【完結】悪意か、善意か、破滅か

野村にれ

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過ち

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「やはりそうでしたか。憶測で失礼かと思ったのですが、国が大変だと聞いている時に、こちらに来るなど、逃げて来たのではないかと考えておりました」
「おそらくそうだと思います、申し訳ございません」

 ケラーは再び頭を下げ、ルークアも同様に下げた。

「オルタナ王国でレオラッド大公閣下、ジェラルド・フォンターナ様、王妃陛下にも不躾な態度を取って、子息様に求婚したとのことですが、あの子は既にオルタナ王国に入国すら出来ません」
「そ、そうだったのですか」

 やはりジェラルド・フォンターナにも、話を聞きに行ったのだと思った。

 しかも、入国が出来ないなど、相手が悪かったこともあるが、余程のことをしたのだろう。

「本人も分かっているのですよね?」
「はい、話しております。実はオルタナ王国にも忙しいので会えないと言うことだったのに、無理矢理に向かい、今回と同じです。あまり他国と交流がなかったことで、ちやほやされたこともあったものですから、いくら入国が出来ないなどとなっても、それ以上に自分が価値のある存在だと勘違いしているのです」

 オイスラッドも、バトワスもケラーは既に怒っていたのだろうと思った。

「そうだったのですか…」
「今でも縁談があると思っているような愚か者です」

 バトワスも以前であれば、いくらでも縁談があるのだろうと思っていたが、今となっては年齢もあるが、それ以上に国としても利益のない、メーリン王女を娶ろうとは思わないだろうと感じた。

「こちらで罰していただいてもいいのですが、邪魔でしかないと思いますので、我が国で同様の処罰を受けさせるということで、アジェル王国には納得していただけますでしょうか。勿論、罰金や慰謝料は請求していただいて構いません」
「禁固刑ということですか?」

 バトワスは幽閉や、それこそアマリリスのようにどこかに追い出すのかと思ったが、アマリリスよりも悪質であるためにそのくらいしなければ許されないのかもしれないとも考えた。

「はい、二十年以上。年数もそちらで決めていただいて構いません」
「オルタナ王国には?」

 オイスラッドは事件を起こしたのは、我が国ではあるが、被害者はオルタナ王国の大公子息であるというややこしい状況に訊ねることにした。

「オルタナ王国には、おそらく会っては貰えないと思うので、既に謝罪文は送りました。もしも、あちらから罰を受けることになれば、そちらも追加いたします」
「そうですか」

 確かにオズワルド・フォンターナのこともあるために、悪い話ではなかった。

「では、我が国の罰則として、恩赦なしの禁固二十年とさせていただきます」

 オイスラッドはアジェル王国の過去の罰則から、二十年と判断した。そして、勘違いしただけでも、こういった者は恩赦は適用されない。

「承知いたしました」
「国王陛下も同意されているのですよね?」
「いえ、国王は死罪にしろと申しております」

 驚いた表情を見せたのはオイスラッド、バトワス以上に、ルークアであった。その表情を見たバトワスは、聞かされていなかったのだろうと思った。

「ですが、死罪となれば、アジェル王国もオルタナ王国も気分がいいものではないと、私は思いますので、説得いたします」
「そうですね…」

 監禁した、性行為を強要したというのであれば、相手のこともあるためにやむを得ないと思うが、さすがに即刻死罪というのは受け入れ難かった。

「ですが、オルタナ王国から死罪を望まれることであれば、実行いたします。二度も迷惑を掛けるなど、あり得ぬことですから」
「分かりました」
「では、お連れしようと思いますが、おそらく誤解、間違えた、向こうが十四歳なのが悪いなどと言うと思いますが、我が国としては話し合いをする気はありませんので、よろしくお願いいたします」

 その言葉に、ケラーとルークアはさらに絶望した。
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