407 / 817
挙句の果て
しおりを挟む
「フローラ王女殿下に、何かあったのでしょうか?」
「ええ、その可能性が高いことを今、確認して来ましたの」
「可能性、ですか?」
マグフレ公爵はフローラ王女のこととなれば、嫌な予感しかしていなかったが、問題を起こしているのなら、庇うつもりはなく、幽閉でもすればいいとも思っていたのである。
「ええ、何だと思いますか?」
「まさか、妊娠…ですか?」
マディオとサーラも、思わず、えっと声を漏らした。
事実ではないが、自分たちはフローラのせいもあって、子どもを我慢しているのに、そのフローラが妊娠したとなれば、怒りもあるだろうとソアリスも感じた。
「そう言われるということは、仮面舞踏会のことはご存知なのね?」
「っっ」
「あの、仮面舞踏会とは?」
マディオが不思議そうな顔をして、問い掛けた。
「あなたの妹、仮面舞踏会に足繁く通っているそうよ」
「そんな、本当ですか?」
マディオは、マグフレ公爵を見つめた。
「有名だそうよ?だから、宰相も妊娠という言葉が出たのでしょう?未婚の王女に付随する言葉ではないものね?」
「…はい」
「でも違うみたいよ?」
「妊娠ではないと…?」
陛下や側妃は妊娠を隠すだろうが、隠すことはさせずに、もういいだろうと考えていた。
「ええ、妊娠していたら大変よ。だって性病の可能性が高いんだもの」
「え?性病…そんな」
「恥ずかしいわよね、離縁された一国の王女が仮面舞踏会に通って、挙句の果てには性病よ?」
「それで医師を…」
「ええ、聞き取りの結果、可能性は高い。撒き散らした可能性すらあるわ。しかも、その体でエスザール王国で男漁りをしたの」
「…っ」
クロンデール王国だけでなく、エスザール王国もとなれば、さすがに不味いと汗が噴き出していた。
「そんな…申し訳ございません」
「申し訳ございません」
マディオとサーラは、頭を下げて謝罪した。
「これはとっても良くない問題よね?」
「はい、その通りです」
マディオはまさかそのような事態に発展するとは思わず、どうすればいいのかと宰相を見た。
「それで皆様、陛下と側妃の前で、検査を受けさせたいのだけど、どうすればいいかしら?」
「それは…」
「えっと…」
「王妃陛下に頼む方がいいと思います」
マディオとサーラは自分たちが受けさせるとは言わず、マグフレ公爵は、腹を括るしかないと思った。どちらにしろ、この国は変わらなければ、未来はない。
「マディオ殿下とサーラ殿下は、自分たちがとは言わないのね。なぜかしら?」
「いえ、私では従うかどうか…」
「私なんて…」
「そんなことを言っていい立場なの?王族なんでしょう?しかも、お二人は私と違って、生まれ持っての王族なはずよ?責任はないの?」
段々と腹の立っていたソアリスは、ピシャリと言い付け、横でケイトがぼそりと『マイナス』と呟いていた。
ケイトにも王族は何かあれば、マイナスされる話はしており、オーリーはその言葉に頷いていた。
「私は力がありませんから」
「私も…両親には迷惑を掛けられません」
「似た者夫婦ってことね、王族は精神面を鍛える方がいいのかしらね」
その言葉にクロンデール王国側は、間違いなく王子や王女はソアリスのおかげで、鍛えられているだろうと感じていた。
母がソアリスではなければ、あんなに強くは育っていない。
何よりも、横に座る今日はストロベリージャムクッキーをイメージされたドレスを纏うケイトは、一番ではないかというほど精神面の強さを持っている。
「サブリナ王妃陛下を何も言わずに、呼んでいただける?」
「はい、承知しました。私が呼んで参ります」
マグフレ公爵がサブリナ王妃陛下を呼びに行き、ソアリスはマディオとサーラを見つめていたが、二人は顔を上げられず、下を向いたままであった。
そして、しばらくするとサブリナ王妃陛下が侍女を伴って現れた。
「ソアリス王妃陛下…」
「ええ、その可能性が高いことを今、確認して来ましたの」
「可能性、ですか?」
マグフレ公爵はフローラ王女のこととなれば、嫌な予感しかしていなかったが、問題を起こしているのなら、庇うつもりはなく、幽閉でもすればいいとも思っていたのである。
「ええ、何だと思いますか?」
「まさか、妊娠…ですか?」
マディオとサーラも、思わず、えっと声を漏らした。
事実ではないが、自分たちはフローラのせいもあって、子どもを我慢しているのに、そのフローラが妊娠したとなれば、怒りもあるだろうとソアリスも感じた。
「そう言われるということは、仮面舞踏会のことはご存知なのね?」
「っっ」
「あの、仮面舞踏会とは?」
