転生石好き令嬢の生存戦略

ぬるちぃるちる

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転生石好き令嬢の生存戦略<後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の前編>

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……で、あの後、めちゃくちゃ怒られた。

いやぁ……、なんて言うか、私。
男の子の生態を侮っていました。

……だって、この事は私達だけの秘密にしましょうねって言ったじゃない?
ベルだって、子供だけで山に入ったの解ったら怒られるって知ってたでしょう!

倉庫までならグレーゾーンだったけど、子供だけで庭に出たのはアウトだもの。
まあ、普段からこそこそ出たりしてるけど。

今日は、1日平和に、倉庫でアイテムを物色していたと言う事で、打ち合わせしたじゃない?
二人とも「わかった。」って確認したはずよ?

では、何故ばれたか?
それは、二人が服の下に、本日仕留めたあのムカデの一部パーツを隠し持ってきてしまったからだ。
そんな獲れたてつやつやの漆色の外骨格隠して、何故ばれないと思ったし。
いや、隠したからばれないと思ったのか?


……悪夢は母の一声から始まった。

「まあ二人とも、こだぬきさんの様なお腹、どうしたの?」
 帰りに疲労からか、からっぽの割に重く感じるバスケットを持って楚々と歩いて来た私は、
お屋敷の入り口に偶然居合わせた母のその声を聞くまで、背後の二人の異変に気付いていなかった。

ぎょっとして振り返ると、二人とも服の中に明らかに何かを隠している。
焦って眼で問い詰めるも、二人してすっと逸らされた。

これでは、やましい事がありますと言っている様なものだ。
そして母に向き直り、笑顔で誤魔化そうとするベルと、何事も無かったかのような顔のシオン。
対照的な二人から距離を取って私は部外者ですという風を装ってみる。

「三人とも、ちょっとこっちにいらっしゃい。」
 だが逃げられない!!

扇を畳んだ母の顔には、隠し事をしようとした子供達への静かな怒りが浮かんでいた。
シオンも一緒とはいえ、これは話が長くなりそうだ。

入口に近い小部屋で、母の閉じた扇の先端を柔らかほっぺにめり込ませたベルは、観念して、隠していたムカデの外骨格を服の下から取りだす。
私は脱力感も相まって、より一層重く感じたバスケットをそっとテーブルに置いた。

フィエブオオムカデの外骨格は、倒した直後の処理次第で、武器から薬まで色々なものが作れます。
食後にベルがシオンに説明しながら解体してるのが、とても良い子守唄代わりになって、
一人で日よけのパラソルの元、微睡まどろんでいたツケがこんな形で現れると知っていたならば!
しっかり監修しておくべきでした。
これが、「後悔先に立たず」ですね。

「何故大きいままで……。」
 せめて処理の際に、小さく切って持ってくるとか他に方法は有ったはず。
黒くてつやつやの、装飾用の処理がしてある背中側の関節一つ分ずつ机の上に置く二人に呆れて、思わず呻く様に呟いてしまう。

「そういう問題ではありません。」
 母は、聞き洩らしてはくれなかったようで、即座に冷たい声で突っ込まれた。
以前だったら卒倒してたレベルの案件だと思うけど、母様ったら、最近逞しくなって来たなと思う。 
……誰の所為かとかは聞かないでほしい。

漆塗りの鎧の腹部を連想させるつやつやのカーブを眺めつつ母の小言を聞き流していると、
さっきまで抱えていたバスケットが、テーブルの上でごそっと動いた気がした。
私以外気付いた様子はない。
気のせい?あれっ?疲れているのかしら?

そしてゆっくりと持ちあがったバスケット蓋の下で光る二つの目。
しっかりと目があってしまいました。
……そう、空の割に重いと思ったのは気のせいでは無かったのね……。
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