私のバラ色ではない人生

野村にれ

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王妃陛下1

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「お邪魔しております」
「はい、ようこそおいでくださいました」
「サーラ殿下に無理を言いましたの。怒らないでくださいね」
「いいえ、滅相もございません。歓迎いたします」

 サブリナは驚きながらも、何の音沙汰もなかったことから、なぜ急にいるのかと、なぜここにいるのだろうかと思いながらも、ソアリスの斜め横のソファに座った。

「単刀直入にお伺いしますが、陛下と側妃、王女に指示を出すことは可能ですか?」
「指示ですか?」
「早急に調べて貰いたいことがありますの。陛下と側妃、王女には見届けていただかなくてはなりません」

 宰相でも可能ではあるが、揉み消される可能性を危惧したのだろう。だが、正直、王妃陛下でも心許ないところではある。

「集めることは可能です。調べるとはどういったことなのでしょうか?」
「想像が付いているのではありませんか?」

 中途半端が多少は改善されているかと思い、ソアリスは訊ねてみることにした。

「いえ、フローラのことでしょうか」
「まあ、ご存知だったのですね」
「え?フローラのことを、不快に思っていらっしゃるということではないのでしょうか?」
「それは、そうですわね」

 結局はサブリナ王妃陛下はフローラのことなど、興味もないということなのだろう。だが、王妃としては認めたくない、やはり中途半端である。

 開き直って、ぶちまけてくれたマディオの方がまだいいとすら思った。

「申し訳ございません」
「いえ、もう謝って済む段階は超えておりますの」
「え?」
「確か、侍女はクーナさんでしたわね?」

 今日もサブリナ王妃陛下に付いていた、侍女・クーナに問い掛けた。

「はい…」
「王妃陛下は、ご苦労をされているのかしら?」
「はい、そうでございます」

 クーナは悲痛な表情をして、真剣に答えた。

「例えば、側妃がやらなければならない公務を押し付けられたり?」
「い、いえ」
「では、食事の時間を奪われたり?」
「いえ」
「では、寝る時間を奪われたり?」
「いえ」

 ソアリスは自分がされたら、アンセムに怒鳴り込むよう内容を訊ねてみたが、どれも否定されてしまった。

「では、何の苦労ですの?」
「陛下の公務は多少、行っております」
「そうですか。それは側妃だったとしても言えることだけど、陛下にやっていただくべきでしょう?」
「サブリナ様は、お優しいのでございます」

 クーナはそう信じ、サブリナ王妃陛下も否定しないということは…まるで悲劇の王妃とでも言いたげではないかと、呆れるしかなかった。

「そうなのね、私は絶対にやらないけれど、ロンド王国では陛下の公務を行う方は、お優しいとされるのね。国が違うとそうなのね。メディナ、知らなかったわね」
「そうでございますね」
「あの、いえ…」

 ソアリスがアンセムに妊娠中に押し付けることはあっても、手伝うようなことは絶対にない。

 かと言って、やりたくないと言いながらも、やらないことはないので、メディナが侍女として苦労するようなこともない。

 ここへ来て、ソアリスの輩並みの絡みがさく裂しつつあった。

「私が上手く出来ないからでございます」

 クーナの居たたまれなさに、サブリナが口を開いた。

「しないの間違いではありませんね?」
「はい、勿論でございます」
「では、サブリナ王妃陛下の権限で、集めていただけるかしら?」
「はい、分かりました」
「でも、揉み消されたりしては困るのよね。宰相、どなたか立会人を用意していただけないかしら?」
「そのようなことは…」

 王家の話なのに、どうして立会人などと思い、慌てた。

「王妃陛下で、止められますの?何か弱みでも握られているのかしら?」
「そのようなことは、ございません」

 気が弱い、言い返すようなことは出来ないと言えば、それまでではあるが、あまりに力のない様に何か弱みを握られている方が、納得が出来ると思った。
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