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番外編・小話集
閑話 ごめんね(舞視点) 前編
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舞視点のお話。
閑話といいつつ、重要なネタバレ含んでます。
嵐到来の直後の話。
********************************************
「でね、透兄さんってば、係長とどっちがお昼代出すかずっと揉めてたの! どっちも引いてくれなくて、間に立たされた私がどんなに肩身が狭かったことか!」
夜、お手伝いにきてくれている大木が帰った後、私はベッドの上に座って髪を乾かしながら、電話の子機を耳に当てて従姉妹の愛美ちゃんの話を聞いていた。
今日の愛美ちゃんはやけに饒舌。電話からも興奮している様子が伝わってくる。
それもそうだろう。
透兄様が会社まで行き、いろいろと引っ掻き回したそうだから。
週末にしか家に帰らないし、帰っても家族といる時に仕事の話をすることがないから、三条の会社と佐伯さんのところの会社が一緒に仕事するなんて、私も全く知らなくて。
聞いてビックリしているのは私も愛美ちゃんも一緒だ。
社交モードになった兄様に思わせぶりなことを言われたり、強引にランチに連れて行かれたりして、愛美ちゃんにとっては散々だったらしい。
これは一応、兄妹としてフォローしておくべきだろうか?
「でもね、愛美ちゃん。透兄様としては愛美ちゃんの分を、その……仁科係長さんに払ってもらうわけにはいかなかったのよ。分かるでしょ? 向こうさんは知らなくても、透兄様にとっては愛美ちゃんは従姉妹で、責任があると思ってるんだから」
「えー。同じ会社ならともかく、違う会社にきてそんな責任感発揮してもらっても困るよ。まったく、どこまで過保護なんだろうか」
一人暮らしのための一年間の門限のこともあって、愛美ちゃんの透兄様や涼の過保護についての意見は辛らつだ。
愛美ちゃんだけじゃない。
従姉妹が集るとすぐその話題になるのだから、どれだけ私達がその干渉について悩まされていることか……。
私は電話の向こうの愛美ちゃんに分からないようにため息をついた。
でもね。
ごめんね、愛美ちゃん。
私、どうしてあんなにあの二人が私達の私生活に干渉するのか、実は知ってるの―――。
―――あれは私が十四歳くらいのときだった。
何かの用事で涼が三条家に来ていて、それを知らなかった私が、彼らにお茶を出そうとした大木さんに廊下でばったりかちあった。
「え? 涼が来ているの? じゃあ、挨拶したいし、お茶は私が持っていくわね」
「わかりましたわ、お嬢様。お盆しっかり持ってくださいね」
お盆を受け取って、私は応接室に向かった。
お盆には三人分のカップがあったから、きっとお祖父様と兄様も一緒にいるのだろう。
よくあることだった。
お祖父様は私を初め、女の子の孫にはとても甘い。溺愛しているといってもいいだろう。
でも男の孫、つまり透兄様と涼には責任感をもってもらいたいのか、そこそこ厳しい。
上に立つ者の責任感とか、一族を背負う人間の覚悟とか、そういったことを常々言い続けている。
あの二人がやたらと私達に対して過保護な態度を取るのも、お祖父様が「お前達には従姉妹たちを守る義務がある」って言っているからだ。
今日もきっと二人を前に懇々と言い聞かせているに違いない。
そう思って助けの手を差し伸べる気持ちで応接室までやってきた私は、扉の前でピタっと足を止めた。
最後の人がきちんと確認していなかったのか、少しだけ応接室のドアが開いていて、そこから声が漏れていたのだ。
「可愛い孫達を縁もゆかりもないやつに嫁にやるわけにはいかない。いいか、二人とも、あの子たちを他所に嫁に持っていかせるんじゃないぞ。四人のうち二人はお前達が嫁にもらえ」
聞こえてきたお祖父様の言葉に私はショックを受けた――。
持っていたお盆を落さなかったのが奇跡なくらいに。
「前から言ってますが、別に僕は異存ありませんけど?」
小学生のくせにやけに落ち着いた返事をしたのは涼。
「この歳で嫁を従姉妹の中から選べといわれても困るけど。……でもあいつらを他所に嫁にやるなという意見には賛成です。ずっと守ってきたのに、横から掻っ攫われるのは腹立たしい」
賛成するのですか……兄様。
私は震える手を押えるため、そおっとドアから離れて階段の方へ向かった。
今聞いたことが信じられなかった。
本当にお祖父様は私達四人の中から二人に嫁を選べと言ったの?
