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第二章 日常
若者達 ①
時刻は11時、ホテルはチェックアウトの最終時刻でフロントはごった返していた。
ロビーには准一、智成、茂の三人もいた。三人はチェックアウトを済ませ和也のところにやってきた。
和也の嫁も隣にいて、嫁も交えて別れの挨拶になった。
智成から和也は智成が勤めている会社の名刺を渡された。
准一と智成はここからそう遠くない場所へ、それぞれの車で帰るようだ。
茂は智成の車で近くの駅まで送ってもらいそこから特急で東京まで帰るようだった。
和也はこの短い旅行で起こった事や、数々の官能的な出来ごとを思い名残惜しかった。
「きっと准一も智成もそうであろう・・・」和也は思った。
「茂君は電車の切符はとってあるの?」唐突に嫁が茂に聞いた。
「はい、え?あ、まだとっていないです・・・」茂は爽やかな屈託のない笑顔で嫁に返答する。
「ならうちの車に乗って行けばいいじゃない、どうせ同じ方向なんだから、ね、いいでしょう、あなた!」
「えっ?ああ、茂君さえ良ければ、いいよ」和也はあまりの唐突で予想しない出来ごとにあっけに取られたが、断る理由もないと思った。
「いいんですか?じゃあお言葉に甘えます!」茂は即決する。
突然の嫁の提案で、和也家族と茂は東京まで一緒に帰ることになった。
茂は礼儀正しく話し上手、智成の開けっ広げの真っ直ぐさとは違った物腰柔らかな理知的な感じがする青年であった。
茂は母子家庭で父親がいない・・・柔道整復師の学校は学費が高く、出来るだけ母親に負担をかけたくないとの理由から、奨学金とマッサージのアルバイトで生計を立てていた。
帰りの特急代が浮くことは、茂にとっては本当にありがたかったのだ。
思いがけずの茂の同乗のお陰で会話が飛び交い車内は楽しい空間となった。
茂がいなかったら和也は黙々と運転をし、長女はスマホをずっと見て、嫁と次女がずっと話している状態だったはずだ。
「そう言えば・・・嫁の好みはスポーツマンのガタイ系男子だったな・・・」和也はふと昔を振り返った・・・
「もしかしたら茂のことを嫁は気に入っているのだろうか・・・いやいや、子どもが女ばかりだから、男の子が欲しかったとか?」和也は想像を巡らせた。
しかしいずれにせよ嫁が茂に対して好感を抱いているのは間違いなさそうだ。
和也だって今でこそ欠点や文句ばかり言われているが、かつてはラグビー部に所属していた爽やかなガタイ系男子であった。
そして嫁も若い頃はスタイル抜群で可愛いらしく、周囲からは人気もあったのだった。
「今じゃあ、小うるさくなってしまった・・・」和也はため息をつく・・・
茂の同乗で車中は楽しくなり、和也も茂に感謝した。
茂のアパートは和也の家から二駅と、かなり近いことがわかった。
嫁は夕食をうちで食べていくようにとしつこく茂を誘う。
旅行帰りの夕食は、いつもなら面倒なので外食か、テイクアウトの簡単なもので済ませているのだが・・・
今日はスーパーに寄って帰ると嫁はいつになく張り切っている。
「こんなに楽しそうな嫁を見たのは久しぶりだ・・・」和也は思った。
スーパーに寄って食材を選ぶ嫁。嫁の後を茂はカートを押して着いていく。さらに和也はのんびりと嫁と茂の後を着いていく。
食材の買い物の最中は、娘たち二人は車の中で寝ていた。
家に着いては張り切って料理をする嫁。
「あなた、今日はお酒は飲まないでね、茂君を送っていってもらわないと行けないから・・・」
和也は茂をアパートまで送るのは嫌ではなかったが、嫁は茂に随分と熱をあげているように思えた。
旅行で疲れているはずの嫁が、がっつり系男子が喜びそうな料理をふんだんに用意し、茂を囲んだ食卓は茂のトークも手伝って、楽しいものになった。
「またいつでも遊びにいらっしゃい、お腹いっぱい食べさせてあげる!」嫁は上機嫌で茂と連絡先の交換までしている。
夕食後、和也は約束通り茂を車で送る。
帰りの車内で茂から准一との関係をさりげなく聞かれた。
「茂は何か知っているのかも知れない・・・」和也は思った。
「茂君、ラグビー部の先輩と後輩の間柄で槙田さんは凄く俺に目を掛けてくれて、世話になったんだ・・・」和也はあっさりと答えた。
「はい、槙田先生からはそのように聞いております・・・」
