私のバラ色ではない人生

野村にれ

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留学3

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 手紙のやり取りをすると、ソアリスの人とのなりをエリザベータは好んだ。

 さらに各国でも口が悪いことも分かったが、評価は極めて高いことに、困惑もしたが、エリザベータから手紙を少し読ませてもらうと、思わず笑顔になるような内容で、やり取りを続けているはずだと思った。

 だからこそ、エクラオース王国のことを聞いた際には、すぐに力になってやりなさいとフェリックスも言ったほどであった。

『ええ、セレニティが私に手紙を書くと言っていたわ』
『そうか、優遇するわけにはいかないが、手紙なら反感も少ないだろう』
『優遇してもいいと思うのだけど、ここにいるより、のびのびと生活はできるかもしれないわ』
『ああ、ここだと色んな目が気になるだろうからな』

 ジュリアンは気にしないかもしれないが、他の皆も気を使っているのかもしれないが、触れにくいような扱いになっていた。

『そうなの、放置されていた子って見られるのは辛いものね』
『だが、そう思うのも自分のことも、周りのこともを気にし始めた証拠だろう』
『そうね』

 戦友のような二人は仲睦まじく、栗拾いをしたことを話して聞かせて、フェリックスを驚かせた。そして、持ち帰った栗を二人で食べることになった。

 そして、セレニティはクロンデール王国での生活が始まった。

 王家は幼子以外はロア語は習得している者が多いために、授業は分からないと意味がないためにロア語で行うが、生活はセレニティのためにこちらの言葉を使い、分からないことを訊ねる形になった。

「おはようございます、セレニティさま。ちょうしょくはたくさんたべましたか?」
「お、はよう、ございます、ケイト様。朝食はしっかり食べました」
「おじょうずです」
「あり、がとうございます」

 しばらくすると、セレニティは日常会話は分かるようになり、王宮に授業に来たところを偉そうに指導しているのはケイト6歳であった。

 既におやつを食べないの?と奪われるという洗礼を受けている。

「何でケイトが偉そうなの?」

 今日は初めてのマナーの授業だったために、ソアリスも付き添っていた。

「えらそうになどしていないわ、おかあさまににてえらそうなのがうつっただけよ」
「まあ、酷い。おやつ泥棒が、何でもお母様のせいにするなんて」
「どろぼうじゃないわ」
「おやつを食べないの?なんて、幼いあなたに言われたら、あげない方が悪い人に見えるの」

 まさにセレニティに出されたおやつを狙っていたケイトに、じっと見られて、どうぞとあげてしまったセレニティだったが、ソアリスにおやつ泥棒にあったんですってと言われることになった。

 6歳の子であるために、皆が差し出してしまうが、王家ではあげるとソアリスに怒られることもセットである。

 あげないということがケイトのためになるからと言われて、可愛らしいケイトにじっと見られて、セレニティはあげる方が楽ということを学んだ。

「おかあさまはくれないじゃない」
「おかあさまは悪い人だから、見えても構わないもの」
「まあ、ひどい」

 マナー指導を行うのは、ケイトと同じくレイドラ夫人とリズであった。レイドラはもうすぐ70歳だが、今もソアリスと同じで姿勢の良いままである。

「ふふふっ、ずっと見てらるわね」
「お母様、ずっと見ている場合ではないですよ『セレニティ様、失礼しました。そちらの王妃の友人でもありますリズ・バーセムでございます』」
『国一番の強さを持つバーセム公爵が妻の方がいいんじゃないの?』
『そうです、バーセムこうしゃくのつまのほうがいいです』

 ソアリスとケイトが一緒になると、ミオトへの評価がいつも以上に高過ぎる。

『セレニティ様、気にしないでください』

 リズも友人の中、いや、王家以外の中では、一番ソアリスの扱いに慣れている。
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