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前編 新たなる世界
第十話 世界の理と、規格外の両親
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ノエルは、椅子に座り直したオスカーにまっすぐ見つめて尋ねた。
「父ちゃん……俺はいま何歳で、どうして俺は治癒士の資質を持っているんだ?」
「なるほどな……そんなことまで忘れてしまったのか。大変だったな、ノエル」オスカーは痛ましげに、けれど優しく微笑んだ。
「お前は十歳になったばかりだ。ちなみに、一緒にいたマリーベルは十三歳、三つ年上の幼馴染だよ」
「……十歳か……」(前世の半分以下じゃねぇか。道理で体が軽いと思ったぜ)
「お前は元々、引っ込み思案で大人しい子だった。体も弱くて風邪を引きやすいし、怪我も多かったな」
オスカーは十歳の子どもにもわかるように言葉を選びながら続けた。
「お前はまだ自分で『セルフヒール』が使えなかったから、俺や母さんのセリアがいつも治療していたんだ」
「今回のルナ・グリズリーによる傷も致命傷だったが、セリアのヒールでお前の傷は驚くほど速くに治った。……普通なら数時間はかかるはずの重症が、ほんの数分で完治したんだよ」
「そんなに早く……?母ちゃん凄ぇなぁ!」
「ああ。ただ、三日間も目が覚めなかったから、俺もセリアも脳に異常が出たんじゃないかと心配したんだ。いくら優秀な治癒士でも、死んだ人間や脳死状態は治せないからな……」
「確かにセリアは優秀な治癒士だが、俺たちはノエルの『自己治癒魔法』とセリアの魔法が同調して、奇跡的に命を繋ぎ止めたんだと思っている」
「俺の自己治癒魔法?……やっぱり俺はヒールを使えるんだな」ノエルは小さくつぶやいた。
「もちろんだとも!お前は頭もいいし、俺とセリアの資質を色濃く受け継いでいる。レベル1でも簡単な傷を治せるヒールは使えるはずだ。まあ心配するな、治癒士になるための勉強は始めたばかりだからな」
(頭が良いと言われるとなんか歯痒いなぁ……羅門だった頃は勉強はからきし駄目だったのに……汗)ノエルは苦笑いした。
元のノエルはエレメンタリースクールでも優秀で、飛び級で卒業予定だったという。
「父ちゃん、マリーベルともう一人、一緒に戦った女の子の事を教えてくれ」
「サリーサのことか。彼女はマリーベルの友達で十三歳だ。二人とも既にエレメンタリースクールを卒業している」
「二人はレベル4の『ノーマルクラス』で、マリーベルは魔術士(マジシャン)サリーサは狩人(ハンター)の職業(ジョブ)だ」
「二人は資質が高いゆえに自分たちの力を過信し、無茶をしてしまったのだろう」
「ルナ・グリズリーはノーマルクラスの冒険者が束になっても勝てる相手じゃない。
「いや、ビギナークラスの冒険者にだってやっとの思いで倒せるかどうかだ」
「騎士長のイカルロス様が通りかからなければ、今頃はどうなっていたことか……」オスカーはホット胸をなでおろした。
「父ちゃん……王国騎士団ってそんなに凄ぇのか?」
「なるほど……ちょっと待っていろ……」オスカーは机の上に古びた地図を広げた。
「ここはアデルという名前の城下町で、ライゼル公国の中心地だ」
「我が国は『テラマグネタイト』という希少な魔法金属の鉱山が多数あり、その恩恵で潤っている」
「テラマグネタイトはアイアン(鉄)に比べて硬度が高く、性能が良い武器や防具に加工できる金属だ」
「ただ、その資源を巡って他国との争いが絶えない。そんな争いにからの国の防衛の要が王国騎士団だ」
「お前を助けたイカルロス様はその王国騎士団の騎士長で、団長に次ぐ地位にあるのだ」
「イカルロス様はそんなに凄ぇ人だったのか!」
「そうだぞ!イカルロス様の二つ名は『アイアンフォートレス』(不落の鉄壁)」
「十五年前に起こったマルダイン帝国からの侵略の際に、たった一人で百人の兵士を退けたその偉業からついた二つ名だ」
「アイアンフォートレス!なんかわかんねぇけどかっこいいっ!!」ノエルは興奮し拳を握った。
(一人で百人抜きかよ!まるで無双ゲームの主人じゃねぇか!あの痛快さはたまんねぇ!久しぶりにやりてぇなぁ……)ノエルはニヤニヤと顔を緩ませる。
(こいつは本当に大丈夫かなぁ……以前はこんな、下品な笑い方はしなかったんだがな……やっぱり頭の打ちどころが悪かったのか……汗)
ノエルが顔をニヤニヤと緩ませる様子を見て、オスカーは少し気持ちが引いてしまう。
息子の「急成長??にオスカーは戸惑いを隠せないのだった。
<あとがき>
