わたくし、聖女様ではございませんっ!〜最低悪役令嬢ですので、勘違いはやめてください〜

Rimia

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本人無自覚の出会い編〈7歳~12歳〉

悪役聖女には理解が出来ない

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 そして、彼・・・ユーリストは、その剣を振り上げ――――――――――――――――







          ずに、剣先を下にして地面につけ、彼自身もその場に片膝をつけてひざまずいた。
いわゆる、騎士が誓いをする時のポーズだ。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んん?
 あっれぇ~おっかしいな~。
な、なんか目の前でひざまずかれちゃってるんですけどぉ・・・。私の記憶が正しければ、私って殺されるところだったんじゃあ・・・?
 それが何でこんなことになってるんですかね・・・。

 「あ、あの。ユーリスト様・・・・?」

 「ロゼット様。貴方様が行くというのならば、止めはいたしません。その代わり、今この時をもって誓わせてください」

 「はっ、はいっ?」

 「ありがとうございます。それでは――――――――――――――
我、ユーリスト・ゼルダンは汝を主とし、ここに永遠の忠誠を誓う。
この命が尽きぬ限り、決して裏切らず、主の手足となり、いつまでも傍におりましょう――――――――――。
この誓い、受け取っていただけるでしょうか。」


ちょっとまてユーリスト!「はい?」だからね?疑問形で聞き返しただけで、YESの方の「はい」じゃないから!!

 それに、今のって“騎士の誓い”だよね?確かその誓いは神聖なもので絶対的な拘束力を持つため、人生に一度だけその騎士が心に決めた、たった一人の人物にだけするという・・・。

なんで、そんなことを私に?ヒロインちゃんじゃなくって??

 「受け取っていただけますね?」

 「う、え、あの・・・はい・・・・。」

 笑顔なのになぜか圧があって、思わずうなずいてしまった。

こんな簡単に誓いを受け取ってしまって大丈夫なのかと思ったが、きっと子供の誓いだし無効になるだろう。だからまぁ、いっか。

 だけどユーリストが頰を上気させながら、満面の笑みでこっちを見ているんだけど・・・。私、何かしたっけ?

 「あ、あのユーリスト様。わたくし、あなた様に何か致しましたでしょうか?」

 「・・・はい。」

私の問いに答えたはいいが、何かを思い出したように、遠くを見つめている。

 おお~い、ユーリスト!戻ってこーい。
なに、危ない薬やってる人だったの?

するとしばらくしたら、ようやくユーリストは口を開き、こう言った。

「・・・・・覚えております。」

怖!え、なにを覚えているの?!私が何かしましたっけ、ねぇユーリスト!!

そう一人怯えてると、ユーリストは悲しげに微笑み、一礼して、屋敷のほうに戻っていった。

 「お元気で。」

じきにユーリストの姿は屋敷の中へ消えて見えなくなったが、私は一人その場に呆然と突っ立っていた。

 「 今のはなんだったんですの・・・?」


 思わず、お嬢様言葉が出てしまった私であった・・・。

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