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第48話 待てと言われて本当に待つのは、仲の良い相手の時だけだと思う
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◇◇
「みんないなくなってしまったからねぇ。引き取って貰えると助かるよぉ」
サマンサばあちゃんがニコニコしながら頭を下げてきた。
村のみんなで使っていた共同の倉庫に、野菜のタネや肥料がたんまり置かれていて、それらを譲ってもらえることになったのだ。
「やめてくださいよ。むしろ礼を言わなくちゃいけないのは俺の方です。急に押しかけたのに、こんなにいっぱいいただいちゃって。本当にありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
今度は俺とサンが頭を下げる。
するとサマンサばあちゃんは、小さな銀のペンダントを差し出してきた。
「これは?」
「この村に伝わる宝物だ。あんたが持っていておくれ」
「宝物……」
「そう、実はこの村は勇者マリウス様が生まれ育った場所でなぁ」
あ、だから魔王アルゼオンに因縁つけられて、ブラック・ファングことウルバリルを送りつけられたってわけか。
しかし数百年もの間、粘着し続けるって、アルゼオンってやつはかなり性格が悪いんだな。
「このペンダントはマリウス様がダンジョンから持ち帰ったもの、と言われているのだよ」
「そんな大事なものなら受け取れません」
「いや、あんたこそマリウス様の生まれ変わりだと、私は思ってるのよぉ。だからこれはピート、あんたに持っていてほしいの」
ここまで言われて拒み続けるのは野暮だからな。
ありがたく受け取ったよ。
せっかくだから第53層の祭壇にまつっておくとしようか。あそこなら安全だし。
それから豚と鶏ね。
ちゃんと収納リュックに収まりましたよ。
けど残念なことに、牛は入らなかった。
重量オーバーなのか、サイズがダメだったのか、明確な基準は分からないけど、とにかく連れていけないみたいだ。
「よいしょっ」
豚5頭に鶏5羽、それに肥料の入った麻袋が3袋、野菜のタネが5袋。
全部入った収納リュックを背負う。
さすがにズシリと肩に食い込んだけど、運べないほどではない。
「むぅ……」
けど眉間にしわが寄ってしまうのは抑えられそうにないな。
「ピートさん、大丈夫ですか?」
まったく同じ中身のリュックを背負ったサンは涼しい顔をしている。
腕力は同じなはずなんだけど、どういうことなんだろう?
単に我慢してるだけなのか。それともステータスには出てこない能力みたいなものが存在してるのか……。
ま、時間のある時に調べてみるか。
とにかく今は一刻でも早く戻らなくちゃ。
「大丈夫だ。さあ、行こうか」
「はいっ!」
サマンサばあちゃんは村の外れまで見送ってくれた。
そして遠くに王都の街並みが見えてきたところで、お別れとなった。
「じゃあ、サマンサばあちゃん! お元気で!」
「おばあさま、本当にありがとうございました。また、お会いできる日を楽しみにしております!」
「うんうん、二人とも、元気で仲良くなぁ。こちらこそ、ありがとう」
嬉しそうに手を振るサマンサばあちゃん。
でもこれからはまたひとりぼっちなんだよな。
こっちに来た時は、必ず顔を出すようにするか。
「あっ……!」
そうそう、もう一つやらなきゃいけないことがあるんだった。
俺はさっき別れたばっかりのサマンサばあちゃんの元に駆け寄ると、小さな包みを渡した。
「これ、使ってください」
「ん? なにかね?」
サマンサばあちゃんが包みを開ける。
中から出てきたのは5枚の金貨。
これだけあれば50年は困らないだろう。
「まあっ! これはたまげたぁ! こんなもの受け取れないわ!」
「それは野菜のタネや家畜の代金です。だから受け取ってください。んじゃあ、また!」
サマンサばあちゃんから貰ったものを正規の値段で買っても銀貨10枚いくかいかないか、ってところだろう。
でもいいんだ。
まだ金貨は5枚もあるし、そもそもダンジョンで暮らしてたらお金を使う機会は滅多にないからな。
「この恩は一生忘れないよぉ! ありがとう!!」
サマンサばあちゃんはずっとお礼を言い続けてたよ。
俺とサンはその声を背中で聞きながら、足早で立ち去ったのだった。
◇◇
ギルドに入った俺たち。
さあ、後はダンジョントンネルのスキルを使って拠点に戻るだけ。
しかしいざスキルを使うって直前に邪魔が入った。
「ちょっと待ちなさいよ! 新しいパーティーを組むの。仕方ないからあんたを仲間に入れてあげても……」
ピンク色の髪をかき上げながら、冷たい視線を向けたのは他でもない。
イライザだった。
どこから集めたのやら、周囲には身なりの汚い2人の取り巻きがいる。
うん、めんどくさい。
「わりぃ。待つ気はないから」
だからとっととスキルを使って、サンとともに拠点に戻ったよ。