そしてあの二人はそれを承知しているの?
いとこ同士で結婚することを……?
……涼の返答から、お祖父様がこの事を言ったのは今回が初めてじゃないと察せられて、なお私は動揺した。
――後から考えると、この時ドアを開けて「勝手に決めないで下さい!」と抗議していればよかったかもしれない。
でも私は驚きのあまりその場から逃げ、時が過ぎて二人の私達への干渉が酷くなっていった時には、あの時盗み聞きをしていたなんてことはもう言えなくて。
ただの従姉妹に対する過保護の範疇を超えた干渉を、止めることもできなくて。
私はただただ皆に悪いと思って過ごしてきた。
愛美ちゃんたちに暴露すればよかったかもしれない。
でも、あの二人が私達をただの従姉妹ではなくそういう目で見ているなんて、言い出せなかった。
うるさい干渉はあるものの、仲の良い従兄弟同士。その関係を崩してしまうのが恐くて。
あの二人に好きな人ができれば、こんな馬鹿げた約束なんてなかったことになるからと自分に言い訳をして黙認していた。
―――あれから十年。
佐伯さんとの降って湧いたような婚約話が、その均衡を崩した。
初め聞いたときは何かの冗談かと思った。
透兄様もビックリしていたから、きっと初めて聞いたのだろう。
お祖父様とお父様、そしてお母様を前に、私は唖然として声も出せなかった。
理由をお祖父様が懇々と説く。
親友で、いつかは娘か息子を結婚させて親戚になろうと約束していたこと。
でもいろいろな理由が重なってそれが出来なかったから、孫に期待を寄せていたこと。
それを亡くなったお祖母様が楽しみにしていたことや、佐伯さんのお祖母様が病気がちでどうしても今のうちに形にしてあげたいということ。
……三条の名を持つ私が、一番の候補にあげられたこと。
―――なんで、私が?
釣書に添えてあった写真を見ても、なんとも思わなかった。
呆然としてそれどころじゃなかったせいもあるけど、感慨も何も感じなくて。
ただただ、怒りだけが静かに浸透していった。
―――どうして、私が?
頭の片隅では理解している部分もある。
私の名前が三条だから。直系の孫娘だから。
だから私の名前が筆頭にあげられるのも分かる。
分かるけど。
でも心は全然納得できなかった。
―――三条の血を引く孫娘は他に三人いるのに、どうして私なの?
不意に昔開いたドア越しに聞いてしまった、お祖父様と透兄様と涼の会話を思い出す。
私達の意見も意思も無視した勝手な取り決め。
そしてまたしても――――。
そう思ったら我慢できなくて、私は家出をした。
もう帰らない覚悟で。
元々、愛美ちゃんと話をしているうちに私も三条とはかかわりのないところで働いてみたくて、手に職をつけるつもりで経理の学校に内緒で通っていた、だからどこかの会社に就職できれば独り立ちできるだろうと考えて友達のところに転がり込んだのだ。
結局すぐに見つかって、一ヵ月以上も話し合い、婚約は保留のまま、曲りなりにも独り立ちという形を与えられたけど。
―――でも何も事態は解消されてなくて。
相手にとって、まだ私は許婚。
私が嫌がっているのを先方にはまだ伝えてないから。
透兄様は何とか婚約話そのものを解消するように働きかけると言ってくれているけど、思わしくない。
涼もイラついているけど、親達が乗り気な以上、どうにも動けないみたいだった。
来年、私が二十五歳になったら話が本格的になってくる。
そうしたら、どうすればいいの?
頭の片隅で、自分が諦めればすべてうまくいくのでないかという小さな声がする。
私が嫌がれば、婚約話は真綾ちゃんや愛美ちゃんたちに行く。
誰かしらが犠牲になる。
私さえ、全く知らない人の元に嫁ぐのを承知すれば―――。
“彼”を諦めれば―――と。
でも、その声を掻き消すくらいに、心が叫ぶ。
―――どうして私なの?
―――なんで私が犠牲になるの?
