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第1章
北の塔攻略戦5
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「…連れて行け」
俺は決戦が始まる前にスケルトンにそう命じていた。
これから始まる凄惨な現場をレイナとサヤに見せる訳にはいかないと考えていたからだ。
「いやよ!最後まで見届けるわ!放して!」
「ご主人さま…ご無事で」
抵抗するレイナとなおも心配そうなサヤをスケルトンたちが、俺たちの姿が見えない場所まで連れていった。
「キシシシ、これで邪魔者はいなくなりましたね」
「…邪魔?まだある」
「は?もうここにはわしとお前しか…グフッ…」
ムクロが最後まで言い終わらないうちに、俺の剣がムクロの腹を貫いた。
「…お前の命が邪魔だ」
「ふ、不意打ちとは…き、汚いぞ…」
弱い方が悪いやら勝者が正義とか…さっきと自分がわめいていた事はなんなのか?と思わず突っ込みたくなるが、もちろん今の俺にはそれが出来ない。
そしていかに「汚い」と罵られようとも、俺には邪魔で仕方なかったのだ。
ムクロの命が。
これから始まるショーの為に。
俺はムクロに無表情のまま命じた。
「…唱えろ」
「き、きさま…グハッ!…なにを…何を唱えよというのか…?」
「…アンデッドソウルだ。貴様自身に」
苦痛に歪むムクロがニヤリと笑った。
どうやら俺の意図が伝わったようだ。
「そうか…貴様はわし自身にアンデッドになれと…そういう事か!?」
「…そうだ」
「キシシシ!それは面白い…わしが死んだ瞬間に魔法が発動すれば…わしは不死身になるというわけか…」
「…万全のお前と戦いたい」
「キシシシ!粋な計らいではないか!勇者よ!…ゴフッ」
しばらくするとムクロの目から生気が消えていく。
まさに最後のともしびが消えるその瞬間。
「アンデッドソウル!!」
とムクロが大声で唱えた。
ムクロの身体から力が抜ける。
絶命した証拠である。
次の瞬間、ムクロ見開いたままだった瞳に魂が戻ってきた。
彼は蘇った。
不死の身体で。
「キシシシ!これでわしは不死身じゃ!誰もわしを殺す事は出来ない!キシシシ!」
俺は彼の魔法が成功した事に安堵した。
なぜなら…
これから始まる地獄を開幕できるのだから。
「…ムクロよ…よくやった」
「キシシシ!勇者よ!いや同胞よ!わしと手を組まないか!?お主の事をわしは気に入った」
「…お前と俺が?」
「キシシシ!同じ匂いがするのじゃ!生きる者全てを呪いつくしても飽き足らない、深い憎しみの匂いが!」
「…ふざけるな…」
俺のぼそっとしたつぶやきが聞こえなかったのか
「なんじゃ?乗り気ではないのか!?ではお主もわしと同じく不死の身体にしてしんぜよう!
キシシシ!そうすればお主もわしを気に入ってくれるに違いない!」
と提案してきた。
「ふざけるなぁぁぁ!!!!」
ドゴォォォン!!
俺の右こぶしがムクロの腹に大きな穴をあける。
「ぐはぁぁっ!!!!痛い!痛い!いたぁぁい!!」
やはり不死になっても痛みは感じるようだ。
身体に大きな穴を開けたのだ。
それは地獄の苦しみだろう。
しかし俺の怒りはまだおさまらない。
「貴様と!」
ドゴン!
「一緒など!」
ドゴン!
「あるわけ!」
ドゴン!
「ないだろ!!」
ドゴォォンン!!
ベチャ…
全身の骨と言う骨を砕かれて、皮となったムクロはその場で紙のように舞い落ちた。
あまりの痛みに、既に気を失っているようだ。
俺は水を頭から流し、強引に意識を戻す。
つぶれた瞬間からムクロの身体は再生を始め、すでに腹の穴はふさがっていた。
しかし、受けた痛みは引くことはない。
「ぐはぁぁ…もう…もう殺してくれ…」
泣いて土下座をするムクロ。
それを冷ややかな目で見降ろす俺。
「…お前が望んだ事だ」
「違う!わしは…わしは…こんな事になるなんて!」
「…知らなかったか?」
「そうだ!知らなかったのだ!だから!ぎゃああ!!」
「…では貴様の身体で思い知るがいい」
俺の剣がムクロの胴体を貫く。
しかし、ムクロは倒れることなく立っていた。
もう噴き出す血も体液も尽きている。
乾いた悲鳴だけが、響いていた。
「…思い知ったか」
「は、はい…」
「…人の痛みを」
「は、はい…だから…」
「…人が生きる尊さを!!」
「は、はひぃ!死んで詫びさせてください!お願いします!」
ムクロの顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。
まだこんなに体液が残っているではないか、と俺はくだらない事を思っていた。
正直この男からはこれ以上の反省の念を引きだす事は無理だろうと思い、願い通り痛みから解放してあげようと考えた。
「…では、逝け。『ジャッジメントミラー』」
ムクロの顔が安堵に変わる。彼は光に包まれて魂ごと消えようとしていた。
そして俺に向かって言った。
「殺してくれて、ありがとう…お主の慈悲深さはあの世に行っても忘れぬ…」
「…礼など…いらぬ」
よほど苦しみから解放されたのが嬉しかったのであろう、彼は最後までトンチンカンな感謝を俺に述べていた。
完全に彼の姿が消えたのを確認すると、苦い顔をして俺はつぶやいた。
「…あいつと同じやり方をしてしまった…」
