「平凡な365日」番外編

葉津緒

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エイプリルフール

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「おい会長、突然だがお前を好きになった。今すぐ俺が突っ込んでやるから大人しくケツを出せ」

「は!?」

「は、じゃねーよ。ヒィヒィ言わせてやるから早くしろよ」

「いや、ちょっ待て今なんつった平凡。お前が俺を好きだと……? 止めろ、何脱がそうとしてやがる!」


「うっせーな。ガタガタ言わずさっさと地面に這いつくばって汚ねぇ尻向けろ。そのままコレ突っ込んでやるから」

「て、てめえ何持ってやがんだ、んなグロい大人の玩具がいきなり入るわけねーだろ!? ふざけた真似しやがって。大体お前……俺を好き、とか有り得ない、よな?」


「あ? 最後の方、小声すぎて聞こえなかったんスけど。て言うか、あーやっぱ何かもういいや面倒臭いし。
てことで会長、今の嘘なんで。今日はエイプリルフールだから大嫌いなアンタに嫌がらせを――」

「嘘なんだよな」

「へ?」

「今のテメエの言葉も嘘なんだろ」

「いや、え、何が」

「チッ……つまりお前が俺を嫌いだとか突っ込んでやる、つったのが嘘。言葉を裏返せば平凡は俺を『大好き』で『突っ込んで欲しい』……そういう意味か!」

「はあぁ?!」


「しかも今すぐそれを突っ込まれたいのか。外人級にでかくてグロい形態のそれを、平凡の……ゴクッ……やべえ、何だこれ。俺にぐちゃぐちゃに突っ込まれて泣きながらよがり狂う平凡を想像したら、すげー興奮してきやがっ、ぐはっ!?」

「黙れ糞会長、やばいのはお前の頭だろうが。見ろよ鳥肌立っちまったじゃねーかこの変態野郎!」

「テメ……またしても俺様の腹に蹴りを……ああそうか、今のも照れ隠しってことだろ。
フッ、素直じゃねぇな。喜べ平凡。そこまで言うなら今回だけ特別に仕方なく、お前を俺様専属のセフレにしてやっても良いぜ」


「死ねッ!」

「ぐぼぁっ!!」





~余談~

春休み中、嫌いな相手につくエイプリルフール用の嘘を考えていた主人公。
地元チームのお祭り好き赤青コンビから上記ネタを伝授され、演出用の小道具に『グロい大人の玩具』も渡された。
ちなみに二人は冗談のつもりだったらしい。

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