そうこうしているうちに、車は茂のアパートに到着した。
「和也さん、狭くて汚い場所ですが、寄って行きませんか?コーヒー入れますから」
「茂君、ありがとう、でも今日はちょっと時間が遅いからまた今度寄らせてもらうよ」
茂は車を降りて深々と頭を下げ、車が発進するまで見送ってくれる。
和也は車のバックミラー越しにその光景を見ていた。
ロビーには准一、智成、茂の三人もいた。三人はチェックアウトを済ませ和也のところにやってきた。
和也の嫁も隣にいて、嫁も交えて別れの挨拶になった。
智成から和也は智成が勤めている会社の名刺を渡された。
准一と智成はここからそう遠くない場所へ、それぞれの車で帰るようだ。
茂は智成の車で近くの駅まで送ってもらいそこから特急で東京まで帰るようだった。
和也はこの短い旅行で起こった事や、数々の官能的な出来ごとを思い名残惜しかった。
「きっと准一も智成もそうであろう・・・」和也は思った。
「茂君は電車の切符はとってあるの?」唐突に嫁が茂に聞いた。
「はい、え?あ、まだとっていないです・・・」茂は爽やかな屈託のない笑顔で嫁に返答する。
「ならうちの車に乗って行けばいいじゃない、どうせ同じ方向なんだから、ね、いいでしょう、あなた!」
「えっ?ああ、茂君さえ良ければ、いいよ」和也はあまりの唐突で予想しない出来ごとにあっけに取られたが、断る理由もないと思った。
「いいんですか?じゃあお言葉に甘えます!」茂は即決する。
突然の嫁の提案で、和也家族と茂は東京まで一緒に帰ることになった。
茂は礼儀正しく話し上手、智成の開けっ広げの真っ直ぐさとは違った物腰柔らかな理知的な感じがする青年であった。
茂は母子家庭で父親がいない・・・柔道整復師の学校は学費が高く、出来るだけ母親に負担をかけたくないとの理由から、奨学金とマッサージのアルバイトで生計を立てていた。
帰りの特急代が浮くことは、茂にとっては本当にありがたかったのだ。
思いがけずの茂の同乗のお陰で会話が飛び交い車内は楽しい空間となった。
茂がいなかったら和也は黙々と運転をし、長女はスマホをずっと見て、嫁と次女がずっと話している状態だったはずだ。
「そう言えば・・・嫁の好みはスポーツマンのガタイ系男子だったな・・・」和也はふと昔を振り返った・・・
「もしかしたら茂のことを嫁は気に入っているのだろうか・・・いやいや、子どもが女ばかりだから、男の子が欲しかったとか?」和也は想像を巡らせた。
しかしいずれにせよ嫁が茂に対して好感を抱いているのは間違いなさそうだ。
和也だって今でこそ欠点や文句ばかり言われているが、かつてはラグビー部に所属していた爽やかなガタイ系男子であった。
そして嫁も若い頃はスタイル抜群で可愛いらしく、周囲からは人気もあったのだった。
「今じゃあ、小うるさくなってしまった・・・」和也はため息をつく・・・
茂の同乗で車中は楽しくなり、和也も茂に感謝した。
茂のアパートは和也の家から二駅と、かなり近いことがわかった。
嫁は夕食をうちで食べていくようにとしつこく茂を誘う。
旅行帰りの夕食は、いつもなら面倒なので外食か、テイクアウトの簡単なもので済ませているのだが・・・
今日はスーパーに寄って帰ると嫁はいつになく張り切っている。
「こんなに楽しそうな嫁を見たのは久しぶりだ・・・」和也は思った。
スーパーに寄って食材を選ぶ嫁。嫁の後を茂はカートを押して着いていく。さらに和也はのんびりと嫁と茂の後を着いていく。
食材の買い物の最中は、娘たち二人は車の中で寝ていた。
家に着いては張り切って料理をする嫁。
「あなた、今日はお酒は飲まないでね、茂君を送っていってもらわないと行けないから・・・」
和也は茂をアパートまで送るのは嫌ではなかったが、嫁は茂に随分と熱をあげているように思えた。
旅行で疲れているはずの嫁が、がっつり系男子が喜びそうな料理をふんだんに用意し、茂を囲んだ食卓は茂のトークも手伝って、楽しいものになった。
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「はい、槙田先生からはそのように聞いております・・・」
そうこうしているうちに、車は茂のアパートに到着した。
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