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抗議文と謝罪2
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「前にもあったということ?」
「はい……ケイトが2歳の時に、オペイル伯爵にカイルスと孫娘をお近づきに利用されそうになって、おまえににているのか?はげてんのか?はげむすめをすすめているのか?と言ったそうなのです」
「嘘でしょう……」
「2歳でか?」
ロランとテラーは知らなかったことであったために、末の孫娘が2歳でそのようなことを言ったことに驚愕した。
「はい、しかも一緒にいた侍女と護衛に内緒だと言ったそうです」
「賢い子だと思っていたけど、怖いわね」
「でしょう?今回もオペイル伯爵にもペリリアにも、セレニティが王女であることは黙っておいて、後から後悔すればいいと言うのです」
セレニティのことは王家としては、オペイル伯爵家に伝える気はない。だが、エリザベータから謝罪を求められることになれば、誰だったのかを明かす気である。
「まあ、恐ろしくなって来たわ」
「お母様の娘ですからなんて言われて、全部私のせいみたいですわよね」
「ほぼそうじゃない……」
「私の血筋と教育が冴え渡っているようですよね」
「他人事みたいに……絶対にあなたの娘よ、間違いないわ」
「流石にはげむすめは、私もそう思いましたよ。この王宮で誰が言うのか?私しかおりませんでしょう?」
ソアリスは右手を胸に当てて、大きく頷いた。
「もう……」
「ふふふふふ」
「セレニティにも笑われちゃったわ」
ソアリスはセレニティがソアリスのことでよく笑っているのだが、知らないために初めて笑う姿を見て、驚きはしたが、普通であることにするために、笑えるようになったのねなんて言わない。
それはテラーもルルエとエクシアーヌも同じであった。
「申し訳ございません」
「笑って頂戴、笑わないとやってられないわよ。オペイル伯爵には陛下が抗議文を送ります。エリザベータ様には私からも報告をして、謝罪を要求されればさせますので、セレニティはご理解いただけますか?」
ソアリスは庇護下にあるセレニティにどうするかと聞くつもりはなく、納得してもらうことが重要であった。
「私は、構いません」
「ありがとうございます」
セレニティは勘違いをされただけで、問題視しないかもしれないとは考えていた。
もちろん、起きないに越したことはないが、これから王女として生きていくために、ソアリスはこういったことが起こったらということを、理解してもらうことを見せてもおきたかった。
「それで、オペイル伯爵には何という名前を付けたのですか?」
実はテラーは何と名付けたのか、ずっと気になっていた。
「オペイルは、進化形でございますので、いくつかありましたの」
「そう、それで?」
「はげ爵、はげ、オハーゲ爵々、希望の轍、今は更地まっしぐらでございます」
「ございますと言えばいいのではないわよ」
「さすがソアリス、上手いな」
テラーは薄々、オペイル伯爵は若くから薄毛であったために、頭部のことだろうと察してはいたが、思った以上であった。
「私も陛下もお気に入りは希望の轍です」
「私もいいと思った」
「ですが、希望がなくなりましたので、進化いたしました」
「進化いたしましたじゃないのよ」
「っく、ふふふふふ、あっ、失礼いたしました」
セレニティはオペイル伯爵を見ていることもあり、酷い進化形に堪えきれない様子で、口を押えて笑い始めた。
「失礼な態度をされたのだから、笑っていいわよ!陛下も私もこれからはオペイルに共通語で話してやろうかと思っておりますわ」
「あの者が理解していないとはな……」
「言葉の通じるものにしか偉そうにできないのです……腹立たしい!」
ソアリスはやり合うと言っても、犯罪ではない限り、悪い口でやり込めるわけではない。だからこそ、真摯に対応をしている分、怒りも相当なものであった。
「はい……ケイトが2歳の時に、オペイル伯爵にカイルスと孫娘をお近づきに利用されそうになって、おまえににているのか?はげてんのか?はげむすめをすすめているのか?と言ったそうなのです」
「嘘でしょう……」
「2歳でか?」
ロランとテラーは知らなかったことであったために、末の孫娘が2歳でそのようなことを言ったことに驚愕した。
「はい、しかも一緒にいた侍女と護衛に内緒だと言ったそうです」
「賢い子だと思っていたけど、怖いわね」
「でしょう?今回もオペイル伯爵にもペリリアにも、セレニティが王女であることは黙っておいて、後から後悔すればいいと言うのです」
セレニティのことは王家としては、オペイル伯爵家に伝える気はない。だが、エリザベータから謝罪を求められることになれば、誰だったのかを明かす気である。
「まあ、恐ろしくなって来たわ」
「お母様の娘ですからなんて言われて、全部私のせいみたいですわよね」
「ほぼそうじゃない……」
「私の血筋と教育が冴え渡っているようですよね」
「他人事みたいに……絶対にあなたの娘よ、間違いないわ」
「流石にはげむすめは、私もそう思いましたよ。この王宮で誰が言うのか?私しかおりませんでしょう?」
ソアリスは右手を胸に当てて、大きく頷いた。
「もう……」
「ふふふふふ」
「セレニティにも笑われちゃったわ」
ソアリスはセレニティがソアリスのことでよく笑っているのだが、知らないために初めて笑う姿を見て、驚きはしたが、普通であることにするために、笑えるようになったのねなんて言わない。
それはテラーもルルエとエクシアーヌも同じであった。
「申し訳ございません」
「笑って頂戴、笑わないとやってられないわよ。オペイル伯爵には陛下が抗議文を送ります。エリザベータ様には私からも報告をして、謝罪を要求されればさせますので、セレニティはご理解いただけますか?」
ソアリスは庇護下にあるセレニティにどうするかと聞くつもりはなく、納得してもらうことが重要であった。
「私は、構いません」
「ありがとうございます」
セレニティは勘違いをされただけで、問題視しないかもしれないとは考えていた。
もちろん、起きないに越したことはないが、これから王女として生きていくために、ソアリスはこういったことが起こったらということを、理解してもらうことを見せてもおきたかった。
「それで、オペイル伯爵には何という名前を付けたのですか?」
実はテラーは何と名付けたのか、ずっと気になっていた。
「オペイルは、進化形でございますので、いくつかありましたの」
「そう、それで?」
「はげ爵、はげ、オハーゲ爵々、希望の轍、今は更地まっしぐらでございます」
「ございますと言えばいいのではないわよ」
「さすがソアリス、上手いな」
テラーは薄々、オペイル伯爵は若くから薄毛であったために、頭部のことだろうと察してはいたが、思った以上であった。
「私も陛下もお気に入りは希望の轍です」
「私もいいと思った」
「ですが、希望がなくなりましたので、進化いたしました」
「進化いたしましたじゃないのよ」
「っく、ふふふふふ、あっ、失礼いたしました」
セレニティはオペイル伯爵を見ていることもあり、酷い進化形に堪えきれない様子で、口を押えて笑い始めた。
「失礼な態度をされたのだから、笑っていいわよ!陛下も私もこれからはオペイルに共通語で話してやろうかと思っておりますわ」
「あの者が理解していないとはな……」
「言葉の通じるものにしか偉そうにできないのです……腹立たしい!」
ソアリスはやり合うと言っても、犯罪ではない限り、悪い口でやり込めるわけではない。だからこそ、真摯に対応をしている分、怒りも相当なものであった。
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