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これから
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「これから、どうするつもりだったんだ?」
「いずれは入院するつもりでした、それまでにあなたにお伝えしなければと思っていました。まさか、倒れるとは思っておらず…申し訳ありませんでした」
限界までは黙っているつもりではあったが、今まで倒れることはなかったので、想定していなかった。
「いや、可能ならここで過ごしてもらいたいが、難しいだろうか」
「こちらでは難しいと思います。婚約者でもなくなる私の世話など、使用人もしたくないでしょうから」
「そんなことは!」
「薬の量が増えると思うので、同時に貧血で倒れることもおそらく増えます。これ以上の迷惑は掛けられません」
「ようやく、君と面と向かって話が出来るようになったんだ。いつも君の後ろ姿を見ていたんだ…」
悲痛な叫びではあったが、ベルアンジュにはもう何も出来ない。どうするべきかは、どうにもならない身体に聞くべきだろうと、提案をした。
「先生に相談してもいいですか」
「ああ、呼んで来て貰おう」
「そうですね…普通、貴族はそうするんですよね」
「いつも通っていたのか?」
「はい…治療費は掛からなかったことが救いでした。両親は私にお金は出したくないでしょうから」
ルイフォードはクソがという言葉が出そうになったが、グッと堪えた。
モード病院に連絡を取り、リランダ医師を呼ぶと、すぐにやって来て、ベットにいるベルアンジュに駆け寄った。
「大丈夫ですか」
「はい、倒れただけで、その他は変わりありません」
「失礼ですが、トアリ伯爵家に居てもいいことはありませんから、こちらにいらっしゃると聞いて、良かったと思ったくらいです」
「でもずっとこちらというわけには」
「いいえ、検査には来ていただく場合もありますが、その他はこちらで看たいということでしたので、私も賛同しました。あなたは甘えていい方です」
リランダ医師は既にルイフォードから経緯や意向を聞いており、是非ともそうして欲しいと願った。
「命ある限り、したいことをして、生きましょう」
「そうだ、手が必要な時はここならすぐ動ける」
「家族には…?」
両親が許すはずがないと思った。押し掛けてくる可能性すらある。
「病気のことはまだ話していない。ベルアンジュはどうしたい?私は正直、言う必要すらないと感じている」
「はい…役立たずだと言われるのはもう沢山ですね」
部屋にいる者は病状を知っており、全員がクソがと言い出しそうになったが、奥歯を噛みしめて堪えた。
「ならば、疲れが出たのだろうから、こちらで良くなるまで面倒を看ると伝える。何か言って来ても、文句を言える立場ではないだろう」
「婚約は…」
「解消する気はない」
「死別することになります…せめて解消だけでもしてはいただけませんか」
「そうなると、君をここに留めることは難しい。私のことは考えなくていい、お願いだ、ここにいて欲しいだ…」
「ベルアンジュ様、甘えましょう」
ベルアンジュも心苦しくはあったが、後悔を残していなくなるより、従った方がいいと思い、了承することにした。
そして、ベルアンジュはベルーナに手紙を書きたいと言い、ルイフォードも承諾して、ベルーナにも残酷な事実が届けられた。
驚くことに、一週間後にはルイフォードに案内された、赤子と乳母を連れたベルーナがやって来た。
「ベルアンジュ!」
「ベルーナ!?」
まだ貧血の続くベルアンジュは、ベットから出ることは許されず、静かに本を読んでいた。
「あなた、ここへ来て大丈夫なの?」
「大丈夫よ、乳母の子として、語学の試験を受けると言って出て来たの」
「それよりもあなたよ!どうして…ごめんなさい。私、何も知らなくて…」
「それを言うなら、私もだわ」
「いずれは入院するつもりでした、それまでにあなたにお伝えしなければと思っていました。まさか、倒れるとは思っておらず…申し訳ありませんでした」
限界までは黙っているつもりではあったが、今まで倒れることはなかったので、想定していなかった。
「いや、可能ならここで過ごしてもらいたいが、難しいだろうか」
「こちらでは難しいと思います。婚約者でもなくなる私の世話など、使用人もしたくないでしょうから」
「そんなことは!」
「薬の量が増えると思うので、同時に貧血で倒れることもおそらく増えます。これ以上の迷惑は掛けられません」
「ようやく、君と面と向かって話が出来るようになったんだ。いつも君の後ろ姿を見ていたんだ…」
悲痛な叫びではあったが、ベルアンジュにはもう何も出来ない。どうするべきかは、どうにもならない身体に聞くべきだろうと、提案をした。
「先生に相談してもいいですか」
「ああ、呼んで来て貰おう」
「そうですね…普通、貴族はそうするんですよね」
「いつも通っていたのか?」
「はい…治療費は掛からなかったことが救いでした。両親は私にお金は出したくないでしょうから」
ルイフォードはクソがという言葉が出そうになったが、グッと堪えた。
モード病院に連絡を取り、リランダ医師を呼ぶと、すぐにやって来て、ベットにいるベルアンジュに駆け寄った。
「大丈夫ですか」
「はい、倒れただけで、その他は変わりありません」
「失礼ですが、トアリ伯爵家に居てもいいことはありませんから、こちらにいらっしゃると聞いて、良かったと思ったくらいです」
「でもずっとこちらというわけには」
「いいえ、検査には来ていただく場合もありますが、その他はこちらで看たいということでしたので、私も賛同しました。あなたは甘えていい方です」
リランダ医師は既にルイフォードから経緯や意向を聞いており、是非ともそうして欲しいと願った。
「命ある限り、したいことをして、生きましょう」
「そうだ、手が必要な時はここならすぐ動ける」
「家族には…?」
両親が許すはずがないと思った。押し掛けてくる可能性すらある。
「病気のことはまだ話していない。ベルアンジュはどうしたい?私は正直、言う必要すらないと感じている」
「はい…役立たずだと言われるのはもう沢山ですね」
部屋にいる者は病状を知っており、全員がクソがと言い出しそうになったが、奥歯を噛みしめて堪えた。
「ならば、疲れが出たのだろうから、こちらで良くなるまで面倒を看ると伝える。何か言って来ても、文句を言える立場ではないだろう」
「婚約は…」
「解消する気はない」
「死別することになります…せめて解消だけでもしてはいただけませんか」
「そうなると、君をここに留めることは難しい。私のことは考えなくていい、お願いだ、ここにいて欲しいだ…」
「ベルアンジュ様、甘えましょう」
ベルアンジュも心苦しくはあったが、後悔を残していなくなるより、従った方がいいと思い、了承することにした。
そして、ベルアンジュはベルーナに手紙を書きたいと言い、ルイフォードも承諾して、ベルーナにも残酷な事実が届けられた。
驚くことに、一週間後にはルイフォードに案内された、赤子と乳母を連れたベルーナがやって来た。
「ベルアンジュ!」
「ベルーナ!?」
まだ貧血の続くベルアンジュは、ベットから出ることは許されず、静かに本を読んでいた。
「あなた、ここへ来て大丈夫なの?」
「大丈夫よ、乳母の子として、語学の試験を受けると言って出て来たの」
「それよりもあなたよ!どうして…ごめんなさい。私、何も知らなくて…」
「それを言うなら、私もだわ」
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