俺は静かにその場を後にした。
ちなみに今回の戦いで俺のレベルは80まで上がった。
そして、所持金は300万ゴールドになっていた。
俺は決戦が始まる前にスケルトンにそう命じていた。
これから始まる凄惨な現場をレイナとサヤに見せる訳にはいかないと考えていたからだ。
「いやよ!最後まで見届けるわ!放して!」
「ご主人さま…ご無事で」
抵抗するレイナとなおも心配そうなサヤをスケルトンたちが、俺たちの姿が見えない場所まで連れていった。
「キシシシ、これで邪魔者はいなくなりましたね」
「…邪魔?まだある」
「は?もうここにはわしとお前しか…グフッ…」
ムクロが最後まで言い終わらないうちに、俺の剣がムクロの腹を貫いた。
「…お前の命が邪魔だ」
「ふ、不意打ちとは…き、汚いぞ…」
弱い方が悪いやら勝者が正義とか…さっきと自分がわめいていた事はなんなのか?と思わず突っ込みたくなるが、もちろん今の俺にはそれが出来ない。
そしていかに「汚い」と罵られようとも、俺には邪魔で仕方なかったのだ。
ムクロの命が。
これから始まるショーの為に。
俺はムクロに無表情のまま命じた。
「…唱えろ」
「き、きさま…グハッ!…なにを…何を唱えよというのか…?」
「…アンデッドソウルだ。貴様自身に」
苦痛に歪むムクロがニヤリと笑った。
どうやら俺の意図が伝わったようだ。
「そうか…貴様はわし自身にアンデッドになれと…そういう事か!?」
「…そうだ」
「キシシシ!それは面白い…わしが死んだ瞬間に魔法が発動すれば…わしは不死身になるというわけか…」
「…万全のお前と戦いたい」
「キシシシ!粋な計らいではないか!勇者よ!…ゴフッ」
しばらくするとムクロの目から生気が消えていく。
まさに最後のともしびが消えるその瞬間。
「アンデッドソウル!!」
とムクロが大声で唱えた。
ムクロの身体から力が抜ける。
絶命した証拠である。
次の瞬間、ムクロ見開いたままだった瞳に魂が戻ってきた。
彼は蘇った。
不死の身体で。
「キシシシ!これでわしは不死身じゃ!誰もわしを殺す事は出来ない!キシシシ!」
俺は彼の魔法が成功した事に安堵した。
なぜなら…
これから始まる地獄を開幕できるのだから。
「…ムクロよ…よくやった」
「キシシシ!勇者よ!いや同胞よ!わしと手を組まないか!?お主の事をわしは気に入った」
「…お前と俺が?」
「キシシシ!同じ匂いがするのじゃ!生きる者全てを呪いつくしても飽き足らない、深い憎しみの匂いが!」
「…ふざけるな…」
俺のぼそっとしたつぶやきが聞こえなかったのか
「なんじゃ?乗り気ではないのか!?ではお主もわしと同じく不死の身体にしてしんぜよう!
キシシシ!そうすればお主もわしを気に入ってくれるに違いない!」
と提案してきた。
「ふざけるなぁぁぁ!!!!」
ドゴォォォン!!
俺の右こぶしがムクロの腹に大きな穴をあける。
「ぐはぁぁっ!!!!痛い!痛い!いたぁぁい!!」
やはり不死になっても痛みは感じるようだ。
身体に大きな穴を開けたのだ。
それは地獄の苦しみだろう。
しかし俺の怒りはまだおさまらない。
「貴様と!」
ドゴン!
「一緒など!」
ドゴン!
「あるわけ!」
ドゴン!
「ないだろ!!」
ドゴォォンン!!
ベチャ…
全身の骨と言う骨を砕かれて、皮となったムクロはその場で紙のように舞い落ちた。
あまりの痛みに、既に気を失っているようだ。
俺は水を頭から流し、強引に意識を戻す。
つぶれた瞬間からムクロの身体は再生を始め、すでに腹の穴はふさがっていた。
しかし、受けた痛みは引くことはない。
「ぐはぁぁ…もう…もう殺してくれ…」
泣いて土下座をするムクロ。
それを冷ややかな目で見降ろす俺。
「…お前が望んだ事だ」
「違う!わしは…わしは…こんな事になるなんて!」
「…知らなかったか?」
「そうだ!知らなかったのだ!だから!ぎゃああ!!」
「…では貴様の身体で思い知るがいい」
俺の剣がムクロの胴体を貫く。
しかし、ムクロは倒れることなく立っていた。
もう噴き出す血も体液も尽きている。
乾いた悲鳴だけが、響いていた。
「…思い知ったか」
「は、はい…」
「…人の痛みを」
「は、はい…だから…」
「…人が生きる尊さを!!」
「は、はひぃ!死んで詫びさせてください!お願いします!」
ムクロの顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。
まだこんなに体液が残っているではないか、と俺はくだらない事を思っていた。
正直この男からはこれ以上の反省の念を引きだす事は無理だろうと思い、願い通り痛みから解放してあげようと考えた。
「…では、逝け。『ジャッジメントミラー』」
ムクロの顔が安堵に変わる。彼は光に包まれて魂ごと消えようとしていた。
そして俺に向かって言った。
「殺してくれて、ありがとう…お主の慈悲深さはあの世に行っても忘れぬ…」
「…礼など…いらぬ」
よほど苦しみから解放されたのが嬉しかったのであろう、彼は最後までトンチンカンな感謝を俺に述べていた。
完全に彼の姿が消えたのを確認すると、苦い顔をして俺はつぶやいた。
「…あいつと同じやり方をしてしまった…」
俺は静かにその場を後にした。
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