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意識改革
ルーフランは再起不能になったのか、項垂れ動かなくなってしまっている。
「私も自由恋愛は解消できるようにすべきだと思う。だが、苦汁を飲まされた者がいるのも事実だ。反発で正直どうなるかが読めない」
「離縁するなりでよろしいのではありませんか」
「そうなれば、多くの者が離縁するのではないか」
「そうなるかもしれませんが、新しい一歩だと思えばいいのではありませんか」
反発があっても、どこかで変えなければ、変えることは出来ないのではないか。
「愚かな私の先祖のせいでこうなったことも遺憾に思ってはいるのだ。上手くいっている夫婦を探す方が難しく、君のように白い結婚、別居、子どもを作らないことも多いのも現実だ。私が率先して、婚約者だけを大事にする姿を見せようと思い…」
何か出来ることからというわけではないが、アレヴァーは婚約者であるレアリを愛していた。伯爵令嬢ではあったが、皆の賛同得て、婚約者となった。
仲睦まじい姿、互いを想い合う素晴らしさを積極的に見せてきたつもりだった。
「はい、殿下は反自由恋愛派の令嬢には、評判がいいと思います」
「少しずつでも意識を変えようと思っている。他国では不貞となるのに、我が国では自由恋愛、呼び名を変えて、罪を軽くしている。そう思っているのだろう?」
「はい、その通りです」
「だが、ルーフランの場合は特殊だったのだ。これが他国でも考える余地くらいはあるのではないだろうか」
「はい。ですので、白い結婚と別居でいいのではと申し上げました」
「そうか…出来れば、私の願いでもあると、少しでもいいので考えてやって欲しい」
「…承知しました」
その日はお暇することになり、帰りの馬車はルーフランの懺悔大会であった。
「君に嫌われたくなかった」
「嫌われると思いながらも、許してくれると願ってしまっていた」
「あの時だけなのだ、もう二度としない」
カナンは生活音の様に聞き流して、邸まで送って貰った。そして、またこちらから、改めてご連絡しますと言い、お疲れ様でしたと言わんばかりに去った。
ルーフランの落ち込みは日に日に酷く、もちろんカナンからの連絡はない。アレヴァーもきっかけを作った自分に責任を感じていた。
その様子をレアリにも気付かれてしまった。
「どうかされましたか」
「ああ、ルーフランのことをね」
「あまり顔色が良くありませんでしたね」
「婚約者と揉めてしまってね、どうしたらいいのかと、きっかけを作った私も責任を感じているのだよ」
「お話になったのですか」
レアも当事者であるため、何があったか知っており、自身もおかしくなるほど苦しい思いもした。だが、このことで嫌味な王女がいなくなってくれたことだけは、良かったと思っていた。
伯爵令嬢であることから、非常に馬鹿にして、高慢な女性であった。側妃として、苦労して、思いを感じて欲しいと思っている。
「ああ、嘘偽りなく話したつもりだが、不快なことに違いはないだろうからね」
「そうですわね、でも理解してくれるのではありませんか」
レアリはカナンが心の広い寛容な令嬢だと信じていた。
「難しいかもしれない。宰相の娘だからね、口下手なルーフランでは歯が立たない」
「ですが、仕方ないと言いたくありませんが、選択肢がなかったと思えば」
「レアリならどうだい?許せるかい?」
「ええ、嫉妬はしてしまいますが、受け入れると思います」
「そうか…」
レアリがそうだからと言って、それをカナンに押し付けることは出来ない。それではまさに自由恋愛をしていた者の考えと同じではないか。
「婚約解消を望まれているのですか」
「ああ、もしくは白い結婚と別居」
「ですが、あちらは公爵家ですよ。そのようなことが通るのですか」
「通るというよりは、通すだろうね。彼女なら」
レアリはカナンの異能を知らない。むやみに聞くようなことではないからである。
「そうなのですか…ルーフラン様はどうなるのでしょうか。あれだけ頑張って来られたのに、結婚がこんな結果ではお心が心配ですね」
「ああ、参ったな…」