最後まで読んでいただきありがとうございます。読者の皆様のおかげで10話達成することが出来ました。これからノエルのチートが見え隠れ!最高の資質の正体など、ご興味いただけたらと思います。お気に入り登録や感想などで応援していただけると嬉しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
「父ちゃん……俺はいま何歳で、どうして俺は治癒士の資質を持っているんだ?」
「なるほどな……そんなことまで忘れてしまったのか。大変だったな、ノエル」オスカーは痛ましげに、けれど優しく微笑んだ。
「お前は十歳になったばかりだ。ちなみに、一緒にいたマリーベルは十三歳、三つ年上の幼馴染だよ」
「……十歳か……」(前世の半分以下じゃねぇか。道理で体が軽いと思ったぜ)
「お前は元々、引っ込み思案で大人しい子だった。体も弱くて風邪を引きやすいし、怪我も多かったな」
オスカーは十歳の子どもにもわかるように言葉を選びながら続けた。
「お前はまだ自分で『セルフヒール』が使えなかったから、俺や母さんのセリアがいつも治療していたんだ」
「今回のルナ・グリズリーによる傷も致命傷だったが、セリアのヒールでお前の傷は驚くほど速くに治った。……普通なら数時間はかかるはずの重症が、ほんの数分で完治したんだよ」
「そんなに早く……?母ちゃん凄ぇなぁ!」
「ああ。ただ、三日間も目が覚めなかったから、俺もセリアも脳に異常が出たんじゃないかと心配したんだ。いくら優秀な治癒士でも、死んだ人間や脳死状態は治せないからな……」
「確かにセリアは優秀な治癒士だが、俺たちはノエルの『自己治癒魔法』とセリアの魔法が同調して、奇跡的に命を繋ぎ止めたんだと思っている」
「俺の自己治癒魔法?……やっぱり俺はヒールを使えるんだな」ノエルは小さくつぶやいた。
「もちろんだとも!お前は頭もいいし、俺とセリアの資質を色濃く受け継いでいる。レベル1でも簡単な傷を治せるヒールは使えるはずだ。まあ心配するな、治癒士になるための勉強は始めたばかりだからな」
(頭が良いと言われるとなんか歯痒いなぁ……羅門だった頃は勉強はからきし駄目だったのに……汗)ノエルは苦笑いした。
元のノエルはエレメンタリースクールでも優秀で、飛び級で卒業予定だったという。
「父ちゃん、マリーベルともう一人、一緒に戦った女の子の事を教えてくれ」
「サリーサのことか。彼女はマリーベルの友達で十三歳だ。二人とも既にエレメンタリースクールを卒業している」
「二人はレベル4の『ノーマルクラス』で、マリーベルは魔術士(マジシャン)サリーサは狩人(ハンター)の職業(ジョブ)だ」
「二人は資質が高いゆえに自分たちの力を過信し、無茶をしてしまったのだろう」
「ルナ・グリズリーはノーマルクラスの冒険者が束になっても勝てる相手じゃない。
「いや、ビギナークラスの冒険者にだってやっとの思いで倒せるかどうかだ」
「騎士長のイカルロス様が通りかからなければ、今頃はどうなっていたことか……」オスカーはホット胸をなでおろした。
「父ちゃん……王国騎士団ってそんなに凄ぇのか?」
「なるほど……ちょっと待っていろ……」オスカーは机の上に古びた地図を広げた。
「ここはアデルという名前の城下町で、ライゼル公国の中心地だ」
「我が国は『テラマグネタイト』という希少な魔法金属の鉱山が多数あり、その恩恵で潤っている」
「テラマグネタイトはアイアン(鉄)に比べて硬度が高く、性能が良い武器や防具に加工できる金属だ」
「ただ、その資源を巡って他国との争いが絶えない。そんな争いにからの国の防衛の要が王国騎士団だ」
「お前を助けたイカルロス様はその王国騎士団の騎士長で、団長に次ぐ地位にあるのだ」
「イカルロス様はそんなに凄ぇ人だったのか!」
「そうだぞ!イカルロス様の二つ名は『アイアンフォートレス』(不落の鉄壁)」
「十五年前に起こったマルダイン帝国からの侵略の際に、たった一人で百人の兵士を退けたその偉業からついた二つ名だ」
「アイアンフォートレス!なんかわかんねぇけどかっこいいっ!!」ノエルは興奮し拳を握った。
(一人で百人抜きかよ!まるで無双ゲームの主人じゃねぇか!あの痛快さはたまんねぇ!久しぶりにやりてぇなぁ……)ノエルはニヤニヤと顔を緩ませる。
(こいつは本当に大丈夫かなぁ……以前はこんな、下品な笑い方はしなかったんだがな……やっぱり頭の打ちどころが悪かったのか……汗)
ノエルが顔をニヤニヤと緩ませる様子を見て、オスカーは少し気持ちが引いてしまう。
息子の「急成長??にオスカーは戸惑いを隠せないのだった。
<あとがき>
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