モブ以下転生者のゲーム世界無双〜序盤で死ぬモブの女の子を守るために最強になったら、物語に巻き込まれました〜

あおぞら

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第3章 種族進化

第82話 エレノアとの久しぶりのゆったりした時間

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 俺たちがオアシスを離れて丸2日。

 既にオアシスなど全く見えない。

 辺りを見渡しても砂、砂、砂の状態に戻ってしまった。

 なんでだろうな。

 オアシスにいた時は早くこんな危ない場所とはおさらばしたいと思っていたのに、今はオアシスに戻りたいと思い始めているのだ。

 オアシスは砂漠地帯よりも断然涼しかったしな。

 夜は《豪華なお家セット》で快適に過ごせている。

 しかし昼はいくら耐熱のイヤリングをつけているとはいえ、光は眩しいし景色が全く変わらないから面白くない。

 原初の森は涼しかったし眩しくもなかった。

 更に景色も常に変化して綺麗だった。

 しかし砂漠は何もないので、俺たちの精神力がどんどん削られていく。

「エレノア、だ、大丈夫か……?」

「はい、これくらいなら全然大丈夫です」

 あれ? 意外と大丈夫そう?

 もしかして俺だけがこんなに疲れてたの?

「エレノアは本当に大丈夫そうだな?」

「だって、別に暑くないですし、太陽の光だって炎で熱せられたタガーで切られるよりも痛くないじゃないですか」

「あ、ごめん、なんかごめんなさい」

 思いっきり地雷踏んだわ。

 なんだよ熱せられたタガーって。

 そんなの痛いに決まっているじゃないか。

 俺は改めて過去のエレノアの境遇が如何におかしいかがわかった。

 うーん……その家族消滅させたほうがいいかなぁ……。

 いや流石に部外者の俺がそんなことをする資格はないな。

 もしもの時はエレノアが自分でやればいいだけだし。

 俺はそれからは太陽の光を遮断する吸血鬼ヴァンパイア御用達の《暗黒フード》をかぶる。

 これは吸血鬼達が昼間に外に出る時用に作られた、フードをつければたちまち太陽の光を自身の体に当たらない様にしてくれる素晴らしいものだ。

 ゲームでも使っている光景をよく見ていたのでこの世界にもあるかなと思ったらガラクタとして安売りされていた。

 あの時は思わず叫んでしまって露店の人に怒られたなぁ。

 俺は少し懐かしく思いながら砂漠の中を再び歩き出した。




☆☆☆





 夜になった。

 あれからは特に日差しも気にすることは無くなったのでペースも上がり、後少しの所まできた。

 なので夜に進まないといけないほど急ぐこともないので今日はここで休むことにする。

 いつも通りに《豪華なお家セット》の中に入り、オアシスで狩ったモンスターの肉や予め備えられている野菜などで料理を作る。

 今日は俺の当番なので前世でも好きだった餃子を作ることに決め早速作ろうと思うがまず餃子の皮がない。

 この世界には餃子の皮がないので、小麦から作らないといけないのだが、ここに来て俺の【家事:10】が火を吹いた。

 知らないはずの餃子の皮の作り方が頭に浮かんで体がその手順通りにまるで自分の体ではないかの様に素早く作り出す。

 その他にもタネや餃子のたれなども全て完璧に作ることができた。

 餃子のたれに至っては、まず何を使っているのかも知らないのにだ。

 それなのに尋常じゃない速度でどんどんと出来上がっていく。

 しかも難しいとされる羽根付きも焼き目も綺麗にできている。

 正直これはのではなく、ソラのスキルだが。

 しかしこれで前世のご飯が食べれるのならなんでもいい。

 なので俺は何も食べていない餃子をエレノアに出すと、目をキラキラと輝かせ頬を緩ませながら幸せそうに食べてくれる。

「ソラ様! この料理物凄く美味しいですっ! この餃子のたれ?と言うのも普通の醤油と味が違います! この料理は毎日出してほしいほどに美味しいです!」

 そう目を子供の様に輝かせているくせに、真剣な表情で言ってくるエレノアは、さながら子供が親に夜ご飯のメニューをねだる様な感じがした。

 本当ならここでダメだと言わないといけない所なのだろう。

 しかし今材料はたくさんあり、エレノアは小さい頃からそういうことなど一切していない。

 そんなことを考えるとどうしても肯定の言葉しか出てこなかった。

「ははっ、わかったよ。毎日エレノアが飽きるまで作ってあげよう」

「ほ、本当ですか!? わぁぁ……ありがとうございます!」

 そう言って子供みたいに笑いながら再び餃子に手をつけ出す。

 偶にはこんなゆったりとした時間もいいなと思った。


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