私のバラ色ではない人生

野村にれ

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娘3

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「はあ…良かったわ、まさかお茶会をしているとは思わなかったけど」
「折角、孫が来てくれているんだから!勿論、今日は休んでいいと言われたのよ?サボってないわよ?」
「分かっておりますわ」

 ソアリスは休んでいいと言われて、合法的にサボるのが好きなのである。

「さあさあ、エクルもブルックスも折角来たのだから、座って頂戴。レブランもばあさまと、おやつを食べましょう?」
「はい、おばあしゃま、おからだはだいじょうぶでしゅか?」

 2歳になったレブランは、ブルックス似に相応しい賢さを発揮している。

「まあ、立派になって!はい、大丈夫ですよ。ばあさまは元気なことだけが得意なことですから」
「それはよかったでしゅ」
「ええ、ありがとう。おやつ食べましょうね」
「はい」

 ソアリスは自分が食べることが喜びであり、孫にも食べさせたい。だが、自分も同じように食べるので、食べさせてくれる祖母ではなく、一緒に食べる祖母である。

 たらふく食べて、さらに活き活きし始めたソアリスは、オルファーを肩車して、部屋中を闊歩し始めた。

 オルファーはバーセム公爵似の渋さを持ちながらも、子どもらしく、祖母の上で喜んでいる。ソアリスは肩車しているので、その笑顔を見れないことが難点だろう。

 リズは同じ祖母として、オルファーが嬉しそうで可愛いと思いながら見ていた。

「本当に何もなかったみたいね」

 エクルはその様子を見ながら、話し始めた。

「ああ、だが王宮内は大騒ぎだったんだぞ」

 ユリウスは当時のことを思い出して、渋い顔をした。門番の一人が慌てて、陛下に知らせに走り、大変です大変ですと言い回っていた。

「ルルエも飛び出して、マイノスもエクシアーヌも飛び出して、一番はカイルスだったけどな」
「へへっ」

 カイルスは今までで一番速く走ったのではないかというほど、すぐさま騒ぎがしている方に向かった。

「だが、着いた頃には母上が制圧していたけどな…」
「ああ…」
「しかも、おそらく自作の歌を歌いながら去って行った」
「歌?」
「酷い歌だった…」

 げんなりとしたユリウスとマイノスだったが、その言葉に立ち上がったのはケイトであった。

「けいと、おぼえてるわよ?こぶた~おおぶた~ぶたぶた~にぶた~あげぶた~くえもしないぶたはいらにゃいな~ぶたぶた~ぶ~ぶ~ぶひ~ぶひ~」

 ケイトは歌い切って、とても自慢気な顔を浮かべている。ソアリスはオルファーに夢中で、全く聞こえていない。

「ケイト…ありがとう」
「どういたしまして」

 エクルの言葉にケイトは満足そうに、また席に着いておやつを食べ始めた。

「今の歌を、歌ったのね?」

 アリルも歌までは聞いていなかったので、兄たちと同様に白目を剥きそうだった。

「ああ、なぜ豚なのかと思ったら、父上曰く、おそらく犯人の鼻が少々上向きだったからだろうと」
「そう…まあ同情はしないけど」
「母上もだからこその歌だったのだろうと、普段は太っていること、化粧、服装、香りは指摘しても、自分ではどうにもならないことは絶対に言わないだろう?」
「ええ、そうね」

 アリルもエクルも、ソアリスが改善が出来ないようなことは、指摘することはしないことは知っている。

 あんなに口は悪いゆえに、容姿を馬鹿にしそうなものだが、一線はきちんと引いているところが恐ろしいところであり、ソアリスの尊敬すべきところでもある。

 ただし、ふざけた相手には陰でハゲだの、クソだの言っていることはある。

「あと、犯人にも散々罵った後で、ついにクソが!と言い放ったんだ…」
「言ったの?」
「言った…響き渡っていた」
「だが、言っていることは悪い口を除けば、至極真っ当であった」
「まあ、今回は言って当然かもね」

 そう言いながら、オルファーとはしゃぐソアリスを皆で、見つめるしかなかった。
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