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第2話 完全に俺を追い出しにかかってるな
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【ニック】
◇◇
翌朝。
いつも通り、みんなが寝ているうちに目を覚まし、朝食の支度をする。
3人が楽しそうにおしゃべりしながら食べている間も、俺はサンとともにテントなどの片付けに忙しい。
「おい! 無能ピート。こっち見んな!」
「あはは! そこのブサイクゴーレムと草でも食ってればいいんだわ」
「ピート、今は君がやるべき仕事に集中してくれるかな?」
3人が食べ終えれば食器洗いが待っている。
そうしてようやく残り物のパンにありついたとたんにニックが高らかに告げた。
「よし、みんな。ギルドへ帰還しよう! 胸を張ってSランクの勲章を手に入れるんだ!」
「おうっ! ついに俺が伝説になる日がきたか!」
「うふふ! 報酬もたんまりもらえるわ! ああ、欲しかったダイヤのイヤリングを自分へのご褒美で買っちゃおうかなぁ」
第51層以降に手に入る【レベルストーン】は希少価値の高い宝石で、王族たちに人気があるらしい。
目玉が飛び出るくらいの高値で引き取ってもらえるのだろう。
でも俺には関係なかった。
Bランクに上がってから「分け前は戦闘での貢献度による歩合制」と多数決で決まってたからな。
だから俺の分け前は毎回ゼロ。戦闘に参加すらさせてくれないから貢献するチャンスは皆無。
なんとか食い扶持をつないでいるのは、ダンジョン探索の合間をぬって、サンと一緒に町で売れそうなアイテムを採取してきたからだ。
「おい、ピート! てめえ、なんか言いたげだな? 文句あるなら言えよ」
普段通りにしていたにも関わらず、トラビスが歯をむき出しにしてつっかかってきた。
丸太のように太い腕に青筋が浮かんでいる。
俺は慌てて首を横に振った。
「い、いや、文句なんて何もないから」
「ふぅん。俺もけっこう働いてるのに、報酬がゼロなんて納得いきません、って顔してた気がしたけどぉ」
「なんだとぉ! おい、ピート! イライザの言うことは本当か!?」
わざとらしい挑発。
当然、こんな見え透いた手に乗っかるほどバカじゃない。
「いや、報酬はゼロでいい。だからそうカッカしないでくれ。なあ、ニック。おまえからも何か言ってくれよ」
「ん? ああ……。そうだな。みんな。帰り道も決して楽じゃない。だから仲間割れはよそう」
「ちっ……。てめえはどっちの味方なんだっつーの」
どうにか収まったものの、トラビスとイライザの目がとてつもなく冷たい。
とにかく今は事を荒立てずにいつも通りの仕事をするしかないよな。
身の回りのものを【収納リュック】につめる。
【収納リュック】は、その名の通りに色々なものを収納できるリュックだが、決して重量が消えるわけじゃない。
背負ったとたんに、ずしりと肩に食い込んだ。
こんなに重かったけ?
ちらりと横を見るとサンは収納リュックを2つも担がされている。
昨日まではなかったはずだぞ。
「おい、てめえ! その荷物は大事なものが入ってるからな! 気をつけて運べよ!」
「そうよ! 昨日、私たちが苦労して拾ってきたお宝がたんまり詰め込んであるんだからね!」
やっぱり彼らの仕業だったか……。
きっと周囲にモンスターがいないのをいいことに、鉱石などの素材を拾えるだけ拾ってきたのだろう。
「グゥ……」
ゴーレムだから表情は分からないけどキツイに決まってる。
その証にサンの動きがいつも以上に鈍い。
「サン。おまえの荷物をこっちのリュックに分けるんだ」
「ガウッ!」
サンはブンブンと首を横に振って、拒否する。
……とそこにトラビスの罵声が響いた。
「おい、てめえら! ちんたらするな! まともに歩くことすらできねえのか!」
自分は手ぶらのくせに……。
だが、文句を言えばその場でクビにされかねないからな。
俺はサンのリュックを下から支えた。
「サン。行こう」
サンは荷物が重いのを嫌がっている訳じゃない。
先を進むこと自体をためらっているのだ。
いったいなぜ……。考えるまでもない。
この先に『嫌な予感』を感じさせる何かがいるに決まってる。
そんな予感はドアを開けたとたんに現実となる――。
「まじかよ……」
◇◇
翌朝。
いつも通り、みんなが寝ているうちに目を覚まし、朝食の支度をする。
3人が楽しそうにおしゃべりしながら食べている間も、俺はサンとともにテントなどの片付けに忙しい。
「おい! 無能ピート。こっち見んな!」
「あはは! そこのブサイクゴーレムと草でも食ってればいいんだわ」
「ピート、今は君がやるべき仕事に集中してくれるかな?」
3人が食べ終えれば食器洗いが待っている。
そうしてようやく残り物のパンにありついたとたんにニックが高らかに告げた。
「よし、みんな。ギルドへ帰還しよう! 胸を張ってSランクの勲章を手に入れるんだ!」
「おうっ! ついに俺が伝説になる日がきたか!」
「うふふ! 報酬もたんまりもらえるわ! ああ、欲しかったダイヤのイヤリングを自分へのご褒美で買っちゃおうかなぁ」
第51層以降に手に入る【レベルストーン】は希少価値の高い宝石で、王族たちに人気があるらしい。
目玉が飛び出るくらいの高値で引き取ってもらえるのだろう。
でも俺には関係なかった。
Bランクに上がってから「分け前は戦闘での貢献度による歩合制」と多数決で決まってたからな。
だから俺の分け前は毎回ゼロ。戦闘に参加すらさせてくれないから貢献するチャンスは皆無。
なんとか食い扶持をつないでいるのは、ダンジョン探索の合間をぬって、サンと一緒に町で売れそうなアイテムを採取してきたからだ。
「おい、ピート! てめえ、なんか言いたげだな? 文句あるなら言えよ」
普段通りにしていたにも関わらず、トラビスが歯をむき出しにしてつっかかってきた。
丸太のように太い腕に青筋が浮かんでいる。
俺は慌てて首を横に振った。
「い、いや、文句なんて何もないから」
「ふぅん。俺もけっこう働いてるのに、報酬がゼロなんて納得いきません、って顔してた気がしたけどぉ」
「なんだとぉ! おい、ピート! イライザの言うことは本当か!?」
わざとらしい挑発。
当然、こんな見え透いた手に乗っかるほどバカじゃない。
「いや、報酬はゼロでいい。だからそうカッカしないでくれ。なあ、ニック。おまえからも何か言ってくれよ」
「ん? ああ……。そうだな。みんな。帰り道も決して楽じゃない。だから仲間割れはよそう」
「ちっ……。てめえはどっちの味方なんだっつーの」
どうにか収まったものの、トラビスとイライザの目がとてつもなく冷たい。
とにかく今は事を荒立てずにいつも通りの仕事をするしかないよな。
身の回りのものを【収納リュック】につめる。
【収納リュック】は、その名の通りに色々なものを収納できるリュックだが、決して重量が消えるわけじゃない。
背負ったとたんに、ずしりと肩に食い込んだ。
こんなに重かったけ?
ちらりと横を見るとサンは収納リュックを2つも担がされている。
昨日まではなかったはずだぞ。
「おい、てめえ! その荷物は大事なものが入ってるからな! 気をつけて運べよ!」
「そうよ! 昨日、私たちが苦労して拾ってきたお宝がたんまり詰め込んであるんだからね!」
やっぱり彼らの仕業だったか……。
きっと周囲にモンスターがいないのをいいことに、鉱石などの素材を拾えるだけ拾ってきたのだろう。
「グゥ……」
ゴーレムだから表情は分からないけどキツイに決まってる。
その証にサンの動きがいつも以上に鈍い。
「サン。おまえの荷物をこっちのリュックに分けるんだ」
「ガウッ!」
サンはブンブンと首を横に振って、拒否する。
……とそこにトラビスの罵声が響いた。
「おい、てめえら! ちんたらするな! まともに歩くことすらできねえのか!」
自分は手ぶらのくせに……。
だが、文句を言えばその場でクビにされかねないからな。
俺はサンのリュックを下から支えた。
「サン。行こう」
サンは荷物が重いのを嫌がっている訳じゃない。
先を進むこと自体をためらっているのだ。
いったいなぜ……。考えるまでもない。
この先に『嫌な予感』を感じさせる何かがいるに決まってる。
そんな予感はドアを開けたとたんに現実となる――。
「まじかよ……」
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