬鹿すぎる王子にご注意ください。
スピンオフ始めました。
「追放された聖女が隣国の腹黒公爵を頼ったら、国がなくなってしまいました」連載中!
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
希望通り婚約破棄したのになぜか元婚約者が言い寄って来ます
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢ルーナは、婚約者で公爵令息エヴァンから、一方的に婚約破棄を告げられる。この1年、エヴァンに無視され続けていたルーナは、そんなエヴァンの申し出を素直に受け入れた。
傷つき疲れ果てたルーナだが、家族の支えで何とか気持ちを立て直し、エヴァンへの想いを断ち切り、親友エマの支えを受けながら、少しずつ前へと進もうとしていた。
そんな中、あれほどまでに冷たく一方的に婚約破棄を言い渡したはずのエヴァンが、復縁を迫って来たのだ。聞けばルーナを嫌っている公爵令嬢で王太子の婚約者、ナタリーに騙されたとの事。
自分を嫌い、暴言を吐くナタリーのいう事を鵜呑みにした事、さらに1年ものあいだ冷遇されていた事が、どうしても許せないルーナは、エヴァンを拒み続ける。
絶対にエヴァンとやり直すなんて無理だと思っていたルーナだったが、異常なまでにルーナに憎しみを抱くナタリーの毒牙が彼女を襲う。
次々にルーナに攻撃を仕掛けるナタリーに、エヴァンは…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる