英雄テイマーの後継者~無能と罵られて追放されたテイマー、伝説の勇者と同じスキルを覚醒させて巨悪に立ち向かっていく。本物のテイムを見せてやる~

友理潤

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第12話 ゴッドファーザーってやつですわ

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「ご主人様の期待に応えてみせます! えいっ!!」
「私も頑張っちゃうよー!!」
「……負けない」

 昨日は一方的にやられてたからな。
 そのうっぷんを晴らすかのように4体のゴーレム娘が縦横無尽に大暴れする。

『地獄の門番兵を倒しました!』
『キメラロードを倒しました!』
『グリーンドラゴンを倒しました!』
『おめでとうございます! レベルが大幅にアップしました!!』

 30だったレベルがあっという間に50まで上がる。
 さすがはSランクが相手するモンスターたちだ。
 数体倒しただけでとんでもない量の経験値がもらえた。
 もちろんその間、俺は何もしてない。ただ彼女たちの活躍をワクワクしながら見ていただけ。

「よし! 今日はここまで! 帰るぞ!」

 続けたいのはやまやまだが、早くもMPが0に近づいてきている。
 ピンチシナリオは反撃しないからその分MPの減りも遅かった、ということだな。
 つまり発動するシナリオが多い分だけMPの消費が大きくなるってわけか。
 これは覚えておいた方がよさそうだ。

◇◇

 草原に戻るなり、俺はサンたちに頭を下げた。

「ありがとう。おかげでレベルアップできたよ」

 思っていたことを素直に口にしただけだが、サンを除く3体のゴーレムにしてみれば驚きだったようだ。

「ご、ご主人様。私たちに頭を下げるなんてもったいないです!」
「うへへ。嬉しいー!」
「……恥ずかしい」

 もじもじするゴーレム娘たち。
 これはこれで可愛いな。

「ふふ。ピートさんは誰にでも優しいのよ。使役するモンスターに対してもね」

 サンが自分の事のように誇らしく胸を張る。
 なんだか照れくさい。

「そうですか。サンはいいですね。ご主人様のことを何でも知っていて」
「いいなー! ねえ、ご主人さまぁ! 私たちとも仲良くしてよー!」
「……サン、うらやましい」

 彼女たちにはこれからお世話になるのだ。
 俺としてもこの機会に距離を縮めておきたい。
 でもいったいどうしたらいいんだ……?

「そうだ! ピートさん。名前をつけてあげたらいかがでしょう?」
「名前?」
「はい! 私、ピートさんから『サン』って名付けてもらった時、すごく嬉しかったんです。なんだかその……家族みたいに……と、とにかく! 私たちモンスターは名前をもらえると嬉しいものなんですよ!」

 なるほど。そういうものなのか。
 しかし突然名前をつけてくれ、と言われてもな……。

「そ、そんな。な、名前をいただけるなんてもったいないです」
「そ、そうだよー。ご、ご主人さまに悪いよー」
「……き、気を使わないでほしい」
 
 ゴーレムたちは口では否定しているもの、期待まんまんといった風に、目を輝かせながら俺をじっと見ている。
 こうなるともう逃げられないな。
 よし、ならば……。
 俺は赤い印をもった丁寧な言葉遣いのゴーレムを指さした。

「君はルナ!」

 次に青の印をもった天真爛漫なゴーレム。

「君はエアリス!」

 最後に緑の印をもった物静かなゴーレム。

「君はカーリー!」

 いずれもこの世界の女神の名前を拝借してみたのだが、みんなすごく気に入ってくれたみたいだ。

「嬉しいです! ご主人様、一生ついていきます!」
「ちょー感動! ご主人さま、だーい好き!」
「……ありがたき幸せ」

 さてと。
 今日のところは【やられたらやり返すシナリオ】が効果を発揮するのが分かっただけでじゅうぶんだ。
 もちろんMPもほぼ0だし、モンスター・オートメーションは使えない。
 だからと言って、ボケっと過ごすのも性分に合わないしな。

「みんないいなぁ……」

 ルナたちばかりをかまっていたせいか、ちょっとすねているサンに声をかけた。

「サン。これから探検をしたい。俺の相棒になってくれるかい?」

 サンがはっとなって俺の方を振り返った。

「はいっ! お供させてください!! へへへ。嬉しい!」

 レベルがあがっても使役できるモンスターの数は変わらない。つまり1体だけだ。
 それならば相棒はサンに限る。
 ルナたちには悪いけど、サンとは一心同体といっても言い過ぎじゃないくらいの絆を感じているんだ。

「いってらっしゃいませ、ご主人様」
「バイバーイ!」
「……留守は任せて」

 ルナたちに見送られながら、森へ向かって歩き出す。
 食べ物や水源がないか、今日は徹底的に探索するつもりだ。

「ピートさん! 頑張りましょう!」

 やたらくっついてくるサンとともに、雲一つない青空の下を進んだのだった。

 
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