マディオが不思議そうな顔をして、問い掛けた。
「あなたの妹、仮面舞踏会に足繁く通っているそうよ」
「そんな、本当ですか?」
マディオは、マグフレ公爵を見つめた。
「有名だそうよ?だから、宰相も妊娠という言葉が出たのでしょう?未婚の王女に付随する言葉ではないものね?」
「…はい」
「でも違うみたいよ?」
「妊娠ではないと…?」
陛下や側妃は妊娠を隠すだろうが、隠すことはさせずに、もういいだろうと考えていた。
「ええ、妊娠していたら大変よ。だって性病の可能性が高いんだもの」
「え?性病…そんな」
「恥ずかしいわよね、離縁された一国の王女が仮面舞踏会に通って、挙句の果てには性病よ?」
「それで医師を…」
「ええ、聞き取りの結果、可能性は高い。撒き散らした可能性すらあるわ。しかも、その体でエスザール王国で男漁りをしたの」
「…っ」
クロンデール王国だけでなく、エスザール王国もとなれば、さすがに不味いと汗が噴き出していた。
「そんな…申し訳ございません」
「申し訳ございません」
マディオとサーラは、頭を下げて謝罪した。
「これはとっても良くない問題よね?」
「はい、その通りです」
マディオはまさかそのような事態に発展するとは思わず、どうすればいいのかと宰相を見た。
「それで皆様、陛下と側妃の前で、検査を受けさせたいのだけど、どうすればいいかしら?」
「それは…」
「えっと…」
「王妃陛下に頼む方がいいと思います」
マディオとサーラは自分たちが受けさせるとは言わず、マグフレ公爵は、腹を括るしかないと思った。どちらにしろ、この国は変わらなければ、未来はない。
「マディオ殿下とサーラ殿下は、自分たちがとは言わないのね。なぜかしら?」
「いえ、私では従うかどうか…」
「私なんて…」
「そんなことを言っていい立場なの?王族なんでしょう?しかも、お二人は私と違って、生まれ持っての王族なはずよ?責任はないの?」
段々と腹の立っていたソアリスは、ピシャリと言い付け、横でケイトがぼそりと『マイナス』と呟いていた。
ケイトにも王族は何かあれば、マイナスされる話はしており、オーリーはその言葉に頷いていた。
「私は力がありませんから」
「私も…両親には迷惑を掛けられません」
「似た者夫婦ってことね、王族は精神面を鍛える方がいいのかしらね」
その言葉にクロンデール王国側は、間違いなく王子や王女はソアリスのおかげで、鍛えられているだろうと感じていた。
母がソアリスではなければ、あんなに強くは育っていない。
何よりも、横に座る今日はストロベリージャムクッキーをイメージされたドレスを纏うケイトは、一番ではないかというほど精神面の強さを持っている。
「サブリナ王妃陛下を何も言わずに、呼んでいただける?」
「はい、承知しました。私が呼んで参ります」
マグフレ公爵がサブリナ王妃陛下を呼びに行き、ソアリスはマディオとサーラを見つめていたが、二人は顔を上げられず、下を向いたままであった。
そして、しばらくするとサブリナ王妃陛下が侍女を伴って現れた。
「ソアリス王妃陛下…」
4,032
あなたにおすすめの小説
「最高の縁談なのでしょう?なら、かわってあげたら喜んでくれますよね!」
みっちぇる。
恋愛
侯爵令嬢のリコリスは20歳。立派な嫁きおくれである。
というのも、義母がなかなかデビューさせてくれないのだ。
なにか意図を感じつつも、周りは義母の味方ばかり。
そん中、急にデビュタントの許可と婚約を告げられる。
何か裏がある――
相手の家がどういうものかを知り、何とかしようとするリコリス。
でも、非力なリコリスには何も手段がない。
しかし、そんな彼女にも救いの手が……?
「あなたは強いから大丈夫よね」、無自覚に人生を奪う姉
恋せよ恋
恋愛
「セリーヌは強いから、一人でも大丈夫よね?」
婚約破棄され「可哀想なヒロイン」となった姉カトリーヌ。
無自覚で優しい姉を気遣う両親と『私の』婚約者クロード。
私の世界は反転した。
十歳から五年間、努力で守ってきた「次期後継者」の座も。
自分に誂えた「ドレス」も……。「婚約者」さえも……。
両親は微笑んで言う。
「姉様が傷ついているの強いお前が譲ってあげなさい」と。
泣いて縋れば誰かが助けてくれると思っているお姉様。
あとはお一人で頑張ってくださいませ。
私は、私を必要としてくれる場所へ――。
家族と婚約者を見限った、妹・セリーヌの物語。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
【完結80万pt感謝】不貞をしても婚約破棄されたくない美男子たちはどうするべきなのか?
