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兄2
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「私が知る限り、太っていることはなかったが?」
アンセムはソアリスが、太っていると思ったことは一度もない。妊娠中も、お腹は大きくなっていたが、それだけで、その後は努力で元に戻している。
七度も出産したが、体重を戻すことに関して、食べれないことに文句は言っていても、誰かのせいにすることは一度もなかった。
「私もソアリスが太っていると思ったことは一度もありませんでした」
サイラスは否定的ではあったが、関わることをしなかっただけである。
「それなのに、太っている母には言わないのです。ララシャ曰く、お母様に言ったら、傷付いてしまうかもしれないでしょうと言うのです」
「なんだそれは…」
「ララシャの基準は自分、何が良いか悪いかも自分でしたから…今となっては、父は何も言わないことが問題でしたが…皆で、ソアリスには、何を言ってもいい、何をしてもいい、存在に、していたのだと思います」
サイラスは時折、言葉に詰まりながら、懺悔するように話した。
「そうなのだろうな…おかげでソアリスは自分を守るために、悪い口と今でも子どもや孫を肩車する体力を持っている」
「はい…」
「ソアリスは一般的ないい妻とは違うが、私にはかけがえのない妻で、良き王妃で、そして何より良き母です」
アンセムもソアリスのような妻はどこにもいない、困らせられることも多いが、それも含めて充実した人生をもたらしてくれたと思っている。
「はい…私も陰ながら嬉しく思っております」
サイラスはわずかな時間ではあったが、王子と王女夫妻と、孫たちがあのような楽しそうに集まる姿を、自邸でも他の邸でも見たことがない。
「意図したことではないと思うが、ソアリスはいつも一番前を走っているような存在だ。特に子どもたちは私より母の背中を追っている」
「そんなことは…」
「子どもたちに聞くといい、私が父親で良かったか、ソアリスが母親で良かったか、どちらか選ぶように言えば、きっと全員ソアリスを選ぶよ」
子どもたちは何かある度にソアリスの名前を出す。孫たちも祖母であるソアリスが大好きである。アンセムもそれでいいと思っており、勝てるとも思っていない。
「ソアリスは自身の母があのようだったのに、まさに自分の力で立派な母親になったのでしょう」
「ええ、ソアリスは絶対に手を上げることはしないからな」
ソアリスはあまりなかったが、平気で嫌味を言ったり、怒ったりはするが、手を上げることは一度もない。自身がそのような環境だと同じことをするという場合もあるそうだが、ソアリスは絶対にしなかった。
もしかしたら、思わず手を出しそうなこともあったかもしれない。でも、絶対にしなかった。
「父や私が止めるべきでした…本当に申し訳ないことをしました」
「私もさすがに驚きました。婚約が決まって、会った時も、殴られていたと聞いた時は、どうなっているのかと思いましたしね」
「はい…前の日に揉めておりまして、ソアリスは口が悪いだけで言っていることは真っ当なのですが」
「だからこそ、腹を立てるのでしょうね」
「はい、母はソアリスに口では勝てないものですから、すぐに手が出るのです」
ソアリスも同じことを言っていた、確かにあの悪い口に勝てる者はなかなかいないだろう。
「ソアリスは殴り返せる年になっても、お前と同じ舞台には立たないと、やり返さなかったそうですよ」
体重による階級が違うなどとも、言っていたこともある。
「っ、そうでしたか」
サイラスもソアリスはあれだけ運動をしていたら、いくら母が太っているとはいえ、やり返せるのではないかと思っていた。いや、むしろやり返されて当然のことをしていたのだから、嫌ならやり返せばいいと思っていた。
「だから、別の形でソアリスはやり返し続けたのですけどね」
「はい…最初は誰も気付いてもいませんでしたが、一番効果的だったと思います」
アンセムはソアリスが、太っていると思ったことは一度もない。妊娠中も、お腹は大きくなっていたが、それだけで、その後は努力で元に戻している。
七度も出産したが、体重を戻すことに関して、食べれないことに文句は言っていても、誰かのせいにすることは一度もなかった。
「私もソアリスが太っていると思ったことは一度もありませんでした」
サイラスは否定的ではあったが、関わることをしなかっただけである。
「それなのに、太っている母には言わないのです。ララシャ曰く、お母様に言ったら、傷付いてしまうかもしれないでしょうと言うのです」
「なんだそれは…」
「ララシャの基準は自分、何が良いか悪いかも自分でしたから…今となっては、父は何も言わないことが問題でしたが…皆で、ソアリスには、何を言ってもいい、何をしてもいい、存在に、していたのだと思います」
サイラスは時折、言葉に詰まりながら、懺悔するように話した。
「そうなのだろうな…おかげでソアリスは自分を守るために、悪い口と今でも子どもや孫を肩車する体力を持っている」
「はい…」
「ソアリスは一般的ないい妻とは違うが、私にはかけがえのない妻で、良き王妃で、そして何より良き母です」
アンセムもソアリスのような妻はどこにもいない、困らせられることも多いが、それも含めて充実した人生をもたらしてくれたと思っている。
「はい…私も陰ながら嬉しく思っております」
サイラスはわずかな時間ではあったが、王子と王女夫妻と、孫たちがあのような楽しそうに集まる姿を、自邸でも他の邸でも見たことがない。
「意図したことではないと思うが、ソアリスはいつも一番前を走っているような存在だ。特に子どもたちは私より母の背中を追っている」
「そんなことは…」
「子どもたちに聞くといい、私が父親で良かったか、ソアリスが母親で良かったか、どちらか選ぶように言えば、きっと全員ソアリスを選ぶよ」
子どもたちは何かある度にソアリスの名前を出す。孫たちも祖母であるソアリスが大好きである。アンセムもそれでいいと思っており、勝てるとも思っていない。
「ソアリスは自身の母があのようだったのに、まさに自分の力で立派な母親になったのでしょう」
「ええ、ソアリスは絶対に手を上げることはしないからな」
ソアリスはあまりなかったが、平気で嫌味を言ったり、怒ったりはするが、手を上げることは一度もない。自身がそのような環境だと同じことをするという場合もあるそうだが、ソアリスは絶対にしなかった。
もしかしたら、思わず手を出しそうなこともあったかもしれない。でも、絶対にしなかった。
「父や私が止めるべきでした…本当に申し訳ないことをしました」
「私もさすがに驚きました。婚約が決まって、会った時も、殴られていたと聞いた時は、どうなっているのかと思いましたしね」
「はい…前の日に揉めておりまして、ソアリスは口が悪いだけで言っていることは真っ当なのですが」
「だからこそ、腹を立てるのでしょうね」
「はい、母はソアリスに口では勝てないものですから、すぐに手が出るのです」
ソアリスも同じことを言っていた、確かにあの悪い口に勝てる者はなかなかいないだろう。
「ソアリスは殴り返せる年になっても、お前と同じ舞台には立たないと、やり返さなかったそうですよ」
体重による階級が違うなどとも、言っていたこともある。
「っ、そうでしたか」
サイラスもソアリスはあれだけ運動をしていたら、いくら母が太っているとはいえ、やり返せるのではないかと思っていた。いや、むしろやり返されて当然のことをしていたのだから、嫌ならやり返せばいいと思っていた。
「だから、別の形でソアリスはやり返し続けたのですけどね」
「はい…最初は誰も気付いてもいませんでしたが、一番効果的だったと思います」
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