英雄テイマーの後継者~無能と罵られて追放されたテイマー、伝説の勇者と同じスキルを覚醒させて巨悪に立ち向かっていく。本物のテイムを見せてやる~

友理潤

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第88話 アルゼオンを仲間にしよう!①

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◇◇

 今のところは敵意がない、と分かってくれたようで、アルゼオンはあっさりゾンビの包囲網を解くと、俺たちを城の中に通してくれた。

「おいおい、ずいぶんと豪勢だな」

 どこから調達したんだ?
 と言いたくなるような装飾品や内装の数々。
 客間にはフカフカの絨毯が敷かれ、座ったとたんに吸い込まれてしまいそうになるような柔らかなソファが置かれている。
 そのソファに俺とサンが並んで座り、その他の仲間たちは物珍しそうに広い部屋の中をうろうろしていた。
 そんな中、ワインを片手にアルゼオンは俺と向き合うようにして腰をかけた。

「して、余を奴隷にしたいと貴様は申しておるのか?」
「奴隷じゃない。仲間だ」

 アルゼオンが小さく首をかしげてニヤリと口角を上げる。

「余が断れば貴様はどうするつもりだ?」

 アルゼオンが意味ありげにニタニタしている。
 
 ああ、なるほどね。
 これって部屋の外に軍勢を待機させているか、部屋自体にトラップが仕掛けられているパターンだな。
 広い外で戦うよりは狭い部屋に閉じ込めてしまった方が戦いやすいってことか。
 つまり城に入れた瞬間から生きて返すつもりはなかったってやつだ。

 けど今さらそんなことを気にしていても仕方ない。

「逆に聞きたいんだが、断れると思ってるのか?」

 アルゼオンだけでなくサンも目を丸くして俺の顔を覗き込む。
 俺は淡々とした口調で続けた。

「あんたは『鎖の封印』を解かれない限りはここを動けない。つまり復活したはいいものの実態は封印されていた時と何ら変わらないってわけだ」

 アルゼオンの顔から笑みが消える。
 逆に俺の口元が自然と緩んだ。

「都合よくニックを使って封印を解こうとしたがそれも失敗。もはや打つ手なし。まあ、もしかしたら『もう一人』くらいはあんたの手足がいるかもしれないな。……たとえば『マリウスの故郷をめちゃくちゃにしたサイコ野郎』とか」

「貴様……」

「まあ、それも俺たちが片付けたわけだ。もはやあんたには『鎖の封印』を解く術はない。第二のニックがのこのこやってくるまで待つつもりか? それもいいと思うが、少なくとも俺やここにいる仲間たちが生きている間は好き勝手させるつもりはないぞ」

 ついにアルゼオンの口から言葉すら消えた。
 代わりに凄まじい殺気が灰色の瞳から放たれる。
 サンがいつでも動けるように半身を乗り出し、他の仲間たちも表情を引き締めてこちらを見つめている。

 重苦しい雰囲気の中、俺は努めて軽い口調で続けた。

「ちなみに俺の仲間になればフロアの移動が可能になる。もし【オートテイム】状態にしたならばダンジョンの外に出ることだって可能だ」

「ピートさん!?」

 反論しようとするサンを片手で制す。

「けどな。あんたはダンジョンの外に出るつもりはないんだろ?」

 アルゼオンのこめかみがピクリと動いた。
 目がわずかに見開かれている。

「その反応……。やっぱりそうか……」

 彼の反応で自分の考えが正しいことを確信した。
 となればもたもたしている場合ではないな。

「協力してくれるよな? 魔王アルゼオン」

 俺は右手を彼に差し出したのだった――。



 

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感想 7

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みんなの感想(7件)

黒うさぎ
2021.05.12 黒うさぎ

サモナーがレベルに応じて様々なモンスターを召喚するのであって
テイマーはモンスター従属レベルで従える数が増えて行く等だったはずだけど?

解除
龍牙王
2021.05.07 龍牙王

モンスターハウス…本当に作るのねW

解除
龍牙王
2021.05.05 龍牙王

餅は餅屋だな

解除

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