445 / 817
娘3
しおりを挟む
「はあ…良かったわ、まさかお茶会をしているとは思わなかったけど」
「折角、孫が来てくれているんだから!勿論、今日は休んでいいと言われたのよ?サボってないわよ?」
「分かっておりますわ」
ソアリスは休んでいいと言われて、合法的にサボるのが好きなのである。
「さあさあ、エクルもブルックスも折角来たのだから、座って頂戴。レブランもばあさまと、おやつを食べましょう?」
「はい、おばあしゃま、おからだはだいじょうぶでしゅか?」
2歳になったレブランは、ブルックス似に相応しい賢さを発揮している。
「まあ、立派になって!はい、大丈夫ですよ。ばあさまは元気なことだけが得意なことですから」
「それはよかったでしゅ」
「ええ、ありがとう。おやつ食べましょうね」
「はい」
ソアリスは自分が食べることが喜びであり、孫にも食べさせたい。だが、自分も同じように食べるので、食べさせてくれる祖母ではなく、一緒に食べる祖母である。
たらふく食べて、さらに活き活きし始めたソアリスは、オルファーを肩車して、部屋中を闊歩し始めた。
オルファーはバーセム公爵似の渋さを持ちながらも、子どもらしく、祖母の上で喜んでいる。ソアリスは肩車しているので、その笑顔を見れないことが難点だろう。
リズは同じ祖母として、オルファーが嬉しそうで可愛いと思いながら見ていた。
「本当に何もなかったみたいね」
エクルはその様子を見ながら、話し始めた。
「ああ、だが王宮内は大騒ぎだったんだぞ」
ユリウスは当時のことを思い出して、渋い顔をした。門番の一人が慌てて、陛下に知らせに走り、大変です大変ですと言い回っていた。
「ルルエも飛び出して、マイノスもエクシアーヌも飛び出して、一番はカイルスだったけどな」
「へへっ」
カイルスは今までで一番速く走ったのではないかというほど、すぐさま騒ぎがしている方に向かった。
「だが、着いた頃には母上が制圧していたけどな…」
「ああ…」
「しかも、おそらく自作の歌を歌いながら去って行った」
「歌?」
「酷い歌だった…」
げんなりとしたユリウスとマイノスだったが、その言葉に立ち上がったのはケイトであった。
「けいと、おぼえてるわよ?こぶた~おおぶた~ぶたぶた~にぶた~あげぶた~くえもしないぶたはいらにゃいな~ぶたぶた~ぶ~ぶ~ぶひ~ぶひ~」
ケイトは歌い切って、とても自慢気な顔を浮かべている。ソアリスはオルファーに夢中で、全く聞こえていない。
「ケイト…ありがとう」
「どういたしまして」
エクルの言葉にケイトは満足そうに、また席に着いておやつを食べ始めた。
「今の歌を、歌ったのね?」
アリルも歌までは聞いていなかったので、兄たちと同様に白目を剥きそうだった。
「ああ、なぜ豚なのかと思ったら、父上曰く、おそらく犯人の鼻が少々上向きだったからだろうと」
「そう…まあ同情はしないけど」
「母上もだからこその歌だったのだろうと、普段は太っていること、化粧、服装、香りは指摘しても、自分ではどうにもならないことは絶対に言わないだろう?」
「ええ、そうね」
アリルもエクルも、ソアリスが改善が出来ないようなことは、指摘することはしないことは知っている。
あんなに口は悪いゆえに、容姿を馬鹿にしそうなものだが、一線はきちんと引いているところが恐ろしいところであり、ソアリスの尊敬すべきところでもある。
ただし、ふざけた相手には陰でハゲだの、クソだの言っていることはある。
「あと、犯人にも散々罵った後で、ついにクソが!と言い放ったんだ…」
「言ったの?」
「言った…響き渡っていた」
「だが、言っていることは悪い口を除けば、至極真っ当であった」
「まあ、今回は言って当然かもね」
そう言いながら、オルファーとはしゃぐソアリスを皆で、見つめるしかなかった。
「折角、孫が来てくれているんだから!勿論、今日は休んでいいと言われたのよ?サボってないわよ?」
「分かっておりますわ」
ソアリスは休んでいいと言われて、合法的にサボるのが好きなのである。
