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其の四
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「ま、待ってください。親衛隊総隊長である貴方には確か、全ての親衛隊への参加禁止のルールが」
「うん。だから僕が総隊長を辞めて、代わりに幸明くんを後任に指名するね」
「はああああ!?」
うおおっ、耳がキーンてなるううぅ。叫び声が、鼓膜が!
ここにいる全員が同時に大声出しやがって。見ろ、俺と周だけ両手で耳押さえて苦しんでるし。何で悠布は平気なの。
あれ?
ところで、今なんて言った?
悠布(平凡脇役あらためスーパー非凡脇役、総受けくん)が俺の親衛隊の隊長さんになって、代わりに俺(アンチ王道転入生)が親衛隊の総隊長になる、だ、と。
親衛隊とアンチ王道って犬猿の仲だよね。敵対してるよね。なのにアンチ王道が総隊長って何? どうして非凡脇役さまがアンチ王道の親衛隊長?!
というかそれもう、脇役じゃなくね。
……いや、実は非凡な親衛隊長さんが隊員や美形攻めたちから総愛されになったりするのも全然アリですぜ。むしろたまりませんな。うへへへ、じゅるりっ。
ハッ、違う。そゆことじゃなくて、ええとこれはつまり俺の壮大かつ緻密で腐的に素敵なこれまでの計画と涙ぐましい数々の努力が完全に水の泡――。
「ね、幸明くん。僕に守らせて?」
椅子に座る俺の顔をのぞき込むように少しだけ屈んだ悠布が、ハンカチでそっと目元を拭いてくれる。
えっ嘘、俺泣いてましたか。うわああぁ、は、恥ずかしすぎるッ。
「可哀想に、本当に泣いちゃうほど怖かったんだよね。でももう二度とこんな目に遇わせたりしないから。ね、お願い。僕が幸明くんの親衛隊長になること、許可してくれる?」
いや、別に怖かったから泣いた……の、かな。そうなの?
よしよし、って悠布が頭を撫でてくれた。いつもみたいにちょっと困った感じの笑顔にホッとする。
「ね、幸明くん。『はい』って言って?」
悠布の手、気持ちいい。優しい声がするし、良い匂い。
変だなぁ頭がうまく回んないや。何かすっごく疲れたかも。
「は、い……?」
「うん。ありがと幸明くん、 もう大丈夫。だから安心して休んでていいよ」
『休んでていい』という柔らかな悠布の声と、ぎゅっと抱きしめられるような感覚。
――を最後に、俺の意識は途切れた。
次に目が覚めるのは保健室で。
その間一体なにがあったのか、寝落ちしたらしい俺はこれっぽっちも覚えていないのでした。無念。
【其の四 終了】2018.5.29/2020.1 修正
「うん。だから僕が総隊長を辞めて、代わりに幸明くんを後任に指名するね」
「はああああ!?」
うおおっ、耳がキーンてなるううぅ。叫び声が、鼓膜が!
ここにいる全員が同時に大声出しやがって。見ろ、俺と周だけ両手で耳押さえて苦しんでるし。何で悠布は平気なの。
あれ?
ところで、今なんて言った?
悠布(平凡脇役あらためスーパー非凡脇役、総受けくん)が俺の親衛隊の隊長さんになって、代わりに俺(アンチ王道転入生)が親衛隊の総隊長になる、だ、と。
親衛隊とアンチ王道って犬猿の仲だよね。敵対してるよね。なのにアンチ王道が総隊長って何? どうして非凡脇役さまがアンチ王道の親衛隊長?!
というかそれもう、脇役じゃなくね。
……いや、実は非凡な親衛隊長さんが隊員や美形攻めたちから総愛されになったりするのも全然アリですぜ。むしろたまりませんな。うへへへ、じゅるりっ。
ハッ、違う。そゆことじゃなくて、ええとこれはつまり俺の壮大かつ緻密で腐的に素敵なこれまでの計画と涙ぐましい数々の努力が完全に水の泡――。
「ね、幸明くん。僕に守らせて?」
椅子に座る俺の顔をのぞき込むように少しだけ屈んだ悠布が、ハンカチでそっと目元を拭いてくれる。
えっ嘘、俺泣いてましたか。うわああぁ、は、恥ずかしすぎるッ。
「可哀想に、本当に泣いちゃうほど怖かったんだよね。でももう二度とこんな目に遇わせたりしないから。ね、お願い。僕が幸明くんの親衛隊長になること、許可してくれる?」
いや、別に怖かったから泣いた……の、かな。そうなの?
よしよし、って悠布が頭を撫でてくれた。いつもみたいにちょっと困った感じの笑顔にホッとする。
「ね、幸明くん。『はい』って言って?」
悠布の手、気持ちいい。優しい声がするし、良い匂い。
変だなぁ頭がうまく回んないや。何かすっごく疲れたかも。
「は、い……?」
「うん。ありがと幸明くん、 もう大丈夫。だから安心して休んでていいよ」
『休んでていい』という柔らかな悠布の声と、ぎゅっと抱きしめられるような感覚。
――を最後に、俺の意識は途切れた。
次に目が覚めるのは保健室で。
その間一体なにがあったのか、寝落ちしたらしい俺はこれっぽっちも覚えていないのでした。無念。
【其の四 終了】2018.5.29/2020.1 修正
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