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第86話 アルゼオンに会いにいこう!①
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◇◇
イライザが王都へ帰っていった。
厳密に言えば俺が彼女のことをギルドまで送り届けたわけだが、何事もなくあっさりと立ち去ってくれたのはちょっと意外だったな。
――私がこんなことになったのはあんたのせいだからね! ちゃ、ちゃ、ちゃんと責任取りなさいよ! そ、それまで待ってるから!
別れ際にそんなことを言ってたけど、あれは「私の代わりにアルゼオンをなんとかしなさいよね」ってことだよな?
もう彼女とは関わりたくないからひとまず放っておこう。
こっちはこっちでニックのせいで半壊した住居や壁の修繕で忙しいんだ。
◇◇
第54層で待機してもらっていたモンスターたちを拠点とモンスターハウスのそれぞれに戻した。
それから修繕作業に取り掛からせたところで、ルナたちが拠点に帰ってきた。
「ご主人様、ただいま戻りました」
凛とした表情のルナ。
今までも気品があったけど、さらに貫禄のようなものを感じる。
「うん、どうやら3人とも究極進化に成功したみたいだな」
ルナがはにかみながらコクリとうなずいた。
エアリス、カーリーの二人は得意げな表情を浮かべている。
「えへへ。私がミノタウロスを倒してみんなを助けたんだよー!」
「……エアリスがいなくても一人で倒せたから。余計な手出しは無用」
「またまたぁ! カーリーは強がりだからなぁ」
「……強がりなんかじゃない!」
「二人とも! やめなさい!」
相変わらず負けず嫌いの二人をルナとサンが引き離す。
こうして見ている分には王都の学園に通う普通の女の子と何ら変わらない。
まさか彼女たちがエンシェント・ブラックドラゴンより強いなんて、誰が想像できるだろうか。
ともあれ彼女たちが究極進化を遂げ、ガルーが仲間になったことで俺のステータスはとんでもないことになった。
腕力はガルーから。
防御力はサンたちから。
魔力はソフィから。
スピードはピピから。
究極進化している仲間たちの特徴が綺麗に分かれているのも幸いしている。
まあ、マリウスがそうなるように計算していたんだろうな。
サンの話から考えれば、マリウスはステータスの穴である防御力を埋めるためにゴーレムを作ったというのは容易に推測できる。
ということは自分がいなくなってからアルゼオンが復活することを予感していたってことになるな。
いやぁ、さすが英雄と呼ばれるだけある。
さてと……。
いい感じにステータスが上がったところで、残った1つの厄介ごとを片付けるとするか。
俺は未だにキャッキャしている4人に向かって、これからすることを宣言したのだった。
「魔王アルゼオンに会いにいこうと思う」
◇◇
よくよく考えてみれば今の俺は英雄マリウスよりもステータスが上だ。
もちろん彼自身のステータスがガルーやソフィよりも高かったかもしれないが、人間だったという点を考慮すると、まあ、まずありえないだろう。
その彼が封印したという魔王アルゼオン。
当然、俺の方がステータスは高いのはまず間違いない。
だから負けることはまずないとふんでいるのだが……。
「ダメです! 絶対にダメです!! 危険すぎます!!」
予想通り、心配性のサンは大反対してきた。
「ムフフ。魔王相手だってぇ。腕が鳴るねぇ」
「……私が倒す」
エアリスとカーリーはやる気まんまんのようだ。
となると残りのルナはどうか。
普段はあまり表に出ないが、ルナはまとめ役だからな。
彼女の意見が「No」と言えば、エアリスたちも引き下がざるを得ない。
逆に言えば彼女が「Yes」と言えば、サンも従わざるを得ないということだ。
そして4人の協力が得られないようならアルゼオンに会いにいくのはリスクが大きすぎる。
ルナは主人である俺の意見を尊重することが多いけど、身に危険がおよびそうになると「待った」をかけるからな。
ちょっと強引だけど奥の手を使って、確実に「Yes」と言わせよう。
「今回の旅はルナ、サン、エアリス、カーリー、ガルー、ソフィ、ピピを連れていこうと考えている。どうかな?」
それまでほぼ無表情だったルナの顔に喜色が混じる。
こういう時のルナは『留守番』と決まってる。
忠実に仕事をこなしてくれるし、気配りもできるからモンスターたちの世話を任せるのが適任だからだ。
でもその裏では好奇心旺盛で無茶をするのが好きだっていうのもよく分かってる。
だから「今回の旅はルナも連れていく」と告げれば、おのずと彼女の答えは一つになるはずとふんでいた。
「ご主人様。魔王アルゼオン討伐の旅、是非お供させてください。みんなもご主人様をしっかりお守りするのよ」
「はーい!! やっほー!! 魔王退治だぁ!」
「……腕が鳴る」
「まったく……。仕方ないわね。ピートさんは私が守ります」
こうして俺たちはついに魔王アルゼオンと対峙することになったのだった。
イライザが王都へ帰っていった。
厳密に言えば俺が彼女のことをギルドまで送り届けたわけだが、何事もなくあっさりと立ち去ってくれたのはちょっと意外だったな。
――私がこんなことになったのはあんたのせいだからね! ちゃ、ちゃ、ちゃんと責任取りなさいよ! そ、それまで待ってるから!
