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10 プロデュース!?
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隼人が、はるかの方に向かって歩いてくる。
隼人の左手にはギブスがはめられ、肩から巻いた包帯で固定されていた。
(ど、どうしよう!?)
はるかはカチンコチンに固まったまま、身動きできなかった。
「『BEAT』の、ガールズヒップホップクラスの、子、だよね?」
少し自信なさそうに、隼人が言った。
「隼人先輩。わたしのこと、覚えてくれてたんですか?」
(やばい。ドキドキする)
「センスある動きするなーって、実は時々見てた」
「まぁ、それほどでもー」
まんざらでもなさそうに答えるモモの腕を、はるかはすばやくこづいた。
隼人が、モモの方を見る。
「えっと、この子は、えっと……」
はるかは、あわてて説明しようとしたが、うまい言い訳が思いつかない。
「でも、知らなかったなぁ。おまえら、双子だったなんて」
隼人が、二人を見比べて言った。
「ふたご!? 違うよ、わたしは……」
開いたモモの口を、はるかが必死で押さえる。
(キラキラ星から来たなんて言ったら、頭のおかしな子だと思われちゃう!)
「そうなんです。わたしたち、一卵性の双子なんです!」
はるかが叫ぶように言った。
モモが、はるかの手をはがし、
「あー、苦しかった!」
と、ゼーゼー息をしている。
はるかは、黙ってて、と口だけを動かしてモモにうったえた。
それを見た隼人が、おかしそうに笑う。
はるかは、はずかしくて顔がカーッと熱くなった。
「今のダンス、息、ぴったりだった。すげーって思った」
隼人の目が、まっすぐはるかを見つめている。
「ありがとうございます」
(ダメ。心臓が飛び出しそう)
はるかは、手で胸を押さえた。
それ以上目をあわせていられなくて、視線をはずした。
隼人のギブスが、目に飛びこんでくる。
「先輩、腕、大丈夫ですか?」
「あ、これ? かっこ悪いよなー。ま、ブレイキンに怪我はつきものだから」
と、隼人は真っ白い歯を見せて笑った。
「あの、今度のコンテスト、『DRAGON』は出ないんですか?」
「出るよ」
隼人が、さらっと答えた。
「よかったぁ。わたし、『DRAGON』のファンで……」
と、はるかが、胸をなでおろしたのもつかの間。
「オレ、抜きでね」
隼人が気まずそうに言った。
「え?」
はるかは隼人を見つめたまま、言葉が続けられなかった。
「全治、三ヶ月だって」
隼人が包帯の腕に、視線を落とす。
コンテスト当日まで、あと二ヶ月しかない。
「隼人先輩がいない『DRAGON』なんて、つまんない。わたし、隼人先輩のダンスが好きなんです!」
勢いで言ってしまってからはるかは、なんだか告白みたいだったと、モーレツに顔が熱くなる。
「サンキュ。でも、チームのみんなに迷惑かけられないし」
隼人が、照れくさそうに言う。
「おまえ……えっと、名前、何だっけ?」
「はるかです。藤崎はるか。で、こっちが……」
(ちょっと、自己紹介くらいしなさいよ。感じ悪いでしょ)
はるかがモモのそでをひっぱったが、モモは、
「だって、黙っててっていったでしょ」
と、小さな声ではるかに耳打ちしてくる。
(もう!)
「こっちは、モモです」
はるかはモモの腕をひっぱりながら、隼人に向かって微笑んだ。
「二人とも、ホントに似てるな。『BEAT』に来ているのは、はるかの方?」
名前を呼ばれて、ドキッとする。
(いきなり呼びすてですか、隼人センパイ!)
「なんで、わかるんですか?」
「なんとなく、雰囲気でね。はるかとモモは、二人でコンテストに出るの?」
「まさか」
と、はるかは、首を横に振った。
「わたし、マイ先生の選抜チームに入れなかったんです。だから、今回は見学組。先輩と一緒です」
「オーディション当日、インフルエンザじゃ、しかたないよな」
隼人の言葉に、はるかは驚いた。
「なんで、知ってるんですか? インフルエンザのこと」
「オレの家、ここだから」
隼人は、公園の目の前に建っている病院を指差した。
「先週、お母さんと一緒に来てたでしょ? チラっと見かけた。オレが怪我したのと同じ日だったから、よく覚えてる」
隼人はそこで、ンンッとわざとらしく咳払いした。
「あのさ。オレはこの腕だから無理だけど、はるかとモモは二人で出ろよ、コンテスト。さっきのダンス、ホントすごかったから」
「それ、すっごくいいアイデアじゃない?」
そっぽを向いていたモモが、話にくいついてきた。
ものすごーく、目をキラキラさせている。さすがキラキラ星人。
だが、はるかはうつむいた。
「無理です、そんなの。さっきのダンスは、マイ先生の選抜チームの振りだから。わたし、ダンスの振り付けなんて、やったことないし……」
「振り付けなら、オレがやるよ。今はブレイクダンスが中心だけど、こう見えてもヒップホップもジャズもバレエも、一通りかじってるんだ」
「隼人先輩が、振り付けを?」
隼人がうなずいた。
(隼人先輩にダンスを教えてもらえるなんて!)
