空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ

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前編 新たなる世界

第十二話 学舎のライバル

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 精霊獣ルナ•グリズリーとの戦闘から奇跡的な生還を果たし、三日間の意識不明を乗り越えて、ノエルはエレメンタリースクールへと戻ってきた。

 本当はすぐにでも鍛錬を中心とした生活を送りたかったのだが、両親との約束があった。まずはエレメンタリースクールを卒業すること。

 その後に冒険者登録をおこない、治癒士としての基礎知識を獲得をするための鍛錬を本格化させるという条件だ。

 ***

 **(おっと、両親……特に母ちゃんのガミガミは関係ねぇぞ!ただ登録に卒業資格が必要だからよ……ナレーション綺麗にまとめすぎだぞ!)**

 **(えっ?母ちゃんのガミガミが気になるって?そりゃ「あんた、治癒士目指すくせに学校行かないってどういう事よ!!」って、あの迫力でガミガミと迫られたらな……学校に戻るしかねぇだろう……な?)*byノエルの心の声。

 ***

 「まさかこの歳でまた小学校に通うことになるとはな……」ノエルはエレメンタリースクールの正門前に立ち、感慨深げに呟いた。

 正門の先には木造の二階建ての校舎が建ち、裏手には広いグランド。併設された図書館は公共の役割も兼ねているようだ。

 (ガキの頃はもう空手を始めていたな……それからずっと、空手一筋だったっけ……)

 前世の五里羅門は高校時代には既に立派な「空手バカ」だった。

 (体育大学も空手推薦だったし、勉強なんてまともにしたことがねぇ)

 (そういや、この世界の学校は小学校で終わりなんだな。合理的でいいじゃねぇか)ノエルはふと思った。

 ノエルは正門をくぐり教室へと向かった。

 初めてみる景色。しかし、教室内を見渡した瞬間、奇妙な感覚に襲われた。

 掲示板に書かれた見たことがないこの世界の言語や、魔法学の基礎といった知識が、まるで以前から知っていたかのように、すんなりと頭に入ってくるのだ。

 (あれ?おかしい。知らない文字なのになんでこんなにスラスラ読めるの?)

 **キンコンカンコン** 授業開始のチャイムが鳴り、間もなくして先生が教室に入ってきた。

 「皆さん、おはようございます。おっ!ノエル君、もう体の調子は大丈夫なのかな?」

 「う、うっす!」突然先生に振られてノエルは慌てて返事をした。

 「うっす?変わった返事だね……まぁいいか。では魔法力学の教科書98ページを開いてくたまさい……」

 (あれ?なんだこの簡単な教科書は!まるでマンガを読んでいるみてぇだ……)

 (父ちゃんは前のノエルは勉強が得意で飛び級で卒業目前だったと言っていたけど、そもそも、その記憶や学力だってないはずなのに……)

 (もしかして、これが資質ってやつか?!ひ弱な体と引き換えに、頭の良さだけは受け継いじまったってのか……)

 (……いや、待て。空手バカだった俺の頭が簡単に理解できるって事はこの世界の勉強って簡単なんじゃねぇの?)

 ノエルは授業中に様々な教科書を開いてみる。

 複雑なはずの魔力循環の法則が、まるで簡単な足し算引き算のように単純に感じられた。

 (いやいや、これって普通だったら絶対に難しいだろ!!)と、ノエルは色々と考え頭を抱えた。

 「ノエル君、頭でも痛いのかな?」授業中、先生がノエルに話しかけた。

 「えっ?あっ?平気っす!あはは……」

 「『っす?あはは……?』ノエル君、面白い話し方だね、以前とは雰囲気がだいぶ変わったようだけど、まぁいいか、前に出てこの問題を解いてみなさい」

 「うっす!」ノエルは胸を張り威風堂々いふうどうどうと前に出て、サラサラと問題を解いて見せた。

 「ノエル君、さすがだ、完璧だよ!」先生は称賛の声を上げる。

 「チート凄ぇ……俺だってなんで出来るのかさっぱりわかんねぇよ……」ノエルは呟いた。

 「チッ……偉そうに……」その時、ノエルを射抜くような鋭い視線があった。

 その眼光を光らせていたのはライオス・アルトという少年であった。
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