私のバラ色ではない人生

野村にれ

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対処5

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「あ!ミリンティー・オイエンか」

 思い出したのは、学園での相談を持ち掛けたマイノスであった。

「ああ…確か、ブリンブリンティー」
「それで、ブーヒー」

 ユリウスもミフルも、会う時間は減ったが、情報共有は今でも行っている。

「ブッヒッヒもあるのよ?」
「あるのよって…」
「ブッヒッヒって…ふふふ、母上の名付けはさすがですね」
「確かに、どちらも捨てがたいな」
「もうお兄様たちまで…」

 すっかりブーヒーとブッヒッヒを気に入ってしまっている。メディナとキャロラインまでもが、満足そうである。

「だが、妃が確か、4、5人いるんじゃなかったか?そんなところにいたら、自ずと痩せるんじゃないか?」
「あり得るかもしれないな」
「ストレスで、食べるかもしれないわよ?」
「「ああ…」」

 やることがないというより、やれることがないとすれば、何もせずに今まで通り食べ続けて、太り続ける可能性もある。

「おにいしゃま、おねえしゃま、おやちゅはまだ?」

 ケイトは昼食を食べてから、30分置きくらいに誰かにまだかと聞いている。

「まだじゃないかな」

 頬を膨らませて、不満顔である。ソアリスたちは毎日のことなので、もはや日常音となっている。言わない日の方が、何かこっそり食べたのか、どこか痛いのかと心配するくらいである。

 ユリウスはその膨らんだ頬を指で突きながら、微笑んだ。

「ちゅちゅかないで」
「ごめん、ごめん。よく喋るから面白いね」
「本当に、よく話すね。しかも喋り方が母上だから面白い」
「この大きさでね、また甥か姪が増えて、叔母さんになるのに」

 3人も幼い妹が可愛くて仕方ない。話すようになってからは会話が出来るので、毎日必ず会う時間を作っている。

 特にミフルはいずれなかなか会えなくなってしまうので、出来るだけカイルスとケイトに時間を取るようにしている。

「アリルは順調なのか?」
「ええ、ずいぶん大きくなったようで、なかなかこちらには来れないみたい」
「順調ならいい」
「そうだな、アリルが母親か…」

 マイノスはすぐ下の妹ということで、一番に面倒を看ていた。

「お姉様はしっかり者ですから、心配ないでしょう」
「まあな、ブーヒーのことも腹を立てはしただろうが、気にはしていないだろう。公爵家にも伝わっているんだろうし、二度と会うこともないだろうからな」

 ミリンティーは、イルヤ王国から戻ってくることはない。

 出て行くことになっても、行き先は理由が何かによって、修道院、牢屋、多額のお金を稼ぐような場所となる。修道院であれば、母国でということもあるが、それでも会うことは二度とないだろう。

「ああ、ブッヒッヒ、ふふふ、ブッヒッヒは言う度に笑ってしまいそうだな」
「ブッヒッヒ…確かに楽しくなってしまうわね」

 マイノスとミフルは、口に出してみて、思わず笑ってしまい、ブーヒーよりも、ブッヒッヒの威力を感じた。

「ぶっひっひ?おいし?」

 楽しそうな様子にケイトが、二人に問いかけた。

「いや、ブッヒッヒは美味しくはない」
「ふ~ん」

 ケイトはそれなら興味ないという顔をした。

「ケイト、絵本を見たら?捲ってあげるわ」
「うん」

 ケイトはミフルの膝に座って、絵本を見始めた。ケイトでもさすがに文字は読めないので、食べ物の絵が描いてある絵本を気に入っている。

「けーき」
「そうね、けーきね」
「ばにゃにゃ」
「そうね、バナナ」

 よく似た姉妹の仲のいい姿を見て、ユリウスとマイノスは微笑ましい気持ちになっていたが、ソアリスの言葉でぶち壊された。

「ああ!クソ出歯ネズミ、また申請を!」
「またですか!」
「夫の名前で出してますよ…もう!」

 メディナとキャロラインはその言葉で分かるようで、それよりクソ出歯ネズミは女性だったのだと驚き、一体誰なのか気になってしまった。
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