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対処4
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「カイサー殿下に嫁ぎます」
もう後がないのもあったが、それよりも美しいカイサーの妃になることを、ミリンティーは魅力的に感じた。
とは言っても誰にも、王子妃になったということは、誰かに自慢することもないのだが、ミリンティーにとっては満たされることであった。
「分かった、オイエン侯爵もそれでいいか?」
「はい、よろしくお願いいたします」
ミリンティーはイルヤ王国に不利益な言動を行わない、無駄使いをしない、嫌がらせなど人を傷つけるような行いをしないと当たり前のことから、カイサーに寵愛を求めないという契約書にサインをして、妃として嫁ぐことになった。婚約期間も、結婚式もなく、嫁ぐことになる。
言われたように困らない荷物は持って来させていたので、ここでミリンティーと両親はお別れである。
「誓約書のことを守ってしっかりやりなさい」
「はい」
「元気でね…」
ローティーは、いつもの話し方をしないのは、あの喋り方がわざとだったからではなく、あまりに落ち込んでいるからである。
「はい、頑張ります」
両親はクロンデール王国に戻り、マイオンはミリンティーが嫁いだことにホッとした。ローティーは、疲れて既に休んでいる。
「どうせ顔だろう…」
ミリンティーはカイサー殿下の顔を知らなかったが、マイオンは顔を知っており、会うことが出来たら、きっと見惚れるだろうと思っていた。
だが、カイサーと妃たちは住まいが違うために、会うことはまずない。4人の妃と、使用人と暮らすしかない。
「そうだろうな、だが殿下もそのことを利用してらっしゃるからな」
「明日は王家とバーセム公爵家に、謝罪と報告に伺う」
「はい、後は信頼を取り戻すしかないですからね」
ブレオンは翌日、アンセムとソアリス、バーセム公爵家に、それぞれ謝罪に行き、ミリンティーはカイサー王子殿下の妃になったことを伝えた。
一見聞けば、罰とは言えない話のようであるが、アンセムもソアリスも、バーセム公爵家も、国外に出したと受け取った。
ブレオンが退室すると、ソアリスは侍女に向かって言い放った。
「ブリンブリンティーは、ブーヒーになったのね」
アンセムとオーランとクイオは絶句していたが、メディナとキャロラインは満足そうに深く頷いた。
「素晴らしい命名です」
「でもね~ブッヒッヒも、捨てがたいのだけど、どう思う?」
「私はブッヒッヒが良いです」
目を輝かせて、言ったのはキャロラインである。
「私も悩むところですわね、大声で呼ぶにはブーヒーが良いですが、話の途中で呼ぶにはブッヒッヒの方が軽快で、音がよろしいかと思います」
メディナは真面目な顔をして、考察を行っている。
「さすがメディナ様、的確な解説です」
「ええ、さすがメディナ!」
「勿体ないお言葉にございます」
「使い分けにしましょうかね」
「それがよろしいかと思います」「はい」
その様子に、アンセムはソアリスが当たり前になっている侍女たちは、染まりすぎているし、順応性が高すぎる。
「ソアリス、ブリンブリンティー?と呼んでいたのか?」
「ええ、そうですけど?」
酷く冷めた目で、何か問題がありますかの顔である。
「それがブリンブリンティー妃となって、ブーヒーもしくはブッヒッヒということだな?」
「ええ」
何を当たり前のことを言っているんだ?じいさん、まさかボケたのかと言わんばかりの怪訝な顔である。
「そうか。いや、確認しただけだ」
二度と本人に会うことはないだろうから、本人に言うことはないが、アンセムは驚きの名前にミリンティーの名前を思い出せないほどになっていた。
「ブーヒーはイルヤ王国の第三王子に嫁いだんですって」
ソアリスは、ケイトに会いに来たユリウス、マイノス、ミフルに言い放ったが、さて誰のことだろうかと、しばらく考え込んだ。すぐに誰ですがと問わないのが、慣れている証拠である。