こんなチャンス、二度とめぐってこないかもしれない。できることなら、お願いします、と言いたかった。
「いいじゃん、はるか。二人で出ようよ、コンテスト!」
なんて、お気楽なんだろう。はるかは、モモをにらんだ。
「せっかくだけど……ちょっと訳があって、わたしたちが双子だってことは、周りの友達には秘密なんです。だから、コンテストには」
出ません、という言葉が続かなかった。
(わたし、コンテストに出たい)
はるかの本当の気持ちが、言葉をひきとめる。
「つまりコンテストに出場した二人が、はるかとモモだってことが、周りにばれなければいいってことだよな?」
はるかの返事を待たずに、隼人が続けた。
「変身すればいいんじゃない?」
「へ、へんしん?」
モモが驚いたように、声をあげた。
「うん。例えばコスプレとか」
「コスプレ!?」
今度は、はるかが叫ぶと、隼人は手を顔の前で振った。
「誤解するなよ。変な趣味とか、ないから。コスプレじゃなくても、ウィッグとかメイクとか衣装で、誰かわからなくすればいいんだよ。女の子って、そういうの得意じゃん?」
モモが、パチンと手を叩いた。
「はるかが見ていた雑誌の、仮面メイクだ! あれ、いいんじゃない?」
「あ、うん……」
はるかが、あいまいに返事をする。
「なんか、面白くなってきた。絶対にかっこいいダンスつくるから、オレに二人をプロデュースさせてよ」
隼人が、はるかに一歩近づいた。
「な、いいよな?」
隼人のまなざしに、ドクンと心臓がとびはねる。
「はい!」
はるかは、思わずうなずいてしまっていた。
「コンテストの応募用紙出すから、とりあえず、チーム名考えてきて。明日の日曜日、またこの時間に、ここで会える?」
「は、はい!」
(約束、しちゃった!)
隼人の左手にはギブスがはめられ、肩から巻いた包帯で固定されていた。
(ど、どうしよう!?)
はるかはカチンコチンに固まったまま、身動きできなかった。
「『BEAT』の、ガールズヒップホップクラスの、子、だよね?」
少し自信なさそうに、隼人が言った。
「隼人先輩。わたしのこと、覚えてくれてたんですか?」
(やばい。ドキドキする)
「センスある動きするなーって、実は時々見てた」
「まぁ、それほどでもー」
まんざらでもなさそうに答えるモモの腕を、はるかはすばやくこづいた。
隼人が、モモの方を見る。
「えっと、この子は、えっと……」
はるかは、あわてて説明しようとしたが、うまい言い訳が思いつかない。
「でも、知らなかったなぁ。おまえら、双子だったなんて」
隼人が、二人を見比べて言った。
「ふたご!? 違うよ、わたしは……」
開いたモモの口を、はるかが必死で押さえる。
(キラキラ星から来たなんて言ったら、頭のおかしな子だと思われちゃう!)
「そうなんです。わたしたち、一卵性の双子なんです!」
はるかが叫ぶように言った。
モモが、はるかの手をはがし、
「あー、苦しかった!」
と、ゼーゼー息をしている。
はるかは、黙ってて、と口だけを動かしてモモにうったえた。
それを見た隼人が、おかしそうに笑う。
はるかは、はずかしくて顔がカーッと熱くなった。
「今のダンス、息、ぴったりだった。すげーって思った」
隼人の目が、まっすぐはるかを見つめている。
「ありがとうございます」
(ダメ。心臓が飛び出しそう)
はるかは、手で胸を押さえた。
それ以上目をあわせていられなくて、視線をはずした。
隼人のギブスが、目に飛びこんでくる。
「先輩、腕、大丈夫ですか?」
「あ、これ? かっこ悪いよなー。ま、ブレイキンに怪我はつきものだから」
と、隼人は真っ白い歯を見せて笑った。
「あの、今度のコンテスト、『DRAGON』は出ないんですか?」
「出るよ」
隼人が、さらっと答えた。
「よかったぁ。わたし、『DRAGON』のファンで……」
と、はるかが、胸をなでおろしたのもつかの間。
「オレ、抜きでね」
隼人が気まずそうに言った。
「え?」
はるかは隼人を見つめたまま、言葉が続けられなかった。
「全治、三ヶ月だって」
隼人が包帯の腕に、視線を落とす。
コンテスト当日まで、あと二ヶ月しかない。
「隼人先輩がいない『DRAGON』なんて、つまんない。わたし、隼人先輩のダンスが好きなんです!」
勢いで言ってしまってからはるかは、なんだか告白みたいだったと、モーレツに顔が熱くなる。
「サンキュ。でも、チームのみんなに迷惑かけられないし」
隼人が、照れくさそうに言う。
「おまえ……えっと、名前、何だっけ?」
「はるかです。藤崎はるか。で、こっちが……」
(ちょっと、自己紹介くらいしなさいよ。感じ悪いでしょ)
はるかがモモのそでをひっぱったが、モモは、
「だって、黙っててっていったでしょ」
と、小さな声ではるかに耳打ちしてくる。
(もう!)