レアリもアレヴァーをルーフランが手伝い、公爵家のこともしながらであったため、行ったり来たりと忙しくしていたことを見ていた。
「私も自由恋愛は解消できるようにすべきだと思う。だが、苦汁を飲まされた者がいるのも事実だ。反発で正直どうなるかが読めない」
「離縁するなりでよろしいのではありませんか」
「そうなれば、多くの者が離縁するのではないか」
「そうなるかもしれませんが、新しい一歩だと思えばいいのではありませんか」
反発があっても、どこかで変えなければ、変えることは出来ないのではないか。
「愚かな私の先祖のせいでこうなったことも遺憾に思ってはいるのだ。上手くいっている夫婦を探す方が難しく、君のように白い結婚、別居、子どもを作らないことも多いのも現実だ。私が率先して、婚約者だけを大事にする姿を見せようと思い…」
何か出来ることからというわけではないが、アレヴァーは婚約者であるレアリを愛していた。伯爵令嬢ではあったが、皆の賛同得て、婚約者となった。
仲睦まじい姿、互いを想い合う素晴らしさを積極的に見せてきたつもりだった。
「はい、殿下は反自由恋愛派の令嬢には、評判がいいと思います」
「少しずつでも意識を変えようと思っている。他国では不貞となるのに、我が国では自由恋愛、呼び名を変えて、罪を軽くしている。そう思っているのだろう?」
「はい、その通りです」
「だが、ルーフランの場合は特殊だったのだ。これが他国でも考える余地くらいはあるのではないだろうか」
「はい。ですので、白い結婚と別居でいいのではと申し上げました」
「そうか…出来れば、私の願いでもあると、少しでもいいので考えてやって欲しい」
「…承知しました」
その日はお暇することになり、帰りの馬車はルーフランの懺悔大会であった。
「君に嫌われたくなかった」
「嫌われると思いながらも、許してくれると願ってしまっていた」
「あの時だけなのだ、もう二度としない」
カナンは生活音の様に聞き流して、邸まで送って貰った。そして、またこちらから、改めてご連絡しますと言い、お疲れ様でしたと言わんばかりに去った。
ルーフランの落ち込みは日に日に酷く、もちろんカナンからの連絡はない。アレヴァーもきっかけを作った自分に責任を感じていた。
その様子をレアリにも気付かれてしまった。
「どうかされましたか」
「ああ、ルーフランのことをね」
「あまり顔色が良くありませんでしたね」
「婚約者と揉めてしまってね、どうしたらいいのかと、きっかけを作った私も責任を感じているのだよ」
「お話になったのですか」
レアも当事者であるため、何があったか知っており、自身もおかしくなるほど苦しい思いもした。だが、このことで嫌味な王女がいなくなってくれたことだけは、良かったと思っていた。
伯爵令嬢であることから、非常に馬鹿にして、高慢な女性であった。側妃として、苦労して、思いを感じて欲しいと思っている。
「ああ、嘘偽りなく話したつもりだが、不快なことに違いはないだろうからね」
「そうですわね、でも理解してくれるのではありませんか」
レアリはカナンが心の広い寛容な令嬢だと信じていた。
「難しいかもしれない。宰相の娘だからね、口下手なルーフランでは歯が立たない」
「ですが、仕方ないと言いたくありませんが、選択肢がなかったと思えば」
「レアリならどうだい?許せるかい?」
「ええ、嫉妬はしてしまいますが、受け入れると思います」
「そうか…」
レアリがそうだからと言って、それをカナンに押し付けることは出来ない。それではまさに自由恋愛をしていた者の考えと同じではないか。
「婚約解消を望まれているのですか」
「ああ、もしくは白い結婚と別居」
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「通るというよりは、通すだろうね。彼女なら」
レアリはカナンの異能を知らない。むやみに聞くようなことではないからである。
「そうなのですか…ルーフラン様はどうなるのでしょうか。あれだけ頑張って来られたのに、結婚がこんな結果ではお心が心配ですね」
「ああ、参ったな…」
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