もう後がないのもあったが、それよりも美しいカイサーの妃になることを、ミリンティーは魅力的に感じた。
とは言っても誰にも、王子妃になったということは、誰かに自慢することもないのだが、ミリンティーにとっては満たされることであった。
「分かった、オイエン侯爵もそれでいいか?」
「はい、よろしくお願いいたします」
ミリンティーはイルヤ王国に不利益な言動を行わない、無駄使いをしない、嫌がらせなど人を傷つけるような行いをしないと当たり前のことから、カイサーに寵愛を求めないという契約書にサインをして、妃として嫁ぐことになった。婚約期間も、結婚式もなく、嫁ぐことになる。
言われたように困らない荷物は持って来させていたので、ここでミリンティーと両親はお別れである。
「誓約書のことを守ってしっかりやりなさい」
「はい」
「元気でね…」
ローティーは、いつもの話し方をしないのは、あの喋り方がわざとだったからではなく、あまりに落ち込んでいるからである。
「はい、頑張ります」
両親はクロンデール王国に戻り、マイオンはミリンティーが嫁いだことにホッとした。ローティーは、疲れて既に休んでいる。
「どうせ顔だろう…」
ミリンティーはカイサー殿下の顔を知らなかったが、マイオンは顔を知っており、会うことが出来たら、きっと見惚れるだろうと思っていた。
だが、カイサーと妃たちは住まいが違うために、会うことはまずない。4人の妃と、使用人と暮らすしかない。
「そうだろうな、だが殿下もそのことを利用してらっしゃるからな」
「明日は王家とバーセム公爵家に、謝罪と報告に伺う」
「はい、後は信頼を取り戻すしかないですからね」
ブレオンは翌日、アンセムとソアリス、バーセム公爵家に、それぞれ謝罪に行き、ミリンティーはカイサー王子殿下の妃になったことを伝えた。
一見聞けば、罰とは言えない話のようであるが、アンセムもソアリスも、バーセム公爵家も、国外に出したと受け取った。
ブレオンが退室すると、ソアリスは侍女に向かって言い放った。
「ブリンブリンティーは、ブーヒーになったのね」
アンセムとオーランとクイオは絶句していたが、メディナとキャロラインは満足そうに深く頷いた。
「素晴らしい命名です」
「でもね~ブッヒッヒも、捨てがたいのだけど、どう思う?」
「私はブッヒッヒが良いです」
目を輝かせて、言ったのはキャロラインである。
「私も悩むところですわね、大声で呼ぶにはブーヒーが良いですが、話の途中で呼ぶにはブッヒッヒの方が軽快で、音がよろしいかと思います」
メディナは真面目な顔をして、考察を行っている。
「さすがメディナ様、的確な解説です」
「ええ、さすがメディナ!」
「勿体ないお言葉にございます」
「使い分けにしましょうかね」
「それがよろしいかと思います」「はい」
その様子に、アンセムはソアリスが当たり前になっている侍女たちは、染まりすぎているし、順応性が高すぎる。
「ソアリス、ブリンブリンティー?と呼んでいたのか?」
「ええ、そうですけど?」
酷く冷めた目で、何か問題がありますかの顔である。
「それがブリンブリンティー妃となって、ブーヒーもしくはブッヒッヒということだな?」
「ええ」
何を当たり前のことを言っているんだ?じいさん、まさかボケたのかと言わんばかりの怪訝な顔である。
「そうか。いや、確認しただけだ」
二度と本人に会うことはないだろうから、本人に言うことはないが、アンセムは驚きの名前にミリンティーの名前を思い出せないほどになっていた。
「ブーヒーはイルヤ王国の第三王子に嫁いだんですって」
ソアリスは、ケイトに会いに来たユリウス、マイノス、ミフルに言い放ったが、さて誰のことだろうかと、しばらく考え込んだ。すぐに誰ですがと問わないのが、慣れている証拠である。
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