7 / 67
再び縁談
しおりを挟む
「公爵家!?縁談…」
父の執務室の前でアデリーナは偶然、聞いてしまった。飛び込んでしまいたかったが、はしたないので止めた。堪え切れない笑みを浮かべながら、自室でまた公爵家から縁談が来ているのだと喜んでいた。
マスタール家は正義の印象が強く、3人の正義感から融通が利かない、気が強いと思われ、特別人気が高いというわけではない。
そして縁談とはいえ、どうしても彼を彼女をという場合と、まだ婚約者のいない者たちで、いかがだろうかと言って組まれた縁談がる。
アデリーナの場合はフォリッチ公爵家も、エネジア侯爵家も後者であり、前者の場合は相手から聞かされる場合もあるが、後者でも本人に知らされるわけではない。縁談がたくさんある=人気があるというわけでもない。むしろ、縁談があって、顔合わせもしたが、決まらない方が問題なのだ。
アデリーナは公爵家となれば、5つしかなく、1つは断れたため、残りは4つとなる。年頃で婚約者のいない公爵家となれば、ホリスト公爵家、もしくはあまりうまくいっていないという噂のワルド公爵家の可能性もある。ビオ公爵家もいるにはいるが、4つか5つ年下のはずだ。
「家柄はホリストでもいいけど、出来ればジェイス様が良いわよね。あの方が私の横に並べば完璧じゃない」
ジェイス・ワルド公爵令息。いつも背筋がよく、凛々しく、長身で、口数は少ないが、令嬢に人気の令息である。アデリーナも同級生ではあったが、既に一つ年下のグルドア侯爵家の令嬢、キアーナと婚約中であったため、あまり話す機会もなかった。言い寄ったり、不貞など、マスタールの名に恥じることは出来ない。
ジェイスもキアーヌも卒業しており、結婚してもいいのだが、まだ結婚してない。そして、キアーナは騎士家系で、現在騎士をしている。結婚しても続けられるが、子どもを産むことになれば、騎士を休まなくてはならない。それで結婚が伸びており、上手く言っていないという噂が出ている。
そうなのではないかという噂なのだが、自分の世界に入ったアデリーナは自分の都合のいいように、相手を作り上げていた。
「んもう、私ならいくらでも産んであげるのに。なんて女なのかしら」
キアーナは騎士をしていることから、ジェイスと並んでもぴったりと重なるような美しい令嬢なのではあるが、アデリーナにとっては邪魔な存在なのである。
その日を境にアイレットに敵意を向けることを止め、アデリーナの機嫌はようやく良くなった。
「アデリーナ良いことでもあったのか?」
「いいえ、あまり怒っていいても、自分の価値を下げるだけだとフィースト兄様が言ったんじゃない」
「そうか、それなら良かった」
まだ父から言われてもいないのに、先にフィーストに話すことは出来ない。
「そういえば、兄様の方はどうなりそうなの?ルミナ嬢は」
「ああ、父上が動いてくださったのだが、自殺未遂の方はそのまま療養となり、もう一人は助け出すことは出来たのだが、結局は同じく療養になってしまったようだ。ルミナとは、まだ何とも言えないところだな」
「そんなに悪質だったの?」
「ああ、家族を盾に脅して愛人にしていたようだ」
裕福な子爵令息が結婚もせず、男爵令嬢をまだ幼い妹がいる家族のことで脅して、愛人にしていたそうだ。
令嬢は家族に使用人として雇ってもらうことになったと嘘を付いており、家族は何も知らなかった。助け出された時、彼女は心身ともに衰弱状態で、家族は気付いてやれなくてすまなかったと、弱った彼女を支えているそうだ。
子爵夫妻は知らなかったと言っていたが、調査中である。ただし子爵令息が嫌がらせを行っていたこと、脅して使用人という名の愛人にして、衰弱させたことは事実であるため、罪に問われることになる。
父の執務室の前でアデリーナは偶然、聞いてしまった。飛び込んでしまいたかったが、はしたないので止めた。堪え切れない笑みを浮かべながら、自室でまた公爵家から縁談が来ているのだと喜んでいた。
