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第3章 種族進化
第73話 決着と別れ
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2つの斬撃がエイクに直撃した。
だが俺は思わず顔を顰めてしまう。
もう俺は神気も纏っていないし《聖剣気》や《魔剣気》、身体強化すらも使用していない。
完全に体が限界を迎えてしまい、もはやこれ以上戦うことなど出来ない。
俺は一縷の望みに賭けて砂埃の舞っているエイクの方を注視する。
『……中々の攻撃でした。人間にこれほどやられたのは何百年生きていて初めてです』
砂埃が収まるとそこに居たのは無傷のエイクだった。
俺は悔しい気持ちもあるが、やはりかと思ってしまった。
最後の俺の攻撃は何故かわからないが決まった気がしなかったのだ。
まるでこの世界で一番硬いアダマンタイトに攻撃をしているような気分だった。
「一体何をしたんだ……?」
あの2つの刀の専用スキルを喰らって無傷なんてことはほぼほぼ無い。
威力も【神技:夜明けを告げる】には劣るものの神技に劣るとも勝る威力だった。
このことを考えると1つわかったことがある。
「……神技か……」
『その通りですよ。よくわかりましたね』
「神技以外にこの2つの専用スキルを喰らって無傷なんてことはありえないからな。いくら上位種族だからといって怪我をしないわけではないのだし」
怪我をしないとなると、それこそアンデッドや神の類しか居ないだろう。
真祖のヴァンパイアですら普通に怪我はする。
まぁ一瞬で治ってしまうのだろうがな。
だから後は神技で防ぐ以外方法はないのだ。
しかしゲームでは神技なんて武器の専用スキルでしか見たことがないので、何をされたのか全くわからない。
「……一体どんな技を使ったんだ?」
俺がエイクに聞くと、エイクはしてやったとでも言いそうな顔をして、
『先程のソラの攻撃を防いだのは、【神技:神鉄体】と言う技で、体を神鉄と同程度の硬さに強化する能力です』
「なるほどな……」
俺のアダマンタイトを攻撃したと言う表現は間違っていなかったわけだ。
流石に俺では体全体を変化させるほどの神気の操作は無理だ。
やはり世界最強は次元が違うな……。
俺もまだまだだということか。
俺は俺達の戦闘に圧倒されて未だ立ち尽くしているエレノアに言う。
「エレノア、もうそろそろ出発するぞ。目的地まであと半分ほどあるからな。これ以上ここに長居してしまうと待つ休みが終わってしまう」
「———へ? あ、はい! 今すぐ準備します!」
俺が話しかけてことにより、やっと現実へと戻ってきたエレノアが、ワタワタしながら寝巻などを収めている。
俺も準備をするか……と言っても何も出してなかったな。
テントも既に片付けてあるし。
『……もうゆくのですか?』
エレノアを眺めていた俺にエイクが話しかけてきた。
「ああ。これでも俺は学生でね、今が丁度夏休みと言う長期休暇でこの時間を使ってここに来ているから、時間が限られているんだ」
俺がそう言うと驚いたような顔をするエイク。
『貴方はまだ学生だったのですね。道理で見た目が若いわけです。まだ20年も生きていない人間がこれほどまでに強くなれるとは驚きを禁じえません』
そう言って驚いているようだが、俺も同様に少し驚いていた。
「エイクは学生を知っているんだな」
この森に人間が来るとは思えないしどこで知ったのだろうか?
『ええ、何百年か前には定期的に人間が来ていましたからね。そこで聞きました』
ふむ、昔は俺と同程度の強さを持った人間が何人も居たということか……。
「因みに最後に人間がこの森に入ってきたのは何年前くらいだ?」
今の人間はステータスを知らないし、限界突破もしていない。
だが昔はlevel:200が結構居たということだ。
何年前に消えたのかが分かると調査も進むので是非とも情報がほしい。
『えっと……たしか最後に人間見たのは250年前くらいですかね。それがどうかしたのですか?』
「……いや、なんでもない。教えてくれてありがとう」
今考えたところで何もわからないな。
これは帰ってからじっくりと調べるとしよう。
そんな事を考えていると、
「ソラ様、準備終わりました!!」
エレノアが元気よく言う。
「よし、それじゃあ出発するとしようか」
俺はエイクに向き直り、
「それじゃあよろしく頼む」
『はい、任せてください。森を向けるまでですよね?』
「ああ、砂漠地帯までで十分だ」
俺はとエレノアはエイクの背に乗る。
何故エイクが送ってくれるようになったかと言うと、エイクが『急いでいるのでしたら送って差し上げましょうか?』といってくれたからだ。
2人で行くには時間がかかるし、何よりモンスターに怯えなくていいので物凄い嬉しい誘いだった。
『それでは行きます。しっかり捕まっていてください』
エイクがそういった瞬間に一気に景色がブレ、物凄い風圧が体を襲う。
「どわあああああああ!?」
「きゃあああああああ!?」
俺達は悲鳴を上げる。
いや、怖いし痛いんですけど!?
