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王太子1
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「どうしたものか……」
「オルトはそのようなことを思っていたなんて、あの子はレルスを支えたいと思っていたのだけど、私の思い込みだったのですね」
ケリーはオルトが不満に思っているなど、考えたこともなかった。
ファリスもケリーは気付いていないと思っていたために、確証があるまで言うことはなかった。
「思っているとしても、オルトが言って来たことはないんだよ」
「そうなのですか?言えないとは思っているのかしら」
「だからこそ、王女を婚約者にと考えたのかもしれない……」
「周りからと言うことですの?そんなやり方は、好きではありませんわ」
王太子になりたいと言うのではなく、婚約者が王女だからと、レルスよりも王太子に相応しいと思わせたかったのかと、不愉快なやり方だと感じた。
「だからこそ、今なら白紙にして考え直すことができるだろう。明日、オルトに話をしてみようではないか」
「そうですわね」
翌日、まずはオルトの教師たちに成績と評価を聞いてみると、ファリスと同じで決断力はあるということと、ハッキリ意見が言えることは長所である。
だが、感情を優先すると高圧的な物言いをすることがあるので、短所になる場合があるということであった。
ケリーと共にレルスのことは伏せて、オルトを呼び出して聞くことにした。
「何でしょうか」
「オルトは婚約者はどう考えている?」
「婚約者ですか?」
「レルスが婚約を考えているようでな。だから、オルトの意向も聞いておこうと思ったんだ。それで、どうだ?」
オルトは婚約者候補とは毎回ではないが、同席して交流はしているが、狙っているのはレルスの婚約者であることは分かっている。
だからこそ、どこが穿った目で見ており、国内の令嬢は価値も高くないために、選ぶつもりはなかった。
「ああ、今も王女を望むか?」
「はい、可能であれば王女が良いです」
「年上年下でも構わない?」
「10歳以上と言われると困りますが、多少であれば、構いません」
「そう、分かったわ。でもそうなると、レルスもやはり他国の王女のほうがいいのかしらね」
「そうだな」
ファリスとケリーはオルトには王太子の話ではなく、婚約者の話をしてから、気持ちを確認してみようということになっていた。
「っえ」
「オルトもそう思わないか?」
「兄上は別に国内でも構わないのではありませんか?」
オルトの顔色は明らかに焦った様子になり、ケリーは本当だったのかと、頭を抱えたくなるのを我慢した。
「そうか?だが、オルトの婚約者が王女なら、関係性的にも王女の方がいいと思わないか?」
「ですが」
「何だ?」
「兄上は王太子ですから、相手は誰でもいいのではありませんか」
「王太子だからこそだろう?」
自分は王女を望むが、レルスには国内の貴族令嬢と思っている様子に、やはり優位に立ちたいのかと、疑惑を深めることになった。
「でも」
「お前の方が王女で、レルスが貴族令嬢だと、王太子に相応しいと言い出すかもしれぬだろう?そんなことになれば、お前も困るのではないか」
「っ、それは」
「困ることはないか?王太子になりたいのか?」
言葉に詰まる様子に、ファリスは畳み掛けることにした。
「いえ、覚悟はしておりますが、兄上を押し退けてとは思っておりません」
「そうか、そうだったのか……覚悟はあるのだな?」
「は、はい。ですが、王太子は兄上です」
「だが、お前もレルスが同じ年に受けた教育は受けているだろう?」
「はい、ですが……兄上は」
オルトは不満を持ってはいたが、レルスを蹴落として敵に回したくはない。だからこそ、自分ではなく婚約者の差で、自分が立太子するのが理想であった。
そうなれば、オルトのせいではなく、責任はないというのも都合が良かった。
「オルトはそのようなことを思っていたなんて、あの子はレルスを支えたいと思っていたのだけど、私の思い込みだったのですね」
ケリーはオルトが不満に思っているなど、考えたこともなかった。
ファリスもケリーは気付いていないと思っていたために、確証があるまで言うことはなかった。
「思っているとしても、オルトが言って来たことはないんだよ」
「そうなのですか?言えないとは思っているのかしら」
「だからこそ、王女を婚約者にと考えたのかもしれない……」
「周りからと言うことですの?そんなやり方は、好きではありませんわ」
王太子になりたいと言うのではなく、婚約者が王女だからと、レルスよりも王太子に相応しいと思わせたかったのかと、不愉快なやり方だと感じた。
「だからこそ、今なら白紙にして考え直すことができるだろう。明日、オルトに話をしてみようではないか」
「そうですわね」
翌日、まずはオルトの教師たちに成績と評価を聞いてみると、ファリスと同じで決断力はあるということと、ハッキリ意見が言えることは長所である。
だが、感情を優先すると高圧的な物言いをすることがあるので、短所になる場合があるということであった。
ケリーと共にレルスのことは伏せて、オルトを呼び出して聞くことにした。
「何でしょうか」
「オルトは婚約者はどう考えている?」
「婚約者ですか?」
「レルスが婚約を考えているようでな。だから、オルトの意向も聞いておこうと思ったんだ。それで、どうだ?」
オルトは婚約者候補とは毎回ではないが、同席して交流はしているが、狙っているのはレルスの婚約者であることは分かっている。
だからこそ、どこが穿った目で見ており、国内の令嬢は価値も高くないために、選ぶつもりはなかった。
「ああ、今も王女を望むか?」
「はい、可能であれば王女が良いです」
「年上年下でも構わない?」
「10歳以上と言われると困りますが、多少であれば、構いません」
「そう、分かったわ。でもそうなると、レルスもやはり他国の王女のほうがいいのかしらね」
「そうだな」
ファリスとケリーはオルトには王太子の話ではなく、婚約者の話をしてから、気持ちを確認してみようということになっていた。
「っえ」
「オルトもそう思わないか?」
「兄上は別に国内でも構わないのではありませんか?」
オルトの顔色は明らかに焦った様子になり、ケリーは本当だったのかと、頭を抱えたくなるのを我慢した。
「そうか?だが、オルトの婚約者が王女なら、関係性的にも王女の方がいいと思わないか?」
「ですが」
「何だ?」
「兄上は王太子ですから、相手は誰でもいいのではありませんか」
「王太子だからこそだろう?」
自分は王女を望むが、レルスには国内の貴族令嬢と思っている様子に、やはり優位に立ちたいのかと、疑惑を深めることになった。
「でも」
「お前の方が王女で、レルスが貴族令嬢だと、王太子に相応しいと言い出すかもしれぬだろう?そんなことになれば、お前も困るのではないか」
「っ、それは」
「困ることはないか?王太子になりたいのか?」
言葉に詰まる様子に、ファリスは畳み掛けることにした。
「いえ、覚悟はしておりますが、兄上を押し退けてとは思っておりません」
「そうか、そうだったのか……覚悟はあるのだな?」
「は、はい。ですが、王太子は兄上です」
「だが、お前もレルスが同じ年に受けた教育は受けているだろう?」
「はい、ですが……兄上は」
オルトは不満を持ってはいたが、レルスを蹴落として敵に回したくはない。だからこそ、自分ではなく婚約者の差で、自分が立太子するのが理想であった。
そうなれば、オルトのせいではなく、責任はないというのも都合が良かった。
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