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第1章 劣等生の復讐 第1部 新たなる可能性
第16話 特訓開始!
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次の日早速朝から授業をサボって森の聖域へと訪れた降魔は、双葉が来るのを待つついでにマナを使わず純粋に鍛えていた。
降魔は学校が支給しているジャージを着ている。
降魔曰く、肌触りも良くて通気性もいいらしい。
しかし見た目は完全にニートが外に出ているような感じになっている。
そんな高性能ニートジャージに身を包んだ降魔は黙々と体を鍛える。
「……253……254っ……255っ……」
降魔は汗を流しながら腕立て伏せを続け、既に回数は250回を超えており、尚且片手で行っていた。
流石に息切れもしていたが、降魔は一定のスピードを保って続ける。
そんな所に少し遅れて双葉が到着した。
双葉の服装は降魔と同じくジャージだ。
降魔が社会不適合者に見えてしまうジャージでも、双葉が着れば普通の服に見えるのは雰囲気と性別の違いだろうか。
双葉が降魔を探すと木の真下にいた。
降魔の姿を見て駆け寄り、回数を聞いた瞬間―――
「うわっ……朝からどれだけ追い込むのよ……」
双葉は少し引いたように言う。
しかし降魔は腕立てを行ったまま何がおかしいと言わんばかりに言葉を返す。
「いや、毎日片手300回しているぞ。今は左手終わって右手は見ての通り後45回だ」
「それがおかしいって言っているのよ。片手300回とか馬鹿じゃないの?」
降魔はそう言われるが何がおかしいのか分からず首を傾げる。
それを見た双葉は指摘するのを面倒になったので、諦めて話を変えることにした。
「それじゃあまずは私から教えてもらってもいいかしら?」
「ん? ―――ああ、格闘術だったな。でも俺のは我流だがそれでも良いのか?」
降魔は教える前に確認をする。
もし双葉が格闘術を何か習得しているなら、教えることが帰って邪魔になることがあるからだ。
しかしその心配は無用だったようで、双葉は首を横に振って否定した。
「護身術程度なら教えてもらっていたけど、本格的な物はまだ教わっていないわ」
「なら大丈夫だな。―――よし、それじゃあまずは龍川の身体能力を知りたいからランニングするぞ。勿論魔術は禁止だ」
「わ、分かったわ……。どのくらい走れば良いのかしら……?」
双葉が恐る恐ると言った感じで聞くと、降魔は何でもないかのように言う。
「んーそうだな……。まぁ10kmを余裕で走れたら良いんじゃないか?」
「…………え……?」
「勿論俺も走るから頑張ろうぜ」
そう言って励ます降魔だが、双葉はそれじゃないだろと思った。
(10kmえお楽に走れることが最低ラインなのかしら……? ……いえ、絶対にそうじゃないわね。あの体力おばけみたいな八条降魔だからこそね)
と思ったものの、自分のためにしてくれていることなので指摘しようにも結局できず、そのまま走ることとなったのだが……
「んっ……はぁ……はぁ……」
「お前……思ったより体力ないんだな」
「あんたが異常なのよ!!」
降魔はあんな事を言っているが、双葉の言っていることが正しい。
召喚術士は普段召喚獣に戦ってもらうため、体力はあまりいらないとされている。
魔術で結界を張ったり身体能力を向上させたりできるからだ。
なので10kmを休み無しで走ることのできた双葉は大分体力のある方なのだが、降魔からすれば『ない』と判断されるようだ。
「まぁでも一応は走りきれてたし大丈夫か。ないと言っても平均よりはあるみたいだし。流石名家出身の優等生ってとこかな」
双葉はその言葉にイラッと来たが、腕立て計600回した後の降魔が全く息を上げずに自身にピッタリと付いて走りきっていたので何も言えなかった。
不機嫌になる双葉を横目に降魔は次にすることを考える。
「次は……実態のない幻影の石を飛ばすから、身体強化を使わずに避けてくれ。速度は100km程しか出さないから、ギリギリ避けれるはずだ」
(人間には一発だけなら銃弾すらも避けれる者もいるからこれくらいなら大丈夫だろう。幻影だから当たっても痛くなんてないしな)
「それじゃあ行くぞ」
「かかってきなさい! 絶対に当たらないから!」
降魔は幻影魔術を発動して拳大の石を作り、双葉の顔めがけて投げる。
しかし双葉はほんの一歩横にずれて避けた。
今度は双葉の腹に投げるが、双葉は体を捻って危なげなく避ける。
「すごいなお前……初見でこんなに避けれる奴は中々いないと思うんだが……」
「これくらいは簡単よ。召喚獣が暴れすぎないように見張っておくのも召喚術士の仕事だもの」
2人はいつも通り会話をしながら降魔が投げ、双葉が避けると言うことを繰り返していく。
降魔は石を100回投げたところで幻影魔術を解除する。
「ふぅ……これで測定は取り敢えず終わりだ」
「やっとね……避けるのは簡単だったけど体力が持たないわ……」
そんな事を言っている双葉の横で降魔は今までのことを整理する。
(体力は継続的に鍛えるとして……筋力はあれほど体力があるならは心配はないだろう。それに反射速度もだいぶ速そうだし、柔軟性は俺よりもありそうだしな。もう始めても良いかもな)
降魔は双葉に教えることを決める。
「よし、それじゃあこれから俺の我流だが格闘術を教えていこうと思う」
「はぁ……やっとなのね……」
「ああ、遅くなってごめんな。今の龍川の身体能力を知るには必要なことだったんだ」
