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後編 ヒールが使えない治癒士〜ついに魔力覚醒!?〜
第四十七話 名家の重み
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「よし。じゃぁ、作戦を練ろう」
「おう!それで、どんすればいいんだ?」
暗い地下空洞の隙間で、二人の少年は身を潜めながら小声で言葉を交わす。
「まずは、俺が分析したベアマウスとマウスキングの特性からだ」
「分析?お前、そんなのいつやったんだよ」
「さっきからずっとだ……。それこそ、この洞窟に入ってからずっと」
「そんな時間、あったのか!?」
「お前や、じゃじゃ馬娘たちが前で戦ってる間、後ろで暇だったからな。みんなの動きと精霊獣の癖を観察してただけだ。そんなに凄いことはしていないさ」
ライオスは目を輝かせ、羨望の眼差しでノエルを見つめた。(うゎぁ......この変わりよう......さすがは単細胞......扱いやすいな……汗)
「......まず、モルマウスは弱いが、必ず群れで行動する。あいつらが相手なら、狭い場所で戦うのは圧倒的に不利だ」
「ふむふむ......」ライオスは、かつてないほど真剣にノエルの言葉にに耳を傾けている。
「次にベアマウスとマウスキングだ。こいつらは共闘……というより、連携している」
「それは俺でもわかるぞ?ノエル俺を馬鹿にしているのか?」
「......ライオス。今後お前は「馬鹿にする」という言葉は禁止だ!」
「えっ?なんでだよ!」
「お前、それが口癖になっているぞ。自分に対して無意識に『俺は馬鹿だ』という暗示をかけていることにいい加減気が付け!他人はそれほどお前をのことを何とも思っちゃいない!」(……多分だけどな......汗)
「ノ、ノエル!......」ライオスの大きな目から、大粒の涙が零れ落ちた。
「ラ、ライオス......お前......」(こいつはこいつなりに相当、周囲の評価が辛かったんだな......)
「うっ......すまん。わかった。もう言わない……絶対に言わない!」ライオスは腕で乱暴に涙を拭うと、驚くほど晴れやかな顔をした。
(よし、一皮むけたな......。セルフイメージは何事もおいても重要だ。自分にネガティブな呪いを背負ったままじゃ、勝てる勝負だって勝てないからな)
「おっほん......。ライオス、それでいい......」ノエルはわざとらしく咳ばらいをし、話を戻した。
「連携しているということは、指示命令系統がしっかりしているということだ。マウスキングはただデカいだけじゃない。明らかにベアマウスを駒として動かしている」
「......?」
「じゃなければ、俺たちが逃げ出した時、マウスキングも含めて全戦力で追ってくるはずだろ」
「なるほど......追いかけてきたのはたったの二体だけだった。他の三体はベアマウスの傍を離れていないってことだな。王を守る護衛ってことか」
(お、少しは頭が回ってきたな!)「そうだ。最初のベアマウスも攻撃を仕掛けてこなかったのは、本隊の到着を待つための時間稼ぎだったんだ」
「ネズミの癖に頭いいなぁ!」
「狭い通路に逃げたのも、ネズミの広範囲からの包囲を防ぐためだ。おかげで俺たちは正面だけ見てれば良かっただろ?」
「......お前の言うとおりだ。……でも俺の大剣が使えなくなったじゃないか!」
「それはお前の戦術バリエーションが貧弱だからだ!大剣を使って狭い場所で戦う技術を持っていないにすぎん!」
「......また俺を馬鹿に......。いやノエルの言うとおりだ......」ライオスは悔しそうに唇を噛んだが、その目は死んでいなかった。
***
「さて、ライオス、次はお前の番だ!ベアマウスとマウスキングの弱点を教えろ!」
「なんだよ、いきなり!」
「俺とお前は運命共同体だろ?お前の知識がないと生き残れないんだ」
「そ、そうか!......父上はベアマウスもマウスキングも一体一体はそれほど強くない。ただずる賢くて狡猾って言ってた」ライオスは頼りにされたことが嬉しいのか、得意げな表情を浮かべた。
「やはりそうか......。だからマウスキングは必ず護衛を置く。慎重なんだ。……なら、俺たちにも武があるぞ、ライオス!」