って。
ごめんね。みんな。
ごめんね。
わがままでごめんなさい。
だからせめて願ってしまう。
―――佐伯彰人さんに、この婚約話を払拭するような愛する人がいてくれたなら、と。
閑話といいつつ、重要なネタバレ含んでます。
嵐到来の直後の話。
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「でね、透兄さんってば、係長とどっちがお昼代出すかずっと揉めてたの! どっちも引いてくれなくて、間に立たされた私がどんなに肩身が狭かったことか!」
夜、お手伝いにきてくれている大木が帰った後、私はベッドの上に座って髪を乾かしながら、電話の子機を耳に当てて従姉妹の愛美ちゃんの話を聞いていた。
今日の愛美ちゃんはやけに饒舌。電話からも興奮している様子が伝わってくる。
それもそうだろう。
透兄様が会社まで行き、いろいろと引っ掻き回したそうだから。
週末にしか家に帰らないし、帰っても家族といる時に仕事の話をすることがないから、三条の会社と佐伯さんのところの会社が一緒に仕事するなんて、私も全く知らなくて。
聞いてビックリしているのは私も愛美ちゃんも一緒だ。
社交モードになった兄様に思わせぶりなことを言われたり、強引にランチに連れて行かれたりして、愛美ちゃんにとっては散々だったらしい。
これは一応、兄妹としてフォローしておくべきだろうか?
「でもね、愛美ちゃん。透兄様としては愛美ちゃんの分を、その……仁科係長さんに払ってもらうわけにはいかなかったのよ。分かるでしょ? 向こうさんは知らなくても、透兄様にとっては愛美ちゃんは従姉妹で、責任があると思ってるんだから」
「えー。同じ会社ならともかく、違う会社にきてそんな責任感発揮してもらっても困るよ。まったく、どこまで過保護なんだろうか」
一人暮らしのための一年間の門限のこともあって、愛美ちゃんの透兄様や涼の過保護についての意見は辛らつだ。
愛美ちゃんだけじゃない。
従姉妹が集るとすぐその話題になるのだから、どれだけ私達がその干渉について悩まされていることか……。
私は電話の向こうの愛美ちゃんに分からないようにため息をついた。
でもね。
ごめんね、愛美ちゃん。
私、どうしてあんなにあの二人が私達の私生活に干渉するのか、実は知ってるの―――。
―――あれは私が十四歳くらいのときだった。
何かの用事で涼が三条家に来ていて、それを知らなかった私が、彼らにお茶を出そうとした大木さんに廊下でばったりかちあった。
「え? 涼が来ているの? じゃあ、挨拶したいし、お茶は私が持っていくわね」
「わかりましたわ、お嬢様。お盆しっかり持ってくださいね」
お盆を受け取って、私は応接室に向かった。
お盆には三人分のカップがあったから、きっとお祖父様と兄様も一緒にいるのだろう。
よくあることだった。
お祖父様は私を初め、女の子の孫にはとても甘い。溺愛しているといってもいいだろう。
でも男の孫、つまり透兄様と涼には責任感をもってもらいたいのか、そこそこ厳しい。
上に立つ者の責任感とか、一族を背負う人間の覚悟とか、そういったことを常々言い続けている。
あの二人がやたらと私達に対して過保護な態度を取るのも、お祖父様が「お前達には従姉妹たちを守る義務がある」って言っているからだ。
今日もきっと二人を前に懇々と言い聞かせているに違いない。
そう思って助けの手を差し伸べる気持ちで応接室までやってきた私は、扉の前でピタっと足を止めた。
最後の人がきちんと確認していなかったのか、少しだけ応接室のドアが開いていて、そこから声が漏れていたのだ。
「可愛い孫達を縁もゆかりもないやつに嫁にやるわけにはいかない。いいか、二人とも、あの子たちを他所に嫁に持っていかせるんじゃないぞ。四人のうち二人はお前達が嫁にもらえ」
聞こえてきたお祖父様の言葉に私はショックを受けた――。
持っていたお盆を落さなかったのが奇跡なくらいに。
「前から言ってますが、別に僕は異存ありませんけど?」
小学生のくせにやけに落ち着いた返事をしたのは涼。
「この歳で嫁を従姉妹の中から選べといわれても困るけど。……でもあいつらを他所に嫁にやるなという意見には賛成です。ずっと守ってきたのに、横から掻っ攫われるのは腹立たしい」
賛成するのですか……兄様。
私は震える手を押えるため、そおっとドアから離れて階段の方へ向かった。
今聞いたことが信じられなかった。
本当にお祖父様は私達四人の中から二人に嫁を選べと言ったの?
