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第53話 生まれて初めて魔法を成功させた件
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「みんな! 俺の後ろに回って!!」
サンたちを背後に集め、ゾンビたちの前に立つ。
そして俺は魔法を唱えた。
「ホワイトスパーク!!」
ピピを仲間にした時にステータス同化のおかげで手に入れた魔法だ。
彼女が使った時は、ルナ、エアリス、カーリーを一撃で瀕死に追い込むほどの威力だったが果たしてどうか。
――カッ!!
まぶしい光が辺りを包む。
ここまではピピの時と同じだな。
「ガアアア!!」
「ウガアアア!!」
ゾンビたちの叫び声が響いたと同時に視界が開けた。
見れば10体ほどのゾンビの体が綺麗に消し飛び、残った骨から白い煙が立ち込めているではないか。
「よしっ!」
思わず喜びをあらわにしちゃったのも無理はないよ。
だって今のが「生まれて初めて魔法を成功させた」と言っても過言じゃないんだから。
初めて覚えた魔法『ホーリーフレア』を使った時は、プチ爆発しか起こせなかったからなぁ。
地獄の門番たちに馬鹿にされたことがトラウマで、俺には魔法のセンスがないんだ、と半分いじけてた。
でもやっぱりやればできる子じゃん、俺。
「ピートさん!! あれ!!」
サンの声で我に返ると、ホワイトスパークで骨だけになったゾンビが、カラカラと音を立てて立ち上がるのが目に飛び込んでくる。
やっぱりそうなるよなぁ。
サンは顔を青くしてるけど、俺にしてみれば想定内だよ。
けど、一つだけ想定外のことがあったんだ。
「ん? あれは?」
骨と骨の間にピンク色に輝く光の玉がある。
しかもそれぞれのゾンビで光る場所が異なっているとくれば……。
「もしかしてコアか?」
ステータス画面をさっと開き『もしゾンビのコアの場所が分かったら、そのコアを破壊する』というモンスター・オートメーションのシナリオをセットしてみた。
すると……。
――バキッ!
――ドカッ!
サンたちが光の玉に鉄拳をくらわし、あっさりとゾンビを倒したではないか。
俺も試してみたところ、そんなに力を入れていないのに崩れるようにして骨になったゾンビが床に散らばったのだ。
くくく……なるほど。これは良い発見をしたな。
「よしっ! みんな! 帰るぞ!!」
俺はまだ戦いたがってるエアリスとカーリーをモンスターボックスに収納した後、サンとともにモンスターハウスを脱出した。
敵4000に対して、こっちの戦力は2000。
しかも敵の方が1体1体のステータスも倍近く高い。
普通に考えれば圧倒的に不利だ。
心配性のサンはそのことをよく分かってるんだろうな。
険しい顔つきでいる。
俺はポンと彼女の肩に手を乗せ、明るい声で励ました。
「心配するな。絶対に勝てる!!」
サンは目を丸くしたが、すぐにいつもの柔らかな笑顔になった。
「はいっ! ピートさんを信じてます!」
ああ、それでいい。
俺には勝てる確信があるからな――。
サンたちを背後に集め、ゾンビたちの前に立つ。
そして俺は魔法を唱えた。
「ホワイトスパーク!!」
ピピを仲間にした時にステータス同化のおかげで手に入れた魔法だ。
彼女が使った時は、ルナ、エアリス、カーリーを一撃で瀕死に追い込むほどの威力だったが果たしてどうか。
――カッ!!
まぶしい光が辺りを包む。
ここまではピピの時と同じだな。
「ガアアア!!」
「ウガアアア!!」
ゾンビたちの叫び声が響いたと同時に視界が開けた。
見れば10体ほどのゾンビの体が綺麗に消し飛び、残った骨から白い煙が立ち込めているではないか。
「よしっ!」
思わず喜びをあらわにしちゃったのも無理はないよ。
だって今のが「生まれて初めて魔法を成功させた」と言っても過言じゃないんだから。
初めて覚えた魔法『ホーリーフレア』を使った時は、プチ爆発しか起こせなかったからなぁ。
地獄の門番たちに馬鹿にされたことがトラウマで、俺には魔法のセンスがないんだ、と半分いじけてた。
でもやっぱりやればできる子じゃん、俺。
「ピートさん!! あれ!!」
サンの声で我に返ると、ホワイトスパークで骨だけになったゾンビが、カラカラと音を立てて立ち上がるのが目に飛び込んでくる。
やっぱりそうなるよなぁ。
サンは顔を青くしてるけど、俺にしてみれば想定内だよ。
けど、一つだけ想定外のことがあったんだ。
「ん? あれは?」
骨と骨の間にピンク色に輝く光の玉がある。
しかもそれぞれのゾンビで光る場所が異なっているとくれば……。
「もしかしてコアか?」
ステータス画面をさっと開き『もしゾンビのコアの場所が分かったら、そのコアを破壊する』というモンスター・オートメーションのシナリオをセットしてみた。
すると……。
――バキッ!
――ドカッ!
サンたちが光の玉に鉄拳をくらわし、あっさりとゾンビを倒したではないか。
俺も試してみたところ、そんなに力を入れていないのに崩れるようにして骨になったゾンビが床に散らばったのだ。
くくく……なるほど。これは良い発見をしたな。
「よしっ! みんな! 帰るぞ!!」
俺はまだ戦いたがってるエアリスとカーリーをモンスターボックスに収納した後、サンとともにモンスターハウスを脱出した。
敵4000に対して、こっちの戦力は2000。
しかも敵の方が1体1体のステータスも倍近く高い。
普通に考えれば圧倒的に不利だ。
心配性のサンはそのことをよく分かってるんだろうな。
険しい顔つきでいる。
俺はポンと彼女の肩に手を乗せ、明るい声で励ました。
「心配するな。絶対に勝てる!!」
サンは目を丸くしたが、すぐにいつもの柔らかな笑顔になった。
「はいっ! ピートさんを信じてます!」
ああ、それでいい。
俺には勝てる確信があるからな――。
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