「さあさあ、エクルもブルックスも折角来たのだから、座って頂戴。レブランもばあさまと、おやつを食べましょう?」
「はい、おばあしゃま、おからだはだいじょうぶでしゅか?」
2歳になったレブランは、ブルックス似に相応しい賢さを発揮している。
「まあ、立派になって!はい、大丈夫ですよ。ばあさまは元気なことだけが得意なことですから」
「それはよかったでしゅ」
「ええ、ありがとう。おやつ食べましょうね」
「はい」
ソアリスは自分が食べることが喜びであり、孫にも食べさせたい。だが、自分も同じように食べるので、食べさせてくれる祖母ではなく、一緒に食べる祖母である。
たらふく食べて、さらに活き活きし始めたソアリスは、オルファーを肩車して、部屋中を闊歩し始めた。
オルファーはバーセム公爵似の渋さを持ちながらも、子どもらしく、祖母の上で喜んでいる。ソアリスは肩車しているので、その笑顔を見れないことが難点だろう。
リズは同じ祖母として、オルファーが嬉しそうで可愛いと思いながら見ていた。
「本当に何もなかったみたいね」
エクルはその様子を見ながら、話し始めた。
「ああ、だが王宮内は大騒ぎだったんだぞ」
ユリウスは当時のことを思い出して、渋い顔をした。門番の一人が慌てて、陛下に知らせに走り、大変です大変ですと言い回っていた。
「ルルエも飛び出して、マイノスもエクシアーヌも飛び出して、一番はカイルスだったけどな」
「へへっ」
カイルスは今までで一番速く走ったのではないかというほど、すぐさま騒ぎがしている方に向かった。
「だが、着いた頃には母上が制圧していたけどな…」
「ああ…」
「しかも、おそらく自作の歌を歌いながら去って行った」
「歌?」
「酷い歌だった…」
げんなりとしたユリウスとマイノスだったが、その言葉に立ち上がったのはケイトであった。
「けいと、おぼえてるわよ?こぶた~おおぶた~ぶたぶた~にぶた~あげぶた~くえもしないぶたはいらにゃいな~ぶたぶた~ぶ~ぶ~ぶひ~ぶひ~」
ケイトは歌い切って、とても自慢気な顔を浮かべている。ソアリスはオルファーに夢中で、全く聞こえていない。
「ケイト…ありがとう」
「どういたしまして」
エクルの言葉にケイトは満足そうに、また席に着いておやつを食べ始めた。
「今の歌を、歌ったのね?」
アリルも歌までは聞いていなかったので、兄たちと同様に白目を剥きそうだった。
「ああ、なぜ豚なのかと思ったら、父上曰く、おそらく犯人の鼻が少々上向きだったからだろうと」
「そう…まあ同情はしないけど」
「母上もだからこその歌だったのだろうと、普段は太っていること、化粧、服装、香りは指摘しても、自分ではどうにもならないことは絶対に言わないだろう?」
「ええ、そうね」
アリルもエクルも、ソアリスが改善が出来ないようなことは、指摘することはしないことは知っている。
あんなに口は悪いゆえに、容姿を馬鹿にしそうなものだが、一線はきちんと引いているところが恐ろしいところであり、ソアリスの尊敬すべきところでもある。
ただし、ふざけた相手には陰でハゲだの、クソだの言っていることはある。
「あと、犯人にも散々罵った後で、ついにクソが!と言い放ったんだ…」
「言ったの?」
「言った…響き渡っていた」
「だが、言っていることは悪い口を除けば、至極真っ当であった」
「まあ、今回は言って当然かもね」
そう言いながら、オルファーとはしゃぐソアリスを皆で、見つめるしかなかった。
4,137
あなたにおすすめの小説
「私が愛するのは王妃のみだ、君を愛することはない」私だって会ったばかりの人を愛したりしませんけど。
下菊みこと
恋愛
このヒロイン、実は…結構逞しい性格を持ち合わせている。
レティシアは貧乏な男爵家の長女。実家の男爵家に少しでも貢献するために、国王陛下の側妃となる。しかし国王陛下は王妃殿下を溺愛しており、レティシアに失礼な態度をとってきた!レティシアはそれに対して、一言言い返す。それに対する国王陛下の反応は?