そしてあの二人はそれを承知しているの?
いとこ同士で結婚することを……?
……涼の返答から、お祖父様がこの事を言ったのは今回が初めてじゃないと察せられて、なお私は動揺した。
――後から考えると、この時ドアを開けて「勝手に決めないで下さい!」と抗議していればよかったかもしれない。
でも私は驚きのあまりその場から逃げ、時が過ぎて二人の私達への干渉が酷くなっていった時には、あの時盗み聞きをしていたなんてことはもう言えなくて。
ただの従姉妹に対する過保護の範疇を超えた干渉を、止めることもできなくて。
私はただただ皆に悪いと思って過ごしてきた。
愛美ちゃんたちに暴露すればよかったかもしれない。
でも、あの二人が私達をただの従姉妹ではなくそういう目で見ているなんて、言い出せなかった。
うるさい干渉はあるものの、仲の良い従兄弟同士。その関係を崩してしまうのが恐くて。
あの二人に好きな人ができれば、こんな馬鹿げた約束なんてなかったことになるからと自分に言い訳をして黙認していた。
―――あれから十年。
佐伯さんとの降って湧いたような婚約話が、その均衡を崩した。
初め聞いたときは何かの冗談かと思った。
透兄様もビックリしていたから、きっと初めて聞いたのだろう。
お祖父様とお父様、そしてお母様を前に、私は唖然として声も出せなかった。
理由をお祖父様が懇々と説く。
親友で、いつかは娘か息子を結婚させて親戚になろうと約束していたこと。
でもいろいろな理由が重なってそれが出来なかったから、孫に期待を寄せていたこと。
それを亡くなったお祖母様が楽しみにしていたことや、佐伯さんのお祖母様が病気がちでどうしても今のうちに形にしてあげたいということ。
……三条の名を持つ私が、一番の候補にあげられたこと。
―――なんで、私が?
釣書に添えてあった写真を見ても、なんとも思わなかった。
呆然としてそれどころじゃなかったせいもあるけど、感慨も何も感じなくて。
ただただ、怒りだけが静かに浸透していった。
―――どうして、私が?
頭の片隅では理解している部分もある。
私の名前が三条だから。直系の孫娘だから。
だから私の名前が筆頭にあげられるのも分かる。
分かるけど。
でも心は全然納得できなかった。
―――三条の血を引く孫娘は他に三人いるのに、どうして私なの?
不意に昔開いたドア越しに聞いてしまった、お祖父様と透兄様と涼の会話を思い出す。
私達の意見も意思も無視した勝手な取り決め。
そしてまたしても――――。
そう思ったら我慢できなくて、私は家出をした。
もう帰らない覚悟で。
元々、愛美ちゃんと話をしているうちに私も三条とはかかわりのないところで働いてみたくて、手に職をつけるつもりで経理の学校に内緒で通っていた、だからどこかの会社に就職できれば独り立ちできるだろうと考えて友達のところに転がり込んだのだ。
結局すぐに見つかって、一ヵ月以上も話し合い、婚約は保留のまま、曲りなりにも独り立ちという形を与えられたけど。
―――でも何も事態は解消されてなくて。
相手にとって、まだ私は許婚。
私が嫌がっているのを先方にはまだ伝えてないから。
透兄様は何とか婚約話そのものを解消するように働きかけると言ってくれているけど、思わしくない。
涼もイラついているけど、親達が乗り気な以上、どうにも動けないみたいだった。
来年、私が二十五歳になったら話が本格的になってくる。
そうしたら、どうすればいいの?
頭の片隅で、自分が諦めればすべてうまくいくのでないかという小さな声がする。
私が嫌がれば、婚約話は真綾ちゃんや愛美ちゃんたちに行く。
誰かしらが犠牲になる。
私さえ、全く知らない人の元に嫁ぐのを承知すれば―――。
“彼”を諦めれば―――と。
でも、その声を掻き消すくらいに、心が叫ぶ。
―――どうして私なの?
―――なんで私が犠牲になるの?
って。
ごめんね。みんな。
ごめんね。
わがままでごめんなさい。
だからせめて願ってしまう。
―――佐伯彰人さんに、この婚約話を払拭するような愛する人がいてくれたなら、と。
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