転生石好き令嬢の生存戦略

ぬるちぃるちる

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転生石好き令嬢の生存戦略<後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の後編の前編>

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母をお姫様だっこした父を見て、シオンが何かに気付いた顔をしました。
きっと残念なことです。
一方的に、決めつけるのも良く無いとは思うのですが、今から口にするだろう言葉は、
ほぼ確実に、十中八九通り越して、九割九分九厘、残念なことです。
にも関わらず、その発言を心なしか楽しみにしている私がいるのはどういう訳でしょう?

「この子の性別は、どっちなんだろう?」
 私はそんな事より、予想を裏切らないシオンの思考回路を見てみたいです。

「シオンに大人しくお姫様抱っこされてるから女の子じゃないかしら?」
 ちょっと魔が差しました。
ふざけすぎたかな?と、思わないでもないですが、この位で怒ったりはしないでしょう。

「やっぱりディーもそう思う?」
 真面目な顔で問い掛けてくる姿は天使のようですが、……。
そうですか。
私の冗談とあなたの本気とかいてガチは、合致がっちしましたか。
……なんちゃって。

「女の子なら宝石から名前を取らなくてはな。」
 この世界では、話せば長くなりますが、女の子には、将来の幸せをを願って宝石に由来する名前を付ける風習があります。
例えば、私の名前はガーネット、サフィール様はサファイア、ヒロインのデフォルトネームのディアミリア様はダイアモンド、流石ヒロイン、……強そうです。

「そうね、ブラックスターサファイアと言うよりは、ブラックマトリクスオパールの方がイメージに近いけれど、
 名前となるとどうかしら?ラルビカイト、オニキス、ヘマタイト、黒だけじゃなくて、
 眼の赤さも考えるとレッドタイガーアイ、マホガニーオブシディアン、ポピージャスパーもいいかも?」
 ただでさえ好きな石の話です。
ふざけてばかりもどうかと思うので、少し真面目に答えました。
後、折角なので、後々の営業の事も考え、領地内で採れる石が良いです。

「本当に、石が好きなんだな。良く解らないが、サファイア以外が良いのではないか?」
 優しく微笑みながら、趣味を肯定してくれる姿に感動もひとしおです。
確かにサファイアでは、サフィール様を連想してしまいますよね。

「紅い石が良いと思う。だってフェニックスなんでしょ?」
 小首を傾げてそう言う小悪魔モードのベルの発言でフェニックスが、本来、鳥の姿をしている事を思い出しました。
でも、私的には、大きな動物が、ちびと呼ばれているのもストーリー性が有っていいと思います。
黒でも赤でも可愛い名前がいいわ!

話をしながら歩いていたら、あっという間に、客間です。
昨日と同じ客間にて、ライトブリンガー侯爵夫妻がソファーにかけ、待っていてくださいました。
表情が硬いのは勘違いではないでしょう。

母は、お父様が別室に休ませるよう手配済みで、この部屋には居ません。

私達子供三人は、促されるまま、足の短い横長のソファーに、シオンを真ん中にして座りました。
暗黒スライムは、シオンの膝の上で大人しくしています。
なんだか、すごく懐いてますね。
別にうらやましくなんて無いです。

「グレナディア、今日は、何をしていたのか、説明して欲しい。」
 あ、はい。
私も最近、自分が解説役ポジな気がしていたんです。
ベルが何と言ったのか凄く気になりますが、ここは、正直に話しましょう。

ボルケニィウス火山中腹の倉庫の庭の外敵避けの結界が緩んでた事、ベルがフィエブオオムカデを倒した事、
お弁当はたこ焼きだった事、帰りのバスケットが重かった事、シオンの鑑定スキルで聖獣フェニックスとされる暗黒スライムが入ってた事、
ベルが、この謎生命体と会話できるっぽい事、ムカデのお腹で、暗黒スライムの殻が溶かされてしまってる事を客観的に説明してみた。

「まあ、辛かったでしょうね。」
 シオンのお母様が、うるわしい慈愛の表情で、暗黒スライムをみつめます。

「ピィ!」
 暗黒スライムのひよこ声を聞いても動揺した様子は無いです。
シオンの心が強く、軸がしっかりしている処は、お母様譲りなのかしら?

「だが、ずっとそのまま抱えて居る訳にはいかないだろう?」
 大人らしい発言はシオンのお父様ですね。

シオンは少し考えてから、『大きめのエッグスタンド』と、小さな声で呟きました。

「すまない少し、抱いて居てくれないか?」
 大切そうに差し出されたそれを、条件反射で受取ると、シオンが消えました。
どうやら固有スキルの転移術を使ったようですが、唐突なそれに、私もベルも固まってしまいました。
ベルと言い、シオンと言い、もう少し、行動前に、事前説明があって良いと思うのです。

「まあ、すぐに戻ってくるわよ。」
 おっとりとした、シオンのお母様の言葉に、男の子を3人育てた余裕を垣間見た気がしました。
暇になった私は、両手の中のもったりとしたつきたてのお餅のような温もりをゆるく揉みながら、名前どうしようかなと思いました。
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