空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ

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後編 ヒールが使えない治癒士〜ついに魔力覚醒!?〜

第四十八話 パーティ集合

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 「ライオス、そろそろベアマウスたちが動き出す筈だ!」

 「なんでだ?」

 「……それを聞くか?先陣のベアマウスが戻らないんだから、様子を見にくるだろう?」

 「あ、そうか……!」

 「チュゥチュゥチュゥ……!」

 「言ってるそばから、ほら!おぉ、残りの三体全部来やがった……ってことは親分は丸腰ってことか……」ノエルはニヤリと不敵に笑う。

 「ノエル、何がおかしいんだ?」

 「コイツら倒したら、次はボス戦だぞ。ワクワクしねぇか!?」

 「ノエル……お前って……」

 「ライオス、なんだ?」

 「戦闘狂の危ないヤツだったんだな……汗」ライオスは顔を引き攣らせた。

 **ガクっ……**「ってか、それ、お前がいうか!?……」ノエルは思わず膝の力が抜けた。

 (だが......不思議だ。俺は本当にワクワクしている……。まるであの頃のようだ)

 ノエルは前世の記憶が蘇る。試合前のあの張り詰めた緊張感。鍛錬を重ね抜いた肉体だけが感じることのできる、爆発寸前の歓喜。

 **魔力暴走しないように気をつけてね**

 「ん?誰かの声が?」ノエルは不意にライオスの顔を見つめた。

 「なんだよノエル!目の前に敵がいるんだぞ!気を抜くな!」ライオスがノエルに喝を入れる。

 (ライオスじゃない……。この声は……以前にも聞いたことがある。頭に直接に響いてくる、この感覚は……)

 「ノエル!そっちに一体行ったぞ!」

 「ハッ!裏拳!」ノエルの拳が鮮やかな緑色に輝く。勢いよく振りぬかれた腕に弾かれ、ベアマウスはゴツゴツした岩壁に叩きつけられた。断末魔も上げる間もなく、それはエーテルクリスタルへと姿を変える。

 「ウォリャァァァ!二層突きだ!」ライオスも負けじと、重なったベアマウスを大剣で一突きに貫いた。

 「ライオス、やるな……。短時間で攻撃のバリエーション増やしやがった」

 「ノエル!どうだ、凄ぇだろう!」ライオスは誇らしげに胸を張る。

 「はいはい、凄い凄い。じゃあ次はこのままボス戦行くぞ!ライオス」ノエルは足早に歩き出す。

 「ちぇっ!もっと褒めろよな……」ライオスはぶつぶつと呟いた。

 「ん?ライオス、何か言ったか?」

 「なんでもねぇよ!」ライオスは不貞腐れていた。

 ***

 「よし……思った通りだ。マウスキングは単体だぞ……」 ノエルは岩の影に身を潜め、耳打ちをする。

 「お、おい、ライオス、どうした?」

 「お、お前……もっと俺を褒めろよな……」ライオスは顔を真っ赤にして、消え入るような声で呟いた。

 「ぷっ……あはは......ライオス、お前……!」

 「あぁぁぁ……!お前、今鼻で笑っただろう!」ライオスは更に顔を真っ赤にさせた。


 「チューン……」不意にマウスキングの鳴き声が響く。

 「しまった!見つかったか!もう仕方ない!」

 ノエルは岩場の影から飛び出し、ついにマウスキングと対峙した。

 圧倒的な風格と威圧感に、ノエルの小さな体はわずかに震えた。

 「ノエル……お前は一人じゃないだろ?」ライオスがノエルの隣に、力強く肩を並べた。

 「ライオス……」


 「あら、私たちだっているわよ!」

 聞きなれた凛とした声が響いてきた。

 「マリーベル!サリーサ!」


 「全く、ノエルには困ったもんね!隙を見せると直ぐに迷子になっちゃうんだから……」サリーサが呆れたように肩をすくめる。

 「よっしゃー!面子は揃った!」ノエルはガッツポーズを作り、一歩前に出た。

 「ちょっとノエル、あんたは一応治癒士でしょ!マリーベルと一緒に後ろに下がりなさい!前衛は私とライオス君でやるから!」サリーサはさらっと言い放つ。

 「『一応』って……」(また子ども扱いか。まぁ治癒士らしいことなんて、まだ何一つしてないけどな……)

 「ノエル!前は任せておけ!ワハハハハハ……!」ライオスは豪快に笑い飛ばした。

 「こいつ……さっきまで泣いていたくせに。女子の前だと調子いいなぁ……汗」ノエルは呆れ顔をした。

 「ん?何か言ったか?ノエル」

 「なんでもねぇよ!」ノエルは叫び、急ごしらえのパーティは、いよいよ戦いに踏み出すのだった。
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