「こっちは、モモです」
はるかはモモの腕をひっぱりながら、隼人に向かって微笑んだ。
「二人とも、ホントに似てるな。『BEAT』に来ているのは、はるかの方?」
名前を呼ばれて、ドキッとする。
(いきなり呼びすてですか、隼人センパイ!)
「なんで、わかるんですか?」
「なんとなく、雰囲気でね。はるかとモモは、二人でコンテストに出るの?」
「まさか」
と、はるかは、首を横に振った。
「わたし、マイ先生の選抜チームに入れなかったんです。だから、今回は見学組。先輩と一緒です」
「オーディション当日、インフルエンザじゃ、しかたないよな」
隼人の言葉に、はるかは驚いた。
「なんで、知ってるんですか? インフルエンザのこと」
「オレの家、ここだから」
隼人は、公園の目の前に建っている病院を指差した。
「先週、お母さんと一緒に来てたでしょ? チラっと見かけた。オレが怪我したのと同じ日だったから、よく覚えてる」
隼人はそこで、ンンッとわざとらしく咳払いした。
「あのさ。オレはこの腕だから無理だけど、はるかとモモは二人で出ろよ、コンテスト。さっきのダンス、ホントすごかったから」
「それ、すっごくいいアイデアじゃない?」
そっぽを向いていたモモが、話にくいついてきた。
ものすごーく、目をキラキラさせている。さすがキラキラ星人。
だが、はるかはうつむいた。
「無理です、そんなの。さっきのダンスは、マイ先生の選抜チームの振りだから。わたし、ダンスの振り付けなんて、やったことないし……」
「振り付けなら、オレがやるよ。今はブレイクダンスが中心だけど、こう見えてもヒップホップもジャズもバレエも、一通りかじってるんだ」
「隼人先輩が、振り付けを?」
隼人がうなずいた。
(隼人先輩にダンスを教えてもらえるなんて!)
こんなチャンス、二度とめぐってこないかもしれない。できることなら、お願いします、と言いたかった。
「いいじゃん、はるか。二人で出ようよ、コンテスト!」
なんて、お気楽なんだろう。はるかは、モモをにらんだ。
「せっかくだけど……ちょっと訳があって、わたしたちが双子だってことは、周りの友達には秘密なんです。だから、コンテストには」
出ません、という言葉が続かなかった。
(わたし、コンテストに出たい)
はるかの本当の気持ちが、言葉をひきとめる。
「つまりコンテストに出場した二人が、はるかとモモだってことが、周りにばれなければいいってことだよな?」
はるかの返事を待たずに、隼人が続けた。
「変身すればいいんじゃない?」
「へ、へんしん?」
モモが驚いたように、声をあげた。
「うん。例えばコスプレとか」
「コスプレ!?」
今度は、はるかが叫ぶと、隼人は手を顔の前で振った。
「誤解するなよ。変な趣味とか、ないから。コスプレじゃなくても、ウィッグとかメイクとか衣装で、誰かわからなくすればいいんだよ。女の子って、そういうの得意じゃん?」
モモが、パチンと手を叩いた。
「はるかが見ていた雑誌の、仮面メイクだ! あれ、いいんじゃない?」
「あ、うん……」
はるかが、あいまいに返事をする。
「なんか、面白くなってきた。絶対にかっこいいダンスつくるから、オレに二人をプロデュースさせてよ」
隼人が、はるかに一歩近づいた。
「な、いいよな?」
隼人のまなざしに、ドクンと心臓がとびはねる。
「はい!」
はるかは、思わずうなずいてしまっていた。
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