別れ際にそんなことを言ってたけど、あれは「私の代わりにアルゼオンをなんとかしなさいよね」ってことだよな?
もう彼女とは関わりたくないからひとまず放っておこう。
こっちはこっちでニックのせいで半壊した住居や壁の修繕で忙しいんだ。
◇◇
第54層で待機してもらっていたモンスターたちを拠点とモンスターハウスのそれぞれに戻した。
それから修繕作業に取り掛からせたところで、ルナたちが拠点に帰ってきた。
「ご主人様、ただいま戻りました」
凛とした表情のルナ。
今までも気品があったけど、さらに貫禄のようなものを感じる。
「うん、どうやら3人とも究極進化に成功したみたいだな」
ルナがはにかみながらコクリとうなずいた。
エアリス、カーリーの二人は得意げな表情を浮かべている。
「えへへ。私がミノタウロスを倒してみんなを助けたんだよー!」
「……エアリスがいなくても一人で倒せたから。余計な手出しは無用」
「またまたぁ! カーリーは強がりだからなぁ」
「……強がりなんかじゃない!」
「二人とも! やめなさい!」
相変わらず負けず嫌いの二人をルナとサンが引き離す。
こうして見ている分には王都の学園に通う普通の女の子と何ら変わらない。
まさか彼女たちがエンシェント・ブラックドラゴンより強いなんて、誰が想像できるだろうか。
ともあれ彼女たちが究極進化を遂げ、ガルーが仲間になったことで俺のステータスはとんでもないことになった。
腕力はガルーから。
防御力はサンたちから。
魔力はソフィから。
スピードはピピから。
究極進化している仲間たちの特徴が綺麗に分かれているのも幸いしている。
まあ、マリウスがそうなるように計算していたんだろうな。
サンの話から考えれば、マリウスはステータスの穴である防御力を埋めるためにゴーレムを作ったというのは容易に推測できる。
ということは自分がいなくなってからアルゼオンが復活することを予感していたってことになるな。
いやぁ、さすが英雄と呼ばれるだけある。
さてと……。
いい感じにステータスが上がったところで、残った1つの厄介ごとを片付けるとするか。
俺は未だにキャッキャしている4人に向かって、これからすることを宣言したのだった。
「魔王アルゼオンに会いにいこうと思う」
◇◇
よくよく考えてみれば今の俺は英雄マリウスよりもステータスが上だ。
もちろん彼自身のステータスがガルーやソフィよりも高かったかもしれないが、人間だったという点を考慮すると、まあ、まずありえないだろう。
その彼が封印したという魔王アルゼオン。
当然、俺の方がステータスは高いのはまず間違いない。
だから負けることはまずないとふんでいるのだが……。
「ダメです! 絶対にダメです!! 危険すぎます!!」
予想通り、心配性のサンは大反対してきた。
「ムフフ。魔王相手だってぇ。腕が鳴るねぇ」
「……私が倒す」
エアリスとカーリーはやる気まんまんのようだ。
となると残りのルナはどうか。
普段はあまり表に出ないが、ルナはまとめ役だからな。
彼女の意見が「No」と言えば、エアリスたちも引き下がざるを得ない。
逆に言えば彼女が「Yes」と言えば、サンも従わざるを得ないということだ。
そして4人の協力が得られないようならアルゼオンに会いにいくのはリスクが大きすぎる。
ルナは主人である俺の意見を尊重することが多いけど、身に危険がおよびそうになると「待った」をかけるからな。
ちょっと強引だけど奥の手を使って、確実に「Yes」と言わせよう。
「今回の旅はルナ、サン、エアリス、カーリー、ガルー、ソフィ、ピピを連れていこうと考えている。どうかな?」
それまでほぼ無表情だったルナの顔に喜色が混じる。
こういう時のルナは『留守番』と決まってる。
忠実に仕事をこなしてくれるし、気配りもできるからモンスターたちの世話を任せるのが適任だからだ。
でもその裏では好奇心旺盛で無茶をするのが好きだっていうのもよく分かってる。
だから「今回の旅はルナも連れていく」と告げれば、おのずと彼女の答えは一つになるはずとふんでいた。
「ご主人様。魔王アルゼオン討伐の旅、是非お供させてください。みんなもご主人様をしっかりお守りするのよ」
「はーい!! やっほー!! 魔王退治だぁ!」
「……腕が鳴る」
「まったく……。仕方ないわね。ピートさんは私が守ります」
こうして俺たちはついに魔王アルゼオンと対峙することになったのだった。
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