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「私の一存では何ともできないのだけど、お母様に相談するといいと思うのだけど」
「ア?アリル?来ていたのか?」
「え?」
やって来たのは、今度はアンセムとオーランとクイオであった。
「お父様!」
「セレニティにも来ていたのか」
驚くアリルの横を見れば、セレニティもおり、二人で見学していたかと微笑ましく思った。
「はい、ケイト様にお誘いいただきました」
「ケイトに、そうかそうか」
それで、その当人はと目をやると、ソアリス、ケイト、オルファー、ミオト四人の姿が目に映った。
「オルファーも来ていたのか、やはり筋がいいな」
だから、アリルがいたのだと、アンセムも理解し、自分もオルファーの祖父なのだが、ミオトの場所を代わって欲しいとは口が裂けても言えない。
娘と孫息子と、当然のようにいる、いやメインでもある母で祖母であるソアリスも相変わらず、一本一本素振りを行っている。
「ええ、お義母様が行って来たらと言ってくれて」
「ソアリスのご褒美だな」
「ええ、今日は機嫌がいいですよ!絶対に」
「そうだな、何か頼み事はなかったかな。今日がチャンスだな」
オーランとクイオも何かあったかと、頭を巡らせていたが、そうだとアリルがアンセムに声を掛けた。
「お父様、セレニティ様も素振りをしてみたいそうです」
「おお、そうか。素振りならやってみたらいい」
セレニティは希望を言えるようにはなっていたが、それでも可能な限り、やってみたいという気持ちを尊重したい思いであった。
「だが、急に行うのは難しいか、ソアリスに聞いた方がいいな」
「やはり、お母様ですわよね」
しばらく皆で見ていると、三人は素振りを一旦終えて、休み始めたために、アンセムが声を掛けた。
「ソアリス!」
「まあ、陛下!」
ソアリスはあれだけ素振りをしたのに、見学席にオルファーをひょいを抱えて向かった。
「オルファー、弱い方のじいさまですよ」
「言い方!」
紛れもない事実ではあるが、それにしても言い方がある。
「地位の高い方のじいさまですよ」
「それも、言い方!」
またも事実ではあるが、それはそれで嫌味でしかない。
「りんごを片手で潰せず、果汁を出しただけのじいさまですよ」
「うるさい」
オルファーはその様子をソアリスとアンセムと交互に見ながら、興味津々で聞いていた。
「ふふふ、おじいさま、こんにちは」
「ああ、こんにちは」
「まあ、オルファー優しいわね」
「オルファーに変なことを吹き込むな」
「おじいさまとおばあさまは、おもしろいです」
ふふふと笑うオルファーは、子どもらしいはずなのだが、その表情は渋さを感じられる。
「面白くないのよ、事実なの」
「ふふふ」
イチャイチャするソアリスとオルファーに、アンセムは呼んだ理由を忘れそうになっていた。
「セレニティも素振りをしたいそうだ」
「まあ」
「急に模擬剣は難しいだろうか」
「いえ、持つことはできると思いますけど、今日は服装が無理ね。授業の合間に都合を付けましょう」
「ありがとうございます!」
セレニティは立ち上がって、ソアリスに向かって頭を下げた。
ソアリスは微笑んでいたが、アンセムに口元を隠して、小声で伝えた。
「陛下、これで私の公務を少し減らしていただけますわよね?」
「っあ、それが狙いか」
機嫌の良さから何か頼もうと思っていたはずのアンセムは、逆に頼まれることになってしまっていた。
「ふふふ」
ソアリスはオルファーを真似るように笑って、戻っていった。ケイトはミオトと嬉しそうに話をしており、アンセムの元へも来なかった。
「セレニティ様、良かったですわね」
「はい!頑張ります」
セレニティは顔は母に似ていると言われていたが、背が伸びて、母は小柄だったと思い、もしかしたら父にもどこか似ているところがあるかもしれない。
やってみたいという気持ちが、もしかしたらこれかもしれないと感じていた。
「ア?アリル?来ていたのか?」
「え?」
やって来たのは、今度はアンセムとオーランとクイオであった。
「お父様!」
「セレニティにも来ていたのか」
驚くアリルの横を見れば、セレニティもおり、二人で見学していたかと微笑ましく思った。
「はい、ケイト様にお誘いいただきました」
「ケイトに、そうかそうか」
それで、その当人はと目をやると、ソアリス、ケイト、オルファー、ミオト四人の姿が目に映った。
「オルファーも来ていたのか、やはり筋がいいな」
だから、アリルがいたのだと、アンセムも理解し、自分もオルファーの祖父なのだが、ミオトの場所を代わって欲しいとは口が裂けても言えない。
娘と孫息子と、当然のようにいる、いやメインでもある母で祖母であるソアリスも相変わらず、一本一本素振りを行っている。
「ええ、お義母様が行って来たらと言ってくれて」
「ソアリスのご褒美だな」
「ええ、今日は機嫌がいいですよ!絶対に」
「そうだな、何か頼み事はなかったかな。今日がチャンスだな」
オーランとクイオも何かあったかと、頭を巡らせていたが、そうだとアリルがアンセムに声を掛けた。
「お父様、セレニティ様も素振りをしてみたいそうです」
「おお、そうか。素振りならやってみたらいい」
セレニティは希望を言えるようにはなっていたが、それでも可能な限り、やってみたいという気持ちを尊重したい思いであった。
「だが、急に行うのは難しいか、ソアリスに聞いた方がいいな」
「やはり、お母様ですわよね」
しばらく皆で見ていると、三人は素振りを一旦終えて、休み始めたために、アンセムが声を掛けた。
「ソアリス!」
「まあ、陛下!」
ソアリスはあれだけ素振りをしたのに、見学席にオルファーをひょいを抱えて向かった。
「オルファー、弱い方のじいさまですよ」
「言い方!」
紛れもない事実ではあるが、それにしても言い方がある。
「地位の高い方のじいさまですよ」
「それも、言い方!」
またも事実ではあるが、それはそれで嫌味でしかない。
「りんごを片手で潰せず、果汁を出しただけのじいさまですよ」
「うるさい」
オルファーはその様子をソアリスとアンセムと交互に見ながら、興味津々で聞いていた。
「ふふふ、おじいさま、こんにちは」
「ああ、こんにちは」
「まあ、オルファー優しいわね」
「オルファーに変なことを吹き込むな」
「おじいさまとおばあさまは、おもしろいです」
ふふふと笑うオルファーは、子どもらしいはずなのだが、その表情は渋さを感じられる。
「面白くないのよ、事実なの」
「ふふふ」
イチャイチャするソアリスとオルファーに、アンセムは呼んだ理由を忘れそうになっていた。
「セレニティも素振りをしたいそうだ」
「まあ」
「急に模擬剣は難しいだろうか」
「いえ、持つことはできると思いますけど、今日は服装が無理ね。授業の合間に都合を付けましょう」
「ありがとうございます!」
セレニティは立ち上がって、ソアリスに向かって頭を下げた。
ソアリスは微笑んでいたが、アンセムに口元を隠して、小声で伝えた。
「陛下、これで私の公務を少し減らしていただけますわよね?」
「っあ、それが狙いか」
機嫌の良さから何か頼もうと思っていたはずのアンセムは、逆に頼まれることになってしまっていた。
「ふふふ」
ソアリスはオルファーを真似るように笑って、戻っていった。ケイトはミオトと嬉しそうに話をしており、アンセムの元へも来なかった。
「セレニティ様、良かったですわね」
「はい!頑張ります」
セレニティは顔は母に似ていると言われていたが、背が伸びて、母は小柄だったと思い、もしかしたら父にもどこか似ているところがあるかもしれない。
やってみたいという気持ちが、もしかしたらこれかもしれないと感じていた。
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