宇水涼麻
恋愛
高位貴族令息である三人の美男子たちは学園内で一人の男爵令嬢に侍っている。
そんな彼らが卒業式の前日に家に戻ると父親から衝撃的な話をされた。
婚約者から婚約を破棄され、第一後継者から降ろされるというのだ。
彼らは慌てて学園へ戻り、学生寮の食堂内で各々の婚約者を探す。
婚約者を前に彼らはどうするのだろうか?
短編になる予定です。
たくさんのご感想をいただきましてありがとうございます!
【ネタバレ】マークをつけ忘れているものがあります。
ご感想をお読みになる時にはお気をつけください。すみません。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
『婚約破棄されたので王太子女となります。殿下より上位です』
鷹 綾
恋愛
「君は王太子妃に相応しくない」
その一言で、私は婚約を破棄されました。
理由は“真実の愛”。選ばれたのは、可憐な令嬢。
……ええ、どうぞご自由に。
私は泣きません。縋りません。
なぜなら——王家は、私を手放せないから。
婚約は解消。
けれど家格、支持、実務能力、そして民の信頼。
失ったのは殿下の隣の席だけ。
代わりに私は、王太子女として王政補佐の任を命じられます。
最初は誰もが疑いました。
若い、女だ、感情的だ、と。
ならば証明しましょう。
怒らず、怯えず、排除せず。
反対も忠誠も受け止めながら、国を揺らさずに保つことを。
派手な革命は起こしません。
大逆転も叫びません。
ただ、静かに積み上げます。
そして気づけば——
“殿下の元婚約者”ではなく、
“揺れない王”と呼ばれるようになるのです。
これは、婚約破棄から始まる静かな逆転譚。
王冠の重みを受け入れた一人の女性が、
国を、そして自分の立場を塗り替えていく物語です。
「君は地味な裏方だ」と愛人を優遇するサイコパス気質の夫。〜私が去った後、商会の技術が全て私の手によるものだと気づいても、もう手遅れです〜
水上
恋愛
「君は地味だから裏方に徹しろ」
効率主義のサイコパス気質な夫は、妻であるクララの磨いた硝子を愛人の手柄にし、クララを工房に幽閉した。
彼女は感情を捨て、機械のように振る舞う。
だが、クララの成果を奪い取り、夫が愛人を壇上に上げた夜、クララの心は完全に凍りついた。
彼に残した書き置きは一通のみ。
クララが去った後、商会の製品はただの石ころに戻り、夫の計算は音を立てて狂い始める。
これは、深い絶望と、遅すぎた後悔の物語。
揺れぬ王と、その隣で均衡を保つ妃
ふわふわ
恋愛
婚約破棄の断罪の場で、すべては始まった。
王太子は感情に流され、公爵令嬢との婚約を解消する。
だが、その決断は王家と貴族社会の均衡を揺るがし、国そのものを危うくする一手だった。
――それでも彼女は、声を荒らげない。
問いただすのはただ一つ。
「そのご婚約は、国家にとって正当なものですか?」
制度、資格、責任。
恋ではなく“国家の構造”を示した瞬間、王太子は初めて己の立場を知る。
やがて選ばれるのは、感情ではなく均衡。
衝動の王子は、嵐を起こさぬ王へと変わっていく。
そして彼の隣には、常に彼女が立つ。
派手な革命も、劇的な勝利もない。
あるのは、小さな揺れを整え続ける日々。
遠雷を読み、火種を消し、疑念に居場所を与え、
声なき拍手を聞き取る。
これは――
嵐を起こさなかった王と、
その隣で国家の均衡を保ち続けた妃の物語。
白い結婚で結構ですわ。殿下より、私の自由のほうが大事ですので
鍛高譚
恋愛
「第二王子との婚約? でも殿下には平民の恋人がいるらしいんですけど?
――なら、私たち“白い結婚”で結構ですわ。お好きになさってくださいな、殿下」
自由気ままに読書とお茶を楽しむのがモットーの侯爵令嬢・ルージュ。
ある日、突然“第二王子リオネルとの政略結婚”を押しつけられてしまう。
ところが当の殿下は平民の恋人に夢中で、
「形式上の夫婦だから干渉しないでほしい」などと言い出す始末。
むしろ好都合とばかりに、ルージュは優雅な“独身気分”を満喫するはずが……
いつしか、リナという愛人と妙に仲良くなり、
彼女を巡る宮廷スキャンダルに巻き込まれ、
しまいには婚約が白紙になってしまって――!?
けれどこれは、ルージュが本当の幸せを掴む始まりにすぎなかった。
自分を心から大切にしてくれる“新しい旦那様”候補が現れて、
さあ、思い切り自由に愛されましょう!
……そして、かの王子様の結末は“ざまぁ”なのか“自業自得”なのか?
自由気ままな侯爵令嬢が切り開く、
“白い結婚破談”からの痛快ざまぁ&本当の恋愛譚、はじまります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる