46 / 56
第二部
第10話
しおりを挟む
「うぅ…。」
「すいませんってば。」
布団をかぶってベッドでうめいていると、三目君が頬をかきながら謝ってくる。こんなことが前にもあったような気がするが、どうでもいい。
「三目君の変態、エッチ、変態。」
「男はみんな変態なんですよ。」
開き直ったように笑う三目君をジロリと睨みつけると、流石に申し訳なくなったのかしょんぼりと肩を落とした。
「やりすぎました。すいません。許してください、幸尚さん。もうあんな激しいこと言いませんから。」
「そ、それは…。」
先程の雄臭い三目君を思い出すと、ズクリと腹のあたりが疼いてしまう。正直に言うと、とてもカッコよかったし、感じてしまった。
「…幸尚さんもそんなに嫌そうじゃないみたいだし、またやりますね。」
「そんなこと言ってない!!!」
三目君に気持ちを見透かされてしまってようで、そんなことを言われてしまう。顔を真っ赤にして暴れていると、「はいはい。そろそろご飯ですよ。」とギャルソンエプロンをつけた瀬尾君が部屋に入ってくる。
「ほら、2人とも腹減ったでしょ。作ったから早く食べましょう。明日も仕事なんだから早く寝ないと。」
「「はーい。」」
3人で過ごすことが多くなって、それぞれの部屋に本人以外のスーツやシャツが置かれるようになってしまった。部屋に行けばそう言う雰囲気になって泊まることが多くなってきたからだ。もちろん瀬尾君の部屋にも自分と三目君のスーツや下着が一式置いてある。
「相変わらず美味しいね。」
「料理の腕だけは認めてやる。」
「ありがとうございます、幸尚さん。」
瀬尾君が作ってくれたカルボナーラを食べる。するとやっぱり話題は小鳥遊君のことになってしまった。
「あの小鳥遊って奴。営業なんてできてるの?Ωなことを全面に出して媚び媚び営業しからできなさそうだけど。」
三目君が口いっぱいにカルボナーラを頬張る。頬にソースが付いてしまっていたので、ティッシュで拭いてあげると「幸尚さん、お嫁さんみたい…。」と言われて、瀬尾君に頭を叩かれていた。
「…否定できないのが指導役として痛い所だな。確かに小鳥遊は容姿とΩって所を強くアピールして契約を取ってきてる。取引先の会社や相手について調べたり話したりしているところは見たことないな。…一応俺もしっかり調べるように伝えてはいるんだが、なかなか響かない。それに…。」
「自分に迫ってくる始末って?あーヤダヤダ。ああいうΩがいるから本当に仕事頑張ってるΩが馬鹿にされるんだよね。番のαを探しにきてるだけの役立たずってね。小鳥遊なんてそんな奴らの典型でしょ?」
三目君の言葉を聞いて、カルボナーラを食べる手を止める。そして不思議そうな顔をしている三目君の頬を思いっきり引っ張ってやった。
「いだだだだだ!いだい!いだいですよ、幸尚さん!」
「そんな悪口を言うのはこの口かなぁ?んー?どうかなぁ?分かんないなぁ?もう少し引っ張るかなぁ?」
「あーーー!いだい!いだいです!!ごめんなさい!もういいまぜんがらぁ!」
「よし、それでいい。」
手を離してやると、三目君は涙目で頬をさすっていた。
「うー、どうしてあんな奴庇うんですか、幸尚さん。あなたを虐めた奴なんですよ。それに指導役の瀬尾だっててをやいてるんだからろくな奴じゃないですって!」
「もう一度引っ張られたいのかなぁ?」
「ごめんなさい!」
今度は一瞬で謝ってきた。
「…俺もあいつを一人前にしてやりたいんですけど、ああもあからさまにアピールされるとやり辛くて。小鳥遊はΩだから下手なことをしてフェロモンなんか出されたら俺も危ないかなぁって、っでいでぇ!」
今度は瀬尾君の頭にチョップを喰らわしてやった。あまりダメージはないようだが、恨みがましい目でこちらを見てくる。
「…小鳥遊君はいい子だよ。」
「幸尚さんの博愛精神ですか?駄目ですよ、いくら優しいからってあんな奴を甘やかしたら。」
三目君の言葉に首を横に振る。
「ううん、甘やかしてる訳じゃない。俺は小鳥遊君をとても評価してる。彼はね、立派な営業マンになれるはずだよ。」
「…営業部内でも小鳥遊のやり方は問題になってきてます。でも契約がとれてきてるので上も何も言えない状態で。最近はそのせいで部内の雰囲気も悪くなってきてるんです。…俺が指導役として未熟だから。」
「はいはい。反省も大事だけど、現状を良くするための方法を考えるのが先だよ。小鳥遊君の営業スタイルが問題になってるんだよね?」
瀬尾君に聞くと、コクリと頷く。
「それなら営業スタイルを変えてもらえばいいだけだろ。」
「…そんな簡単にいきますかねぇ。いでっ!」
また生意気なことをいう三目君にチョップを喰らわしておいた。
「瀬尾君、悪いんだけど営業部の部長に繋いでくれないかな?」
「え?あ、分かりました。」
瀬尾君がポカンと口を開けてしばらく呆けた後、慌てて頷く。
「何するつもりですか、幸尚さん。」
三目君の言葉に「秘密!」と返して、残りのカルボナーラをかきこんだ。
「すいませんってば。」
布団をかぶってベッドでうめいていると、三目君が頬をかきながら謝ってくる。こんなことが前にもあったような気がするが、どうでもいい。
「三目君の変態、エッチ、変態。」
「男はみんな変態なんですよ。」
開き直ったように笑う三目君をジロリと睨みつけると、流石に申し訳なくなったのかしょんぼりと肩を落とした。
「やりすぎました。すいません。許してください、幸尚さん。もうあんな激しいこと言いませんから。」
「そ、それは…。」
先程の雄臭い三目君を思い出すと、ズクリと腹のあたりが疼いてしまう。正直に言うと、とてもカッコよかったし、感じてしまった。
「…幸尚さんもそんなに嫌そうじゃないみたいだし、またやりますね。」
「そんなこと言ってない!!!」
三目君に気持ちを見透かされてしまってようで、そんなことを言われてしまう。顔を真っ赤にして暴れていると、「はいはい。そろそろご飯ですよ。」とギャルソンエプロンをつけた瀬尾君が部屋に入ってくる。
「ほら、2人とも腹減ったでしょ。作ったから早く食べましょう。明日も仕事なんだから早く寝ないと。」
「「はーい。」」
3人で過ごすことが多くなって、それぞれの部屋に本人以外のスーツやシャツが置かれるようになってしまった。部屋に行けばそう言う雰囲気になって泊まることが多くなってきたからだ。もちろん瀬尾君の部屋にも自分と三目君のスーツや下着が一式置いてある。
「相変わらず美味しいね。」
「料理の腕だけは認めてやる。」
「ありがとうございます、幸尚さん。」
瀬尾君が作ってくれたカルボナーラを食べる。するとやっぱり話題は小鳥遊君のことになってしまった。
「あの小鳥遊