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】貴方の後悔など、聞きたくありません。
なか
恋愛
学園に特待生として入学したリディアであったが、平民である彼女は貴族家の者には目障りだった。
追い出すようなイジメを受けていた彼女を救ってくれたのはグレアルフという伯爵家の青年。
優しく、明るいグレアルフは屈託のない笑顔でリディアと接する。
誰にも明かさずに会う内に恋仲となった二人であったが、
リディアは知ってしまう、グレアルフの本性を……。
全てを知り、死を考えた彼女であったが、
とある出会いにより自分の価値を知った時、再び立ち上がる事を選択する。
後悔の言葉など全て無視する決意と共に、生きていく。
灯火
松石 愛弓
恋愛
子供のいない男爵家に、幼少時に引き取られたフィーリア。
数年後、義両親に実子が授かり、フィーリアは無用とばかりに男爵令嬢の立場から使用人扱いにされる。
意地悪な義母と義妹の浪費癖のため、無償労働のメイドとしてこき使われる辛い日々。
そんなある日、フィーリアに転機が訪れて・・
珍しくシリアスな感じのお話を書いてしまいました
いつもはこんな感じなのに・・ ^^;
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/122288809/episode/2034446
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/658488266/episode/4191823
新作です。毎週土曜日に更新予定です。興味を持っていただけましたら幸いです。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/910027059/episode/10733961
これは一周目です。二周目はありません。
基本二度寝
恋愛
壇上から王太子と側近子息達、伯爵令嬢がこちらを見下した。
もう必要ないのにイベントは達成したいようだった。
そこまでストーリーに沿わなくてももう結果は出ているのに。
「優秀な妹の相手は疲れるので平凡な姉で妥協したい」なんて言われて、受け入れると思っているんですか?
木山楽斗
恋愛
子爵令嬢であるラルーナは、平凡な令嬢であった。
ただ彼女には一つだけ普通ではない点がある。それは優秀な妹の存在だ。
魔法学園においても入学以来首位を独占している妹は、多くの貴族令息から注目されており、学園内で何度も求婚されていた。
そんな妹が求婚を受け入れたという噂を聞いて、ラルーナは驚いた。
ずっと求婚され続けても断っていた妹を射止めたのか誰なのか、彼女は気になった。そこでラルーナは、自分にも無関係ではないため、その婚約者の元を訪ねてみることにした。
妹の婚約者だと噂される人物と顔を合わせたラルーナは、ひどく不快な気持ちになった。
侯爵家の令息であるその男は、嫌味な人であったからだ。そんな人を婚約者に選ぶなんて信じられない。ラルーナはそう思っていた。
しかし彼女は、すぐに知ることとなった。自分の周りで、不可解なことが起きているということを。
3歳児にも劣る淑女(笑)
章槻雅希
恋愛
公爵令嬢は、第一王子から理不尽な言いがかりをつけられていた。
男爵家の庶子と懇ろになった王子はその醜態を学園内に晒し続けている。
その状況を打破したのは、僅か3歳の王女殿下だった。
カテゴリーは悩みましたが、一応5歳児と3歳児のほのぼのカップルがいるので恋愛ということで(;^ω^)
ほんの思い付きの1場面的な小噺。
王女以外の固有名詞を無くしました。
元ネタをご存じの方にはご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。
創作SNSでの、ジャンル外での配慮に欠けておりました。
お姉様のお下がりはもう結構です。
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
侯爵令嬢であるシャーロットには、双子の姉がいた。
慎ましやかなシャーロットとは違い、姉のアンジェリカは気に入ったモノは手に入れないと気が済まない強欲な性格の持ち主。気に入った男は家に囲い込み、毎日のように遊び呆けていた。
「王子と婚約したし、飼っていた男たちはもう要らないわ。だからシャーロットに譲ってあげる」
ある日シャーロットは、姉が屋敷で囲っていた四人の男たちを預かることになってしまう。
幼い頃から姉のお下がりをばかり受け取っていたシャーロットも、今回ばかりは怒りをあらわにする。
「お姉様、これはあんまりです!」
「これからわたくしは殿下の妻になるのよ? お古相手に構ってなんかいられないわよ」
ただでさえ今の侯爵家は経営難で家計は火の車。当主である父は姉を溺愛していて話を聞かず、シャーロットの味方になってくれる人間はいない。
しかも譲られた男たちの中にはシャーロットが一目惚れした人物もいて……。
「お前には従うが、心まで許すつもりはない」
しかしその人物であるリオンは家族を人質に取られ、侯爵家の一員であるシャーロットに激しい嫌悪感を示す。
だが姉とは正反対に真面目な彼女の生き方を見て、リオンの態度は次第に軟化していき……?
表紙:ノーコピーライトガール様より
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる