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真相1
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ジルバードとララ、シュアリーとルカスにはリラがジルバードを狂気的に愛していたこと、だが詳細は伯爵夫妻と本人に話を聞いてから、追って説明することを伝えて、今日は帰らせることにした。
「お姉様。話がしたいの」
「ええ、分かったわ。この件が片付いたら、話し合いをしましょう」
「絶対よ、約束」
「ええ」
ようやくシュアリーとルカスは、アウラージュに話が出来る機会を持つことが出来ることとなり、大人しく帰って行った。
ブライン伯爵夫妻がようやく現れたのは3日後であった。げっそりしている夫妻からアウラージュ、アルバート、そして騎士団長が話を聞くことになった。
「「申し訳ございませんでした」」
「体調はいかがですか」
「はい、もう回復しております。急に体調を崩しまして。おそらく…リラが何かしたのでしょう。屋敷の者も腹痛で、すぐにも参りたかったのですが、動けず、申し訳ございません」
リラは食事に自身に処方され、隠し持っていた大量の下剤を混ぜていた。
「では手早く済ませましょう。早速、質問させていただきます。なぜ、学園に入れたのです?あの様子は分かっていたでしょう」
「はい…その通りです。ですので、本来での年齢で入学は大暴れしましたが、させませんでした。ですが、バートラ公爵令息様は卒業されて、もう心配することはないでしょうと言い出しまして」
領地にある伯爵家は異様なほど高い壁に囲まれ、警備が異常に厳重となっていた。周りにも近づくなと言いたいかのようである。
「諦めたと思われた?」
「そう思いたかっただけかもしれませんが、公爵家の方に簡単に会うことはないだろうと思ったのもあります。きちんと送り迎えをして、一度でも迎えの際にいなければ、もう通わせないと言っておりました。もしかしたら、学園に通うことで、いい影響を受けることもあるかと期待もありました…」
「そうですか、ジルバードに会ったのはこの前の夜会だけでしょう」
公爵邸に行ったりしていたかもしれないが、バートラ公爵家からもジルバードとリラが接触したようなことはないと報告を受けている。
「なぜ、ジルバードを愛すようになったのかは分かりますか」
「はい、あれはリラが6歳の時のお茶会でした。バートラ公爵令息様もいらしており、そこで躓いた娘を助けてくれたそうです。それがきっかけです。ジルバード様と結婚する、ジルバード様も私を好きだと言ってくれたと言い出し、そのようなことをバートラ公爵家に聞くわけにいきませんから、本当ならいずれ婚約して欲しいと言ってくださるはずだと言っておりました」
「でもララと婚約した」
ジルバードとララは5つ離れている、婚約したのは15歳と10歳の時である。
「はい、怒り狂って、掴み掛かったり、噛み付いたり、目に入った物を投げつけ、何かの間違いだ、ララ様と私を勘違いしていると。そんなことはない、お前の方が勘違いだったのだと言っても、一切納得しませんでした。飛び出して行ったり、大声で喚きながら走り回ったりするようになりまして、勝手に公爵家に行き兼ねない状況でしたので、領地に移り、病気だと言って閉じ込めておりました」
「大変でしたね…」
騎士団長は同じ年頃の子を持つ親の立場である、酷く渋い顔をして同情している。
確かに伯爵夫妻は腹痛以前に2人とも痩せ過ぎており、これまでの苦労を感じる。きっと食欲なんてなかっただろう。夫妻は領地でずっとリラの面倒を看ており、王都で伯爵の両親が、3つ年下のリラの弟を育てていた。リラが入学してからは両親が領地に行き、家族揃って暮らすようになっていたそうだ。
「学園で自由にすべきだという思想をばら撒いていたことはご存知ですか」
「人伝てに伺いました。申し訳ないと、なぜそのようなことをしたのか聞いても、自由の何が悪いのか、貴族は辛そうに毎日生きている、苦痛から救ってあげるなどと言い、話を聞きませんでした。もう通わせるのは止めようと妻と話していたのです、リラにもこのままでは通えなくなることは伝えました」