「そんなこと分かっているから早く教えて……?」
双葉はキラキラと子供のような好奇心旺盛な目で見てくる。
そんな双葉を見つめ返しながら説明を始めた。
降魔は学校が支給しているジャージを着ている。
降魔曰く、肌触りも良くて通気性もいいらしい。
しかし見た目は完全にニートが外に出ているような感じになっている。
そんな高性能ニートジャージに身を包んだ降魔は黙々と体を鍛える。
「……253……254っ……255っ……」
降魔は汗を流しながら腕立て伏せを続け、既に回数は250回を超えており、尚且片手で行っていた。
流石に息切れもしていたが、降魔は一定のスピードを保って続ける。
そんな所に少し遅れて双葉が到着した。
双葉の服装は降魔と同じくジャージだ。
降魔が社会不適合者に見えてしまうジャージでも、双葉が着れば普通の服に見えるのは雰囲気と性別の違いだろうか。
双葉が降魔を探すと木の真下にいた。
降魔の姿を見て駆け寄り、回数を聞いた瞬間―――
「うわっ……朝からどれだけ追い込むのよ……」
双葉は少し引いたように言う。
しかし降魔は腕立てを行ったまま何がおかしいと言わんばかりに言葉を返す。
「いや、毎日片手300回しているぞ。今は左手終わって右手は見ての通り後45回だ」
「それがおかしいって言っているのよ。片手300回とか馬鹿じゃないの?」
降魔はそう言われるが何がおかしいのか分からず首を傾げる。
それを見た双葉は指摘するのを面倒になったので、諦めて話を変えることにした。
「それじゃあまずは私から教えてもらってもいいかしら?」
「ん? ―――ああ、格闘術だったな。でも俺のは我流だがそれでも良いのか?」
降魔は教える前に確認をする。
もし双葉が格闘術を何か習得しているなら、教えることが帰って邪魔になることがあるからだ。
しかしその心配は無用だったようで、双葉は首を横に振って否定した。
「護身術程度なら教えてもらっていたけど、本格的な物はまだ教わっていないわ」
「なら大丈夫だな。―――よし、それじゃあまずは龍川の身体能力を知りたいからランニングするぞ。勿論魔術は禁止だ」
「わ、分かったわ……。どのくらい走れば良いのかしら……?」
双葉が恐る恐ると言った感じで聞くと、降魔は何でもないかのように言う。
「んーそうだな……。まぁ10kmを余裕で走れたら良いんじゃないか?」
「…………え……?」
「勿論俺も走るから頑張ろうぜ」
そう言って励ます降魔だが、双葉はそれじゃないだろと思った。
(10kmえお楽に走れることが最低ラインなのかしら……? ……いえ、絶対にそうじゃないわね。あの体力おばけみたいな八条降魔だからこそね)
と思ったものの、自分のためにしてくれていることなので指摘しようにも結局できず、そのまま走ることとなったのだが……
「んっ……はぁ……はぁ……」
「お前……思ったより体力ないんだな」
「あんたが異常なのよ!!」
降魔はあんな事を言っているが、双葉の言っていることが正しい。
召喚術士は普段召喚獣に戦ってもらうため、体力はあまりいらないとされている。
魔術で結界を張ったり身体能力を向上させたりできるからだ。
なので10kmを休み無しで走ることのできた双葉は大分体力のある方なのだが、降魔からすれば『ない』と判断されるようだ。
「まぁでも一応は走りきれてたし大丈夫か。ないと言っても平均よりはあるみたいだし。流石名家出身の優等生ってとこかな」
双葉はその言葉にイラッと来たが、腕立て計600回した後の降魔が全く息を上げずに自身にピッタリと付いて走りきっていたので何も言えなかった。
不機嫌になる双葉を横目に降魔は次にすることを考える。
「次は……実態のない幻影の石を飛ばすから、身体強化を使わずに避けてくれ。速度は100km程しか出さないから、ギリギリ避けれるはずだ」
(人間には一発だけなら銃弾すらも避けれる者もいるからこれくらいなら大丈夫だろう。幻影だから当たっても痛くなんてないしな)
「それじゃあ行くぞ」
「かかってきなさい! 絶対に当たらないから!」
降魔は幻影魔術を発動して拳大の石を作り、双葉の顔めがけて投げる。
しかし双葉はほんの一歩横にずれて避けた。
今度は双葉の腹に投げるが、双葉は体を捻って危なげなく避ける。
「すごいなお前……初見でこんなに避けれる奴は中々いないと思うんだが……」
「これくらいは簡単よ。召喚獣が暴れすぎないように見張っておくのも召喚術士の仕事だもの」
2人はいつも通り会話をしながら降魔が投げ、双葉が避けると言うことを繰り返していく。
降魔は石を100回投げたところで幻影魔術を解除する。
「ふぅ……これで測定は取り敢えず終わりだ」
「やっとね……避けるのは簡単だったけど体力が持たないわ……」
そんな事を言っている双葉の横で降魔は今までのことを整理する。
(体力は継続的に鍛えるとして……筋力はあれほど体力があるならは心配はないだろう。それに反射速度もだいぶ速そうだし、柔軟性は俺よりもありそうだしな。もう始めても良いかもな)
降魔は双葉に教えることを決める。
「よし、それじゃあこれから俺の我流だが格闘術を教えていこうと思う」
「はぁ……やっとなのね……」
「ああ、遅くなってごめんな。今の龍川の身体能力を知るには必要なことだったんだ」
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そんな双葉を見つめ返しながら説明を始めた。
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