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異世界①
しおりを挟むクレアとダリアに乗り異世界に向かう、メンバーはドラゴンコンビとマリアと俺と俺の鎧の用にへばり付いてるシルバ。
流石に冬の空は寒いと防寒着を着込む、顔もフルフェイスヘルメットで対策はバッチリだ。
皆と出発の挨拶を交わし、いざ太平洋上のゲートに向かう。
しかし、完璧な防寒対策だと思った装備も飛び立って直ぐに現実を思い知らされた。
考えてみれば飛行機の外に生身で乗る様なものだ、事前にそんなに高く飛ばないでとお願いしたのに、どう見ても高度は高い、息苦しい、グリフォン時の高度じゃない、俺は完全に舐めていた。
このままじゃ不味いと思いクレアに必死に訴えるが頭は遥か先で声が届かない。
意識を失ないかけたその時、シルバが体から離れ、クレアの頭に向かい出した、しかしそこで俺は意識を失った。
気が付くとそこは、ベッドで寝ていた。
「起きたな」
「クレア、ここはどこ?」
「船のなかだ、すまなかったな、まさかあの程度で失神してしまうとは」
「当たり前だ、あんな高さで飛んだら呼吸もできない、高く飛ばないでと言ったよね」
「悪かった、帰れると思ったら嬉しくてつい、でもそんなに高く飛んでないぞ」
どうやらドラゴンと人間との感覚が違い過ぎた。
今まで近場以外ドラゴンに乗ったことは無いし、函館の帰りも飛行機だった。
完全に俺のミスだ、結局医師から説得され一泊することになった。
どうやらこの艦は新型護衛艦ゆきかぜで、俺が失神して辺りに島も無く偶然近くに居たこのゆきかぜを見つけ降りたらしい、話を聞くと流石にドラゴンがヘリ甲板に降りることはできず、マリアにくわえられ甲板に降りたらしい。
自衛隊員も流石に驚いたらしい、しかしマリアもドラゴンも言葉が話せるので、直ぐに俺の手当てをしてくるたようだ。
しかし、問題はドラゴンコンビだ。
マリアは甲板で大人しくしているが、ドラゴンコンビは物珍しさも有り、人化して好き勝手してるらしい。
隊員たちに迷惑を掛けて申し訳無い気持ちで居たら、人化した2人はかなり美人なんで隊員たちから大人気で問題ないと言われ、俺はシルバに身体中チェックされ、この艦にお世話になった。
翌日、ゆきかぜはゲート警戒海域に俺は初めてゲートを目の辺りにする。
ゲートは幅370m高さは解らない程空まで続いている。
見た目はシャボン玉のような幕が有るだけで、反対側も透けて見える。
ただし、ゲートを入ると異世界だ、ゲートは裏表が無くどちらからも出入りができるようで、ゲートの周りを各国の軍艦が取り囲んでいる。
各国共に地球の海に危険な生物や異世界人の進入を防いでいるらしいが、生物の進入は多分防げないだろう。
外来種で固有種が滅亡しかねない事態だし、新たなウイルスや病原菌の懸念も有り、各国で協力してる。
国連もバカなトップが居なくなったため、現場の優秀なスタッフが各国と連係して当たっている。
ただ、俺には各国の軍艦が集まり観艦式さながらの光景を楽しんだ。
「艦長、助かりましたありがとうございます」
「いやいや、此方こそ隊員たちが貴重な体験をさせて頂いた、帰りも是非また寄ってくれ」
「帰りは検疫検査を受けてもらいますから、勝手に帰らないように」
「先生、検査はどれくらい掛かります?」
「最低1週間は見ていてくれ、まだ奥地に入った人間はいないから検査は絶対だ」
「解りました、では行って来ます。お土産に写真をいっぱい撮って来ます」
「気を付けて」
「はい、行って来ます」
俺たちは護衛艦ゆきかぜから飛び立ち、隊員たちに手を振られゲートに向かう。
ゲートに向かう途中、各国の軍艦からも手を振られたり敬礼されたりしながらゲートに向かうが、アメリカからはあまり歓迎されて無いようだ、手を振ってくれる人も居るがアメリカはドラゴンと戦ったことが有るから思うところが有るようだ。
いよいよゲートをくぐり異世界へ待ってろ異世界、浮気はしないけどいっぱい異世界美人の写真を撮りまくるぞ。
俺たちはゲートを抜けた、ゲートを抜けるとそこは雪国だったってことも無く、見渡す限り海。
ゲートを越える前となにも変わらない。
マリアの指示で北に向かう。
俺はマリアに風避けに成ってもらいクレアに乗せもらう。
なにか有れば対処してもらうためにダリアも人化したままクレアに一緒に乗り今度はバッチリだ。
遠くに陸地が見えて来て、俺は嬉しさのあまり写真を撮りまくった。
マリアに頼み低空を飛んでもらったが、森の上空を飛んでいたら、森のモンスターたちが大変なことになってしまい、上空から見てもモンスターたちが逃げ惑う光景がはっきりと見える。
木をなぎ倒し逃げるモンスターたち、俺も不味いと思い高度を上げてもらった。
森を観察したかったけど、モンスターたちに迷惑掛けたくないのでしょうがない。
前方に広大な草原が見えてきた、俺は新たな撮影スポットに喜び、カメラを取りだし再度撮影を開始した。
森を抜け草原を出ると、草原に草の生えない一本の道の様な物が見えた。
道といっても、ただ轍ができ道に成っているだけの道だ。
しばらく道に誰か通らないか見ていたが、草原のモンスターたちに目が奪われ、まるでアフリカのサバンナのサファリツアーのように楽しんだ。
しばらく楽しんでいると、馬車を発見した、しかも馬車はモンスターの群に追われているようだ。
「ダリア、クレアに伝えてくれ、左前方にモンスターに襲われている馬車の集団がいる、助けよう」
クレアは直ぐに方向を変え向かう。
(これは、異世界に付き物のテンプレですか、助けたお姫様に惚れなれちゃうかも、でも俺には帰りを待つ妻が居るのでお姫様には悪いけど諦めて貰うしか無い)
「雅也、なにニヤニヤしてる」
「‥‥い、いや、ニヤニヤなんかしてないよ」
「急降下するぞ確り捕まれ」
「お、おう」
しかし、クレアが急降下して地上に降りると、戦っていたモンスターは逃げ惑い、戦っていた人間たちは血の気の引いた顔でこちらを見ていた。
俺はクレアから飛び降り、護衛の人間に声を掛けた。
「助けに来ました」
「‥‥‥‥‥‥‥」
「雅也、日本語が通じる訳無いだろ」
(すげー恥ずかしい、ちょっとカッコつけて飛び出したけど、モンスターは逃げるしやること無いし言葉も通じない、テンプレで浮かれていた俺を殴りたい)
結局、ダリアが話すことに成った。
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