マスタール家は正義の印象が強く、3人の正義感から融通が利かない、気が強いと思われ、特別人気が高いというわけではない。
そして縁談とはいえ、どうしても彼を彼女をという場合と、まだ婚約者のいない者たちで、いかがだろうかと言って組まれた縁談がる。
アデリーナの場合はフォリッチ公爵家も、エネジア侯爵家も後者であり、前者の場合は相手から聞かされる場合もあるが、後者でも本人に知らされるわけではない。縁談がたくさんある=人気があるというわけでもない。むしろ、縁談があって、顔合わせもしたが、決まらない方が問題なのだ。
アデリーナは公爵家となれば、5つしかなく、1つは断れたため、残りは4つとなる。年頃で婚約者のいない公爵家となれば、ホリスト公爵家、もしくはあまりうまくいっていないという噂のワルド公爵家の可能性もある。ビオ公爵家もいるにはいるが、4つか5つ年下のはずだ。
「家柄はホリストでもいいけど、出来ればジェイス様が良いわよね。あの方が私の横に並べば完璧じゃない」
ジェイス・ワルド公爵令息。いつも背筋がよく、凛々しく、長身で、口数は少ないが、令嬢に人気の令息である。アデリーナも同級生ではあったが、既に一つ年下のグルドア侯爵家の令嬢、キアーナと婚約中であったため、あまり話す機会もなかった。言い寄ったり、不貞など、マスタールの名に恥じることは出来ない。
ジェイスもキアーヌも卒業しており、結婚してもいいのだが、まだ結婚してない。そして、キアーナは騎士家系で、現在騎士をしている。結婚しても続けられるが、子どもを産むことになれば、騎士を休まなくてはならない。それで結婚が伸びており、上手く言っていないという噂が出ている。
そうなのではないかという噂なのだが、自分の世界に入ったアデリーナは自分の都合のいいように、相手を作り上げていた。
「んもう、私ならいくらでも産んであげるのに。なんて女なのかしら」
キアーナは騎士をしていることから、ジェイスと並んでもぴったりと重なるような美しい令嬢なのではあるが、アデリーナにとっては邪魔な存在なのである。
その日を境にアイレットに敵意を向けることを止め、アデリーナの機嫌はようやく良くなった。
「アデリーナ良いことでもあったのか?」
「いいえ、あまり怒っていいても、自分の価値を下げるだけだとフィースト兄様が言ったんじゃない」
「そうか、それなら良かった」
まだ父から言われてもいないのに、先にフィーストに話すことは出来ない。
「そういえば、兄様の方はどうなりそうなの?ルミナ嬢は」
「ああ、父上が動いてくださったのだが、自殺未遂の方はそのまま療養となり、もう一人は助け出すことは出来たのだが、結局は同じく療養になってしまったようだ。ルミナとは、まだ何とも言えないところだな」
「そんなに悪質だったの?」
「ああ、家族を盾に脅して愛人にしていたようだ」
裕福な子爵令息が結婚もせず、男爵令嬢をまだ幼い妹がいる家族のことで脅して、愛人にしていたそうだ。
令嬢は家族に使用人として雇ってもらうことになったと嘘を付いており、家族は何も知らなかった。助け出された時、彼女は心身ともに衰弱状態で、家族は気付いてやれなくてすまなかったと、弱った彼女を支えているそうだ。
子爵夫妻は知らなかったと言っていたが、調査中である。ただし子爵令息が嫌がらせを行っていたこと、脅して使用人という名の愛人にして、衰弱させたことは事実であるため、罪に問われることになる。
921
あなたにおすすめの小説
死んで初めて分かったこと
ルーシャオ
恋愛
ヴィリジアの王女ロザリアは、大国アルデラ王国のエアル王子の婚約者として王城で暮らしていたが、エアル王子には罵倒され遠ざけられ続け、次第に周辺の人々も近づかなくなっていた。
しかし、エアル王子が故郷ヴィリジアを滅ぼしたことをきっかけに、ロザリアは何もかもを諦める。「殿下。あなた様との婚約は、破棄いたします」、そう宣言して、ロザリアは——。
私を捨てた元旦那様へ。私が第一王子様から求婚されたことを知って、今どんな気分ですか??