「ノエル!俺も力が沸いてきたぞ!」
二人の少年は、闇の中で固い決意を交わした。
「おう!それで、どんすればいいんだ?」
暗い地下空洞の隙間で、二人の少年は身を潜めながら小声で言葉を交わす。
「まずは、俺が分析したベアマウスとマウスキングの特性からだ」
「分析?お前、そんなのいつやったんだよ」
「さっきからずっとだ……。それこそ、この洞窟に入ってからずっと」
「そんな時間、あったのか!?」
「お前や、じゃじゃ馬娘たちが前で戦ってる間、後ろで暇だったからな。みんなの動きと精霊獣の癖を観察してただけだ。そんなに凄いことはしていないさ」
ライオスは目を輝かせ、羨望の眼差しでノエルを見つめた。(うゎぁ......この変わりよう......さすがは単細胞......扱いやすいな……汗)
「......まず、モルマウスは弱いが、必ず群れで行動する。あいつらが相手なら、狭い場所で戦うのは圧倒的に不利だ」
「ふむふむ......」ライオスは、かつてないほど真剣にノエルの言葉にに耳を傾けている。
「次にベアマウスとマウスキングだ。こいつらは共闘……というより、連携している」
「それは俺でもわかるぞ?ノエル俺を馬鹿にしているのか?」
「......ライオス。今後お前は「馬鹿にする」という言葉は禁止だ!」
「えっ?なんでだよ!」
「お前、それが口癖になっているぞ。自分に対して無意識に『俺は馬鹿だ』という暗示をかけていることにいい加減気が付け!他人はそれほどお前をのことを何とも思っちゃいない!」(……多分だけどな......汗)
「ノ、ノエル!......」ライオスの大きな目から、大粒の涙が零れ落ちた。
「ラ、ライオス......お前......」(こいつはこいつなりに相当、周囲の評価が辛かったんだな......)
「うっ......すまん。わかった。もう言わない……絶対に言わない!」ライオスは腕で乱暴に涙を拭うと、驚くほど晴れやかな顔をした。
(よし、一皮むけたな......。セルフイメージは何事もおいても重要だ。自分にネガティブな呪いを背負ったままじゃ、勝てる勝負だって勝てないからな)
「おっほん......。ライオス、それでいい......」ノエルはわざとらしく咳ばらいをし、話を戻した。
「連携しているということは、指示命令系統がしっかりしているということだ。マウスキングはただデカいだけじゃない。明らかにベアマウスを駒として動かしている」
「......?」
「じゃなければ、俺たちが逃げ出した時、マウスキングも含めて全戦力で追ってくるはずだろ」
「なるほど......追いかけてきたのはたったの二体だけだった。他の三体はベアマウスの傍を離れていないってことだな。王を守る護衛ってことか」
(お、少しは頭が回ってきたな!)「そうだ。最初のベアマウスも攻撃を仕掛けてこなかったのは、本隊の到着を待つための時間稼ぎだったんだ」
「ネズミの癖に頭いいなぁ!」
「狭い通路に逃げたのも、ネズミの広範囲からの包囲を防ぐためだ。おかげで俺たちは正面だけ見てれば良かっただろ?」
「......お前の言うとおりだ。……でも俺の大剣が使えなくなったじゃないか!」
「それはお前の戦術バリエーションが貧弱だからだ!大剣を使って狭い場所で戦う技術を持っていないにすぎん!」
「......また俺を馬鹿に......。いやノエルの言うとおりだ......」ライオスは悔しそうに唇を噛んだが、その目は死んでいなかった。
***
「さて、ライオス、次はお前の番だ!ベアマウスとマウスキングの弱点を教えろ!」
「なんだよ、いきなり!」
「俺とお前は運命共同体だろ?お前の知識がないと生き残れないんだ」
「そ、そうか!......父上はベアマウスもマウスキングも一体一体はそれほど強くない。ただずる賢くて狡猾って言ってた」ライオスは頼りにされたことが嬉しいのか、得意げな表情を浮かべた。
「やはりそうか......。だからマウスキングは必ず護衛を置く。慎重なんだ。……なら、俺たちにも武があるぞ、ライオス!」
「ノエル!俺も力が沸いてきたぞ!」
二人の少年は、闇の中で固い決意を交わした。
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