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尚垣梢(ニホン)3
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「仲良くさせてもらって、梢さんは面白いわねって言ってくれていたのに。園でも無視されたりすることはないけど、どこか避けられているような気もして」
「落ち着け」
「落ち着いていられないわよ」
「だけど、食事会などは楽しそうにしていたじゃないか」
「そうよ、だからどうしたらいいか分からないの。今も皆は集まっているかもしれないのよ」
今もどこかでママ友会が行われているのではないかと、梢はママ友のSNSをくまなく見て回っていた。
「少し前に胃腸炎が流行ったからじゃないのか?」
「もうそんなに流行っていないわ」
保育園で胃腸炎が流行って、美波も瑛紀も感染し、大変であった。
園でも皆が一気に患ったわけではないために、治って登園した美波から慶介も今日は○○ちゃんがお休みだったという話を聞いていた。
美波と瑛紀は治っても、まだ患っている子どももいるのかもしれない。
そんな時に、お茶することも難しいのではないか。
だが、送り迎えをしているのは梢で、来ていないのなら分かっているのかもしれない。それならば、何が理由なのだろうか。
何か失言をして、嫌われるようなことがあったが、理由を直接言うことはないだけなのかもしれない。
男同士でも、何か悪いことをしたかと聞いても、言う奴もいるかもしれないが、口には出さない奴もいることを知っている。
「少し、様子を見てみたらどうだ?勘違いかもしれないだろう?また誘われるかもしれないじゃないか」
「でも」
「だったら、少し待って、梢から誘ってみたらいいじゃないか。それでも、断られるようだったら、その時また考えよう」
「そんなの怖いわ」
「誘ったら、普通に来てくれるかもしれないじゃないか」
「うーん、そうかな、分かったわ」
慶介に話して、解決するとは思っていなかったが、梢は待つよりも今すぐにどうにかしたい思いであった。
とは言っても、何もないのに、二度もどうして誘ってくれないのかと聞くことはできない。
友人ならば聞き易い友人に訪ねればいいかもしれないが、嫌われた記憶のある人たちばかりであるために、誰に聞いたらいいかも分からない。
しばらくは周りの目が気になりながらも、大人しく生活をしていたが、気になることを止めることはできなかった。
だが、SNSでママ友会が開かれていたことを知り、保育園であった時に、思わずどうして呼んでくれなかったのかと詰め寄ってしまった。
相手は園で何度か楽しく話をした相手で、食事会も参加したことはあったが、梢は常に呼ばれる存在ではなかった。
ゆえに、相手もごめんなさいとは言ったが、困惑されるだけであった。
そして、そんな相手を次は呼ぼうと思われることはない。
そのママ友から、梢の話は別のママ友へ話が行き、嫌われたというよりは、変わり者扱いされるようになっていった。
それでも梢は人柄としては楽しい方ではあるために、時折は食事会にも呼んでもらえることはあったが、大半はこっそりと行い、もしも何か言われても、今回は急遽決まったことだった、偶然会ったからと、言い訳をする。
そんなことが、繰り返されていた。
それでも、梢は仲良くしたいことは嘘ではなく、色んな所に顔を出したい、広く浅く関係を持ちたいと認識されていた。だが、お金ではなかったことで、苦情を言われるほどではなかった―――。
ルジは戻った田中梢(尚垣梢)の様子を、エボシから聞かれることはないが、伝えることにした。
「田中梢は、セコい真似はしていないぞ?」
「そうですか、それは良かったです」
エボシは少し驚いた顔はしたが、すぐさま冷静になった。
「エボシの考えは、外れたようだな」
「どこか危うさを感じたのですけど、それならそれでいいではないですか」
「まあ、そうだが……だが、ママ友に執着している」
「そう、ですか」
「落ち着け」
「落ち着いていられないわよ」
「だけど、食事会などは楽しそうにしていたじゃないか」
「そうよ、だからどうしたらいいか分からないの。今も皆は集まっているかもしれないのよ」
今もどこかでママ友会が行われているのではないかと、梢はママ友のSNSをくまなく見て回っていた。
「少し前に胃腸炎が流行ったからじゃないのか?」
「もうそんなに流行っていないわ」
保育園で胃腸炎が流行って、美波も瑛紀も感染し、大変であった。
園でも皆が一気に患ったわけではないために、治って登園した美波から慶介も今日は○○ちゃんがお休みだったという話を聞いていた。
美波と瑛紀は治っても、まだ患っている子どももいるのかもしれない。
そんな時に、お茶することも難しいのではないか。
だが、送り迎えをしているのは梢で、来ていないのなら分かっているのかもしれない。それならば、何が理由なのだろうか。
何か失言をして、嫌われるようなことがあったが、理由を直接言うことはないだけなのかもしれない。
男同士でも、何か悪いことをしたかと聞いても、言う奴もいるかもしれないが、口には出さない奴もいることを知っている。
「少し、様子を見てみたらどうだ?勘違いかもしれないだろう?また誘われるかもしれないじゃないか」
「でも」
「だったら、少し待って、梢から誘ってみたらいいじゃないか。それでも、断られるようだったら、その時また考えよう」
「そんなの怖いわ」
「誘ったら、普通に来てくれるかもしれないじゃないか」
「うーん、そうかな、分かったわ」
慶介に話して、解決するとは思っていなかったが、梢は待つよりも今すぐにどうにかしたい思いであった。
とは言っても、何もないのに、二度もどうして誘ってくれないのかと聞くことはできない。
友人ならば聞き易い友人に訪ねればいいかもしれないが、嫌われた記憶のある人たちばかりであるために、誰に聞いたらいいかも分からない。
しばらくは周りの目が気になりながらも、大人しく生活をしていたが、気になることを止めることはできなかった。
だが、SNSでママ友会が開かれていたことを知り、保育園であった時に、思わずどうして呼んでくれなかったのかと詰め寄ってしまった。
相手は園で何度か楽しく話をした相手で、食事会も参加したことはあったが、梢は常に呼ばれる存在ではなかった。
ゆえに、相手もごめんなさいとは言ったが、困惑されるだけであった。
そして、そんな相手を次は呼ぼうと思われることはない。
そのママ友から、梢の話は別のママ友へ話が行き、嫌われたというよりは、変わり者扱いされるようになっていった。
それでも梢は人柄としては楽しい方ではあるために、時折は食事会にも呼んでもらえることはあったが、大半はこっそりと行い、もしも何か言われても、今回は急遽決まったことだった、偶然会ったからと、言い訳をする。
そんなことが、繰り返されていた。
それでも、梢は仲良くしたいことは嘘ではなく、色んな所に顔を出したい、広く浅く関係を持ちたいと認識されていた。だが、お金ではなかったことで、苦情を言われるほどではなかった―――。
ルジは戻った田中梢(尚垣梢)の様子を、エボシから聞かれることはないが、伝えることにした。
「田中梢は、セコい真似はしていないぞ?」
「そうですか、それは良かったです」
エボシは少し驚いた顔はしたが、すぐさま冷静になった。
「エボシの考えは、外れたようだな」
「どこか危うさを感じたのですけど、それならそれでいいではないですか」
「まあ、そうだが……だが、ママ友に執着している」
「そう、ですか」
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