あれから学園長には呼び出されてはいないが、ここまで娘に気を揉んでいた両親が知らないはずはなかった。リラも相当焦っていたのではないか。
「お姉様。話がしたいの」
「ええ、分かったわ。この件が片付いたら、話し合いをしましょう」
「絶対よ、約束」
「ええ」
ようやくシュアリーとルカスは、アウラージュに話が出来る機会を持つことが出来ることとなり、大人しく帰って行った。
ブライン伯爵夫妻がようやく現れたのは3日後であった。げっそりしている夫妻からアウラージュ、アルバート、そして騎士団長が話を聞くことになった。
「「申し訳ございませんでした」」
「体調はいかがですか」
「はい、もう回復しております。急に体調を崩しまして。おそらく…リラが何かしたのでしょう。屋敷の者も腹痛で、すぐにも参りたかったのですが、動けず、申し訳ございません」
リラは食事に自身に処方され、隠し持っていた大量の下剤を混ぜていた。
「では手早く済ませましょう。早速、質問させていただきます。なぜ、学園に入れたのです?あの様子は分かっていたでしょう」
「はい…その通りです。ですので、本来での年齢で入学は大暴れしましたが、させませんでした。ですが、バートラ公爵令息様は卒業されて、もう心配することはないでしょうと言い出しまして」
領地にある伯爵家は異様なほど高い壁に囲まれ、警備が異常に厳重となっていた。周りにも近づくなと言いたいかのようである。
「諦めたと思われた?」
「そう思いたかっただけかもしれませんが、公爵家の方に簡単に会うことはないだろうと思ったのもあります。きちんと送り迎えをして、一度でも迎えの際にいなければ、もう通わせないと言っておりました。もしかしたら、学園に通うことで、いい影響を受けることもあるかと期待もありました…」
「そうですか、ジルバードに会ったのはこの前の夜会だけでしょう」
公爵邸に行ったりしていたかもしれないが、バートラ公爵家からもジルバードとリラが接触したようなことはないと報告を受けている。
「なぜ、ジルバードを愛すようになったのかは分かりますか」
「はい、あれはリラが6歳の時のお茶会でした。バートラ公爵令息様もいらしており、そこで躓いた娘を助けてくれたそうです。それがきっかけです。ジルバード様と結婚する、ジルバード様も私を好きだと言ってくれたと言い出し、そのようなことをバートラ公爵家に聞くわけにいきませんから、本当ならいずれ婚約して欲しいと言ってくださるはずだと言っておりました」
「でもララと婚約した」
ジルバードとララは5つ離れている、婚約したのは15歳と10歳の時である。
「はい、怒り狂って、掴み掛かったり、噛み付いたり、目に入った物を投げつけ、何かの間違いだ、ララ様と私を勘違いしていると。そんなことはない、お前の方が勘違いだったのだと言っても、一切納得しませんでした。飛び出して行ったり、大声で喚きながら走り回ったりするようになりまして、勝手に公爵家に行き兼ねない状況でしたので、領地に移り、病気だと言って閉じ込めておりました」
「大変でしたね…」
騎士団長は同じ年頃の子を持つ親の立場である、酷く渋い顔をして同情している。
確かに伯爵夫妻は腹痛以前に2人とも痩せ過ぎており、これまでの苦労を感じる。きっと食欲なんてなかっただろう。夫妻は領地でずっとリラの面倒を看ており、王都で伯爵の両親が、3つ年下のリラの弟を育てていた。リラが入学してからは両親が領地に行き、家族揃って暮らすようになっていたそうだ。
「学園で自由にすべきだという思想をばら撒いていたことはご存知ですか」
「人伝てに伺いました。申し訳ないと、なぜそのようなことをしたのか聞いても、自由の何が悪いのか、貴族は辛そうに毎日生きている、苦痛から救ってあげるなどと言い、話を聞きませんでした。もう通わせるのは止めようと妻と話していたのです、リラにもこのままでは通えなくなることは伝えました」
あれから学園長には呼び出されてはいないが、ここまで娘に気を揉んでいた両親が知らないはずはなかった。リラも相当焦っていたのではないか。
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