睡蓮
恋愛
リナレーはフォルン第二王子との婚約関係を結んでいた。しかしフォルンはある日、リナレーの事を一方的に婚約破棄することを決定する。その裏にあったのはシュヴァル第一王子への妬みであり、フォルンは婚約破棄をすることでシュバルの心を傷つけようと考えていた。しかし、リナレーはその後そのシュバル第一王子と良い雰囲気に包まれはじめ、一方のフォルンは次第に孤立していき、二人の事を妬まずにはいられない日々が続いていくことになるのだった…。
『彼を解放して!』とおっしゃいましたが、何から解放されたいのですか?
シエル
恋愛
「彼を解放してください!」
友人たちと教室に戻ろうとしていると、突如、知らない令嬢に呼び止められました。
「どなたかしら?」
なぜ、先ほどから私が問いかける度に驚いているのでしょう?
まるで「え!?私のこと知らないの!?」と言わんばかりですけれど、知りませんよ?
どうやら、『彼』とは私の婚約者のことのようです。
「解放して」とおっしゃっいましたが、私の目には何かに囚われているようには見えないのですが?
※ 中世ヨーロッパモデルの架空の世界
※ ご都合主義です。
※ 誤字、脱字、文章がおかしい箇所は気付いた際に修正しております。
婚約解消したら後悔しました
せいめ
恋愛
別に好きな人ができた私は、幼い頃からの婚約者と婚約解消した。
婚約解消したことで、ずっと後悔し続ける令息の話。
ご都合主義です。ゆるい設定です。
誤字脱字お許しください。
あなただけが私を信じてくれたから
樹里
恋愛
王太子殿下の婚約者であるアリシア・トラヴィス侯爵令嬢は、茶会において王女殺害を企てたとして冤罪で投獄される。それは王太子殿下と恋仲であるアリシアの妹が彼女を排除するために計画した犯行だと思われた。
一方、自分を信じてくれるシメオン・バーナード卿の調査の甲斐もなく、アリシアは結局そのまま断罪されてしまう。
しかし彼女が次に目を覚ますと、茶会の日に戻っていた。その日を境に、冤罪をかけられ、断罪されるたびに茶会前に回帰するようになってしまった。
処刑を免れようとそのたびに違った行動を起こしてきたアリシアが、最後に下した決断は。
心の中にあなたはいない
ゆーぞー
恋愛
姉アリーのスペアとして誕生したアニー。姉に成り代われるようにと育てられるが、アリーは何もせずアニーに全て押し付けていた。アニーの功績は全てアリーの功績とされ、周囲の人間からアニーは役立たずと思われている。そんな中アリーは事故で亡くなり、アニーも命を落とす。しかしアニーは過去に戻ったため、家から逃げ出し別の人間として生きていくことを決意する。
一方アリーとアニーの死後に真実を知ったアリーの夫ブライアンも過去に戻りアニーに接触しようとするが・・・。
ご安心を、2度とその手を求める事はありません
ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・
それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望
婚約解消しろ? 頼む相手を間違えていますよ?
風見ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢である、私、リノア・ブルーミングは元婚約者から婚約破棄をされてすぐに、ラルフ・クラーク辺境伯から求婚され、新たな婚約者が出来ました。そんなラルフ様の家族から、結婚前に彼の屋敷に滞在する様に言われ、そうさせていただく事になったのですが、初日、ラルフ様のお母様から「嫌な思いをしたくなければ婚約を解消しなさい。あと、ラルフにこの事を話したら、あなたの家がどうなるかわかってますね?」と脅されました。彼のお母様だけでなく、彼のお姉様や弟君も結婚には反対のようで、かげで嫌がらせをされる様になってしまいます。ですけど、この婚約、私はともかく、ラルフ様は解消する気はなさそうですが?
※拙作の「どうして私にこだわるんですか!?」の続編になりますが、細かいキャラ設定は気にしない!という方は未読でも大丈夫かと思います。
独自の世界観のため、ご都合主義で設定はゆるいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる