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父と父2
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ダズベルトもエルドールの言葉をそのまま信じるはずもなく、周りに話を聞き、どういった関係性なのかを第三者から調べさせている。
そもそも婚約者同士の王子と公爵令嬢のいる際に、同席していることがまずおかしい。本当に男爵令嬢が弁えていないというのか?女性のことは儂よりもオーバンの方が、適役であるために、すぐに相談しなくてはならないと考えていた。
「どういうことですか?」
「ヨルレアン嬢が怒鳴った際に、男爵令嬢でありながら、Sクラスで、生徒会にも書記として入ったことで、調子に乗るなとジャスミン・シックスたちに言われておったそうだ。そんなもの、令嬢なら通過行事みたいなものだろう?」
「まさか、それをヨルに庇うように言っていたのですか?」
そんなことで公爵令嬢であるヨルレアンが、なぜ知りもしない男爵令嬢を庇えと言っていたのかと驚愕した。
男爵令嬢にとっては、シックスということは侯爵令嬢で、言い返すのは難しいかもしれないが、Sクラスに加えて生徒会に入った以上、その程度の妬みは起こるのは、貴族令嬢としては分かっていただろう。
そのようなことも想定が出来ない者は、男爵家だとしても、あり得ないだろう。
「知らなかったのか?」
「はい、ヨルは内容までは聞いておらず、知らないそうです」
「ああ、それでいい。なぜヨルレアン嬢が、ただクラスが同じだけの男爵令嬢を庇わないといけないのか、儂にはさっぱり分からん」
「はい…」
ダリーツは改めて、エルドールが咎める理由が分からないと感じた。
「あれの考えはおかしい。婚約解消までは思っていなかった、注意したかったなどと言っていたが、儂は解消でも仕方ないと思っている。だが、まずは保留としては貰えぬだろうか?」
「しばらくは大丈夫だとは思いますが、これ以上、何か起きれば、ヨルレアンがお母様に話すと言っておりましたので」
実はオズラール公爵家は色々、複雑な家庭事情となっている。
ヨルレアンには妹と弟がいるが、母と妹は一緒に住んでおらず、弟は本邸で父と一緒に暮らしている。
「ああ、そうなることも想定している。まだ言っていないだけでも有難いくらいだ。まずはその男爵令嬢を調べさせ、あの馬鹿息子は自覚させる」
「承知しました、母親にはこちらから経緯を伝えて置きます」
明らかにエルドールはその男爵令嬢に入れ込んでいるのか、格好いいところを見せたいのか知らないが、ヨルレアンを敵に回して、何がしたいのか。
「すまないが、よろしく頼む。ヨルレアンの成績優秀者のことは話をした」
「したのですか?」
ダリーツもヨルレアンの事情は、エルドールが要らぬ敵意、劣等感を持ってはいけないからと、話していないことを知っていた。
「ああ、あまりに分かっていない様子に、愚か者はお前だと知らしめておくべきだと思ってな。ポカーンとしておったわ。それで今は解読をやらせている」
「え?解読を?」
「ああ、配慮だの、責任だの言っておったから、お前が配慮して責任を取れとな」
「それは…ご愁傷様としか言えませんね」
「当然のことだ。ヨルレアン嬢の苦労を少しでも知ればいい。訳の分からん考えを、叩き直す!」
ダズベルトも、ダリーツもエルドールがこれまで愚かだとは思っていなかった。だが、学園に通うようになって、変化が起きたのかもしれないと考えていた。
「陛下…言い辛いのですが、ヨルレアンから『ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません』とのことです」
「っぐ…」
ダズベルトは強く目を閉じ、やり切れない表情をし、落ち着いた声で言った。
「それはこちらの台詞だ」
そしてダズベルトは、エルドールに何か問題が見付かっても、隠すことなく、ダリーツに伝えると約束して二人の話し合いは終わった。
そもそも婚約者同士の王子と公爵令嬢のいる際に、同席していることがまずおかしい。本当に男爵令嬢が弁えていないというのか?女性のことは儂よりもオーバンの方が、適役であるために、すぐに相談しなくてはならないと考えていた。
「どういうことですか?」
「ヨルレアン嬢が怒鳴った際に、男爵令嬢でありながら、Sクラスで、生徒会にも書記として入ったことで、調子に乗るなとジャスミン・シックスたちに言われておったそうだ。そんなもの、令嬢なら通過行事みたいなものだろう?」
「まさか、それをヨルに庇うように言っていたのですか?」
そんなことで公爵令嬢であるヨルレアンが、なぜ知りもしない男爵令嬢を庇えと言っていたのかと驚愕した。
男爵令嬢にとっては、シックスということは侯爵令嬢で、言い返すのは難しいかもしれないが、Sクラスに加えて生徒会に入った以上、その程度の妬みは起こるのは、貴族令嬢としては分かっていただろう。
そのようなことも想定が出来ない者は、男爵家だとしても、あり得ないだろう。
「知らなかったのか?」
「はい、ヨルは内容までは聞いておらず、知らないそうです」
「ああ、それでいい。なぜヨルレアン嬢が、ただクラスが同じだけの男爵令嬢を庇わないといけないのか、儂にはさっぱり分からん」
「はい…」
ダリーツは改めて、エルドールが咎める理由が分からないと感じた。
「あれの考えはおかしい。婚約解消までは思っていなかった、注意したかったなどと言っていたが、儂は解消でも仕方ないと思っている。だが、まずは保留としては貰えぬだろうか?」
「しばらくは大丈夫だとは思いますが、これ以上、何か起きれば、ヨルレアンがお母様に話すと言っておりましたので」
実はオズラール公爵家は色々、複雑な家庭事情となっている。
ヨルレアンには妹と弟がいるが、母と妹は一緒に住んでおらず、弟は本邸で父と一緒に暮らしている。
「ああ、そうなることも想定している。まだ言っていないだけでも有難いくらいだ。まずはその男爵令嬢を調べさせ、あの馬鹿息子は自覚させる」
「承知しました、母親にはこちらから経緯を伝えて置きます」
明らかにエルドールはその男爵令嬢に入れ込んでいるのか、格好いいところを見せたいのか知らないが、ヨルレアンを敵に回して、何がしたいのか。
「すまないが、よろしく頼む。ヨルレアンの成績優秀者のことは話をした」
「したのですか?」
ダリーツもヨルレアンの事情は、エルドールが要らぬ敵意、劣等感を持ってはいけないからと、話していないことを知っていた。
「ああ、あまりに分かっていない様子に、愚か者はお前だと知らしめておくべきだと思ってな。ポカーンとしておったわ。それで今は解読をやらせている」
「え?解読を?」
「ああ、配慮だの、責任だの言っておったから、お前が配慮して責任を取れとな」
「それは…ご愁傷様としか言えませんね」
「当然のことだ。ヨルレアン嬢の苦労を少しでも知ればいい。訳の分からん考えを、叩き直す!」
ダズベルトも、ダリーツもエルドールがこれまで愚かだとは思っていなかった。だが、学園に通うようになって、変化が起きたのかもしれないと考えていた。
「陛下…言い辛いのですが、ヨルレアンから『ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません』とのことです」
「っぐ…」
ダズベルトは強く目を閉じ、やり切れない表情をし、落ち着いた声で言った。
「それはこちらの台詞だ」
そしてダズベルトは、エルドールに何か問題が見付かっても、隠すことなく、ダリーツに伝えると約束して二人の話し合いは終わった。
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