かまってちゃんに構ってる暇なんて、微塵もないしね。
「みんないなくなってしまったからねぇ。引き取って貰えると助かるよぉ」
サマンサばあちゃんがニコニコしながら頭を下げてきた。
村のみんなで使っていた共同の倉庫に、野菜のタネや肥料がたんまり置かれていて、それらを譲ってもらえることになったのだ。
「やめてくださいよ。むしろ礼を言わなくちゃいけないのは俺の方です。急に押しかけたのに、こんなにいっぱいいただいちゃって。本当にありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
今度は俺とサンが頭を下げる。
するとサマンサばあちゃんは、小さな銀のペンダントを差し出してきた。
「これは?」
「この村に伝わる宝物だ。あんたが持っていておくれ」
「宝物……」
「そう、実はこの村は勇者マリウス様が生まれ育った場所でなぁ」
あ、だから魔王アルゼオンに因縁つけられて、ブラック・ファングことウルバリルを送りつけられたってわけか。
しかし数百年もの間、粘着し続けるって、アルゼオンってやつはかなり性格が悪いんだな。
「このペンダントはマリウス様がダンジョンから持ち帰ったもの、と言われているのだよ」
「そんな大事なものなら受け取れません」
「いや、あんたこそマリウス様の生まれ変わりだと、私は思ってるのよぉ。だからこれはピート、あんたに持っていてほしいの」
ここまで言われて拒み続けるのは野暮だからな。
ありがたく受け取ったよ。
せっかくだから第53層の祭壇にまつっておくとしようか。あそこなら安全だし。
それから豚と鶏ね。
ちゃんと収納リュックに収まりましたよ。
けど残念なことに、牛は入らなかった。
重量オーバーなのか、サイズがダメだったのか、明確な基準は分からないけど、とにかく連れていけないみたいだ。
「よいしょっ」
豚5頭に鶏5羽、それに肥料の入った麻袋が3袋、野菜のタネが5袋。
全部入った収納リュックを背負う。
さすがにズシリと肩に食い込んだけど、運べないほどではない。
「むぅ……」
けど眉間にしわが寄ってしまうのは抑えられそうにないな。
「ピートさん、大丈夫ですか?」
まったく同じ中身のリュックを背負ったサンは涼しい顔をしている。
腕力は同じなはずなんだけど、どういうことなんだろう?
単に我慢してるだけなのか。それともステータスには出てこない能力みたいなものが存在してるのか……。
ま、時間のある時に調べてみるか。
とにかく今は一刻でも早く戻らなくちゃ。
「大丈夫だ。さあ、行こうか」
「はいっ!」
サマンサばあちゃんは村の外れまで見送ってくれた。
そして遠くに王都の街並みが見えてきたところで、お別れとなった。
「じゃあ、サマンサばあちゃん! お元気で!」
「おばあさま、本当にありがとうございました。また、お会いできる日を楽しみにしております!」
「うんうん、二人とも、元気で仲良くなぁ。こちらこそ、ありがとう」
嬉しそうに手を振るサマンサばあちゃん。
でもこれからはまたひとりぼっちなんだよな。
こっちに来た時は、必ず顔を出すようにするか。
「あっ……!」
そうそう、もう一つやらなきゃいけないことがあるんだった。
俺はさっき別れたばっかりのサマンサばあちゃんの元に駆け寄ると、小さな包みを渡した。
「これ、使ってください」
「ん? なにかね?」
サマンサばあちゃんが包みを開ける。
中から出てきたのは5枚の金貨。
これだけあれば50年は困らないだろう。
「まあっ! これはたまげたぁ! こんなもの受け取れないわ!」
「それは野菜のタネや家畜の代金です。だから受け取ってください。んじゃあ、また!」
サマンサばあちゃんから貰ったものを正規の値段で買っても銀貨10枚いくかいかないか、ってところだろう。
でもいいんだ。
まだ金貨は5枚もあるし、そもそもダンジョンで暮らしてたらお金を使う機会は滅多にないからな。
「この恩は一生忘れないよぉ! ありがとう!!」
サマンサばあちゃんはずっとお礼を言い続けてたよ。
俺とサンはその声を背中で聞きながら、足早で立ち去ったのだった。
◇◇
ギルドに入った俺たち。
さあ、後はダンジョントンネルのスキルを使って拠点に戻るだけ。
しかしいざスキルを使うって直前に邪魔が入った。
「ちょっと待ちなさいよ! 新しいパーティーを組むの。仕方ないからあんたを仲間に入れてあげても……」
ピンク色の髪をかき上げながら、冷たい視線を向けたのは他でもない。
イライザだった。
どこから集めたのやら、周囲には身なりの汚い2人の取り巻きがいる。
うん、めんどくさい。
「わりぃ。待つ気はないから」
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かまってちゃんに構ってる暇なんて、微塵もないしね。
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