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お花畑に住む家族
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キャリーヌに一度も縁談の話はない。
病気ごと受け入れてくれる人がいない。貴族にとって後継は大事な務めで、だからと言って、無理に妊娠出産をさせて、キャリーヌを苦しませたくはない。
だから、まずベルアンジュを嫁がせて、子どもを何人か産ませてから、離縁させて、キャリーヌを嫁がせるという案を出したのは妻だった。
ルイフォードもキャリーヌを気に入っているなら、子どもを作る行為だけして、ベルアンジュを閉じ込めて、キャリーヌと生活をさせればいい。
キャリーヌはベルアンジュがルイフォードに抱かれるのは嫌だとと、大人のようなことを言った時は驚いたが、もう女の子ではなく、女性なのだなと思った。
だが子どもを産ませるには仕方ないのだと言い聞かせて、キャリーヌも納得してくれたのだ。
「病気なのは確かでしょうが、その上、身持ちが悪いなんて誰も求めませんよ?もう帰って貰ってくれ、何を言われても、ベルアンジュはこちらで看る。あと妹とのことを口にしたら、全力で戦わせてもらう」
「えっ、でもキャリーヌはいずれあなたに嫁ぐつもりで」
「は?」
ルイフォードは、なぜそんな話になっているのかが理解が出来ず、頭のおかしい、とんでもない化け物だと思われていることを夫妻は気付けない。
「誰がそんなことを言った?妄想も大概にしろ!天と地がひっくり返っても、キャリーヌ・トアリを私が娶ることはない!」
「ですが!」
「何だ?私がどうして、躾のなっていない君たちの娘の、尻拭いをしなければならない?何の理由がある?」
理由などどこにもない。トアリ伯爵夫妻とキャリーヌの都合のいい妄想に過ぎず、なぜそう思っていたかは、キャリーヌが言っていたからに他ならない。
「帰ってくれ!!」
「「ひぃぃぃ」」
トアリ伯爵夫妻は、逃げるように帰るしかなかった。力尽きて戻った二人を待っていたのは、キャリーヌであった。
「お姉様は?」
「侯爵家で看るそうだ…」
「えっ?何て生意気なの!どうして連れて帰らなかったのよ」
病弱はキャリーヌの特権であるため、倒れたなどというベルアンジュに腹を立て、いたぶってやろうと待ち構えていたのだ。
「ルイフォード殿に言われたんだ…キャリーヌは気に入られているんだよな?」
「そうよ!当たり前じゃない!」
会ったこともないと言われたことは知らないキャリーヌは、姉の婚約者だから一方的に見ただけでも会ったことがある、姉よりに劣ることはないから、気に入るはず、イコール気に入られていると思うことが出来る力を持っている。
「あ!もしかして、お姉様に子どもが産めるか、診て貰うのではないかしら?」
「えっ?」
「きっとそうよ、倒れたんでしょう?だからついで診せるためによ!」
「ああ、そういうことだったのか」
「そうね、調べて置くべきことだものね」
嫁ぐ際に調べる者もおり、珍しいことではないが、キャリーヌは最近、結婚する前に調べて置けばよかったという話を聞いたので、きっとそうだと思い込んだ。
姉に関することで、これまで叶わなかったことはないので、絶対に叶うと自信を持っていた。
「お姉様には私に似た可愛い子どもを、産んで貰わなくちゃいけないんだから、ちょうど良かったわ!そうでしょう?」
「ああ、きっと可愛い子が生まれるさ」
「生まれて来る子の顔が選べたらいいのに~そうしたら、私にそっくりな子を選べるのに。どうして出来ないのかしら?どうにかならないの?」
冗談ではなく、キャリーヌは本気で言っている。
「そう出来たらいいんだがな」
「そうね~キャリーヌに似ている子がいいわよね」
「ええ、ルイフォード様もきっとそう望んでいるはずよ?」
何を言っているんだという会話であるが、通常通りである。
病気ごと受け入れてくれる人がいない。貴族にとって後継は大事な務めで、だからと言って、無理に妊娠出産をさせて、キャリーヌを苦しませたくはない。
だから、まずベルアンジュを嫁がせて、子どもを何人か産ませてから、離縁させて、キャリーヌを嫁がせるという案を出したのは妻だった。
ルイフォードもキャリーヌを気に入っているなら、子どもを作る行為だけして、ベルアンジュを閉じ込めて、キャリーヌと生活をさせればいい。
キャリーヌはベルアンジュがルイフォードに抱かれるのは嫌だとと、大人のようなことを言った時は驚いたが、もう女の子ではなく、女性なのだなと思った。
だが子どもを産ませるには仕方ないのだと言い聞かせて、キャリーヌも納得してくれたのだ。
「病気なのは確かでしょうが、その上、身持ちが悪いなんて誰も求めませんよ?もう帰って貰ってくれ、何を言われても、ベルアンジュはこちらで看る。あと妹とのことを口にしたら、全力で戦わせてもらう」
「えっ、でもキャリーヌはいずれあなたに嫁ぐつもりで」
「は?」
ルイフォードは、なぜそんな話になっているのかが理解が出来ず、頭のおかしい、とんでもない化け物だと思われていることを夫妻は気付けない。
「誰がそんなことを言った?妄想も大概にしろ!天と地がひっくり返っても、キャリーヌ・トアリを私が娶ることはない!」
「ですが!」
「何だ?私がどうして、躾のなっていない君たちの娘の、尻拭いをしなければならない?何の理由がある?」
理由などどこにもない。トアリ伯爵夫妻とキャリーヌの都合のいい妄想に過ぎず、なぜそう思っていたかは、キャリーヌが言っていたからに他ならない。
「帰ってくれ!!」
「「ひぃぃぃ」」
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「お姉様は?」
「侯爵家で看るそうだ…」
「えっ?何て生意気なの!どうして連れて帰らなかったのよ」
病弱はキャリーヌの特権であるため、倒れたなどというベルアンジュに腹を立て、いたぶってやろうと待ち構えていたのだ。
「ルイフォード殿に言われたんだ…キャリーヌは気に入られているんだよな?」
「そうよ!当たり前じゃない!」
会ったこともないと言われたことは知らないキャリーヌは、姉の婚約者だから一方的に見ただけでも会ったことがある、姉よりに劣ることはないから、気に入るはず、イコール気に入られていると思うことが出来る力を持っている。
「あ!もしかして、お姉様に子どもが産めるか、診て貰うのではないかしら?」
「えっ?」
「きっとそうよ、倒れたんでしょう?だからついで診せるためによ!」
「ああ、そういうことだったのか」
「そうね、調べて置くべきことだものね」
嫁ぐ際に調べる者もおり、珍しいことではないが、キャリーヌは最近、結婚する前に調べて置けばよかったという話を聞いたので、きっとそうだと思い込んだ。
姉に関することで、これまで叶わなかったことはないので、絶対に叶うと自信を持っていた。
「お姉様には私に似た可愛い子どもを、産んで貰わなくちゃいけないんだから、ちょうど良かったわ!そうでしょう?」
「ああ、きっと可愛い子が生まれるさ」
「生まれて来る子の顔が選べたらいいのに~そうしたら、私にそっくりな子を選べるのに。どうして出来ないのかしら?どうにかならないの?」
冗談ではなく、キャリーヌは本気で言っている。
「そう出来たらいいんだがな」
「そうね~キャリーヌに似ている子がいいわよね」
「ええ、ルイフォード様もきっとそう望んでいるはずよ?」
何を言っているんだという会話であるが、通常通りである。
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