エレノアは既に涙目になって……いや既に泣いていた。
この速度は既に音速など軽々と超えていた。
「「ちょっとゆっくり走ってよおおおおお!!」」
俺達は再び叫ぶ。
『———??』
エイクはついぞ最後まで速度を緩めることはなかった。
☆☆☆
目の前には暑そうな砂漠地帯、後ろにはつい先程まで俺達が居た森がある。
そして俺達はと言うと———
「うっぷ……ヤバい……気持ち悪い……」
「そ、そらさまぁぁ……わたしもやばいですぅぅぅ……」
地面に倒れ込んでグロッキーになっていた。
これはジェットコースターが赤ちゃんの乗り物かと思うぐらいにやばかった。
もうヤバいしか言葉にならない。
『だ、大丈夫ですか……?』
この酔は15分ほど続いた。
☆☆☆
15分後。
なんとか立ち直った俺達はエイクにお別れの挨拶をしていた。
「あ、ありがとうございました……」
エレノアは少し目に畏怖の感情を灯しながらも感謝を告げた。
まぁあれは確かに怖かったからしょうがないかな。
俺もエイクに向き感謝を述べる。
「ありがとうエイク、貴女の御蔭で俺はまた1つ強くなれた」
『私も久しぶりに楽しい時間を過ごすことが出来ました。こちらこそありがとうございます。あ、それと———』
エイクが俺の耳に近づいて、
「サラさんのこと頑張ってくださいね、一途な転生者さん?」
そう俺達の言葉で言ってきた。
「え———? ど、どうして———?」
俺が本気で戸惑っていると、エイクは、
『ふふっ、内緒ですよ』
そう言って森に帰ってしまった。
俺は驚きのあまり何分かの間その場で立ち尽くしていたが、考えるのをやめて先々進むエレノアの背を追った。
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また、誤字脱字や改善点をご指摘して頂けるとありがたいです!
ではではまた次話で。
だが俺は思わず顔を顰めてしまう。
もう俺は神気も纏っていないし《聖剣気》や《魔剣気》、身体強化すらも使用していない。
完全に体が限界を迎えてしまい、もはやこれ以上戦うことなど出来ない。
俺は一縷の望みに賭けて砂埃の舞っているエイクの方を注視する。
『……中々の攻撃でした。人間にこれほどやられたのは何百年生きていて初めてです』
砂埃が収まるとそこに居たのは無傷のエイクだった。
俺は悔しい気持ちもあるが、やはりかと思ってしまった。
最後の俺の攻撃は何故かわからないが決まった気がしなかったのだ。
まるでこの世界で一番硬いアダマンタイトに攻撃をしているような気分だった。
「一体何をしたんだ……?」
あの2つの刀の専用スキルを喰らって無傷なんてことはほぼほぼ無い。
威力も【神技:夜明けを告げる】には劣るものの神技に劣るとも勝る威力だった。
このことを考えると1つわかったことがある。
「……神技か……」
『その通りですよ。よくわかりましたね』
「神技以外にこの2つの専用スキルを喰らって無傷なんてことはありえないからな。いくら上位種族だからといって怪我をしないわけではないのだし」
怪我をしないとなると、それこそアンデッドや神の類しか居ないだろう。
真祖のヴァンパイアですら普通に怪我はする。
まぁ一瞬で治ってしまうのだろうがな。
だから後は神技で防ぐ以外方法はないのだ。
しかしゲームでは神技なんて武器の専用スキルでしか見たことがないので、何をされたのか全くわからない。
「……一体どんな技を使ったんだ?」
俺がエイクに聞くと、エイクはしてやったとでも言いそうな顔をして、
『先程のソラの攻撃を防いだのは、【神技:神鉄体】と言う技で、体を神鉄と同程度の硬さに強化する能力です』
「なるほどな……」
俺のアダマンタイトを攻撃したと言う表現は間違っていなかったわけだ。
流石に俺では体全体を変化させるほどの神気の操作は無理だ。
やはり世界最強は次元が違うな……。
俺もまだまだだということか。
俺は俺達の戦闘に圧倒されて未だ立ち尽くしているエレノアに言う。
「エレノア、もうそろそろ出発するぞ。目的地まであと半分ほどあるからな。これ以上ここに長居してしまうと待つ休みが終わってしまう」
「———へ? あ、はい! 今すぐ準備します!」
俺が話しかけてことにより、やっと現実へと戻ってきたエレノアが、ワタワタしながら寝巻などを収めている。
俺も準備をするか……と言っても何も出してなかったな。
テントも既に片付けてあるし。
『……もうゆくのですか?』
エレノアを眺めていた俺にエイクが話しかけてきた。
「ああ。これでも俺は学生でね、今が丁度夏休みと言う長期休暇でこの時間を使ってここに来ているから、時間が限られているんだ」
俺がそう言うと驚いたような顔をするエイク。
『貴方はまだ学生だったのですね。道理で見た目が若いわけです。まだ20年も生きていない人間がこれほどまでに強くなれるとは驚きを禁じえません』
そう言って驚いているようだが、俺も同様に少し驚いていた。
「エイクは学生を知っているんだな」
この森に人間が来るとは思えないしどこで知ったのだろうか?
『ええ、何百年か前には定期的に人間が来ていましたからね。そこで聞きました』
ふむ、昔は俺と同程度の強さを持った人間が何人も居たということか……。
「因みに最後に人間がこの森に入ってきたのは何年前くらいだ?」
今の人間はステータスを知らないし、限界突破もしていない。
だが昔はlevel:200が結構居たということだ。
何年前に消えたのかが分かると調査も進むので是非とも情報がほしい。
『えっと……たしか最後に人間見たのは250年前くらいですかね。それがどうかしたのですか?』
「……いや、なんでもない。教えてくれてありがとう」
今考えたところで何もわからないな。
これは帰ってからじっくりと調べるとしよう。
そんな事を考えていると、
「ソラ様、準備終わりました!!」
エレノアが元気よく言う。
「よし、それじゃあ出発するとしようか」
俺はエイクに向き直り、
「それじゃあよろしく頼む」
『はい、任せてください。森を向けるまでですよね?』
「ああ、砂漠地帯までで十分だ」
俺はとエレノアはエイクの背に乗る。
何故エイクが送ってくれるようになったかと言うと、エイクが『急いでいるのでしたら送って差し上げましょうか?』といってくれたからだ。
2人で行くには時間がかかるし、何よりモンスターに怯えなくていいので物凄い嬉しい誘いだった。
『それでは行きます。しっかり捕まっていてください』
エイクがそういった瞬間に一気に景色がブレ、物凄い風圧が体を襲う。
「どわあああああああ!?」
「きゃあああああああ!?」
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エレノアは既に涙目になって……いや既に泣いていた。
この速度は既に音速など軽々と超えていた。
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俺達は再び叫ぶ。
『———??』
エイクはついぞ最後まで速度を緩めることはなかった。
☆☆☆
目の前には暑そうな砂漠地帯、後ろにはつい先程まで俺達が居た森がある。
そして俺達はと言うと———
「うっぷ……ヤバい……気持ち悪い……」
「そ、そらさまぁぁ……わたしもやばいですぅぅぅ……」
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この酔は15分ほど続いた。
☆☆☆
15分後。
なんとか立ち直った俺達はエイクにお別れの挨拶をしていた。
「あ、ありがとうございました……」
エレノアは少し目に畏怖の感情を灯しながらも感謝を告げた。
まぁあれは確かに怖かったからしょうがないかな。
俺もエイクに向き感謝を述べる。
「ありがとうエイク、貴女の御蔭で俺はまた1つ強くなれた」
『私も久しぶりに楽しい時間を過ごすことが出来ました。こちらこそありがとうございます。あ、それと———』
エイクが俺の耳に近づいて、
「サラさんのこと頑張ってくださいね、一途な転生者さん?」
そう俺達の言葉で言ってきた。
「え———? ど、どうして———?」
俺が本気で戸惑っていると、エイクは、
『ふふっ、内緒ですよ』
そう言って森に帰ってしまった。
俺は驚きのあまり何分かの間その場で立ち尽くしていたが、考えるのをやめて先々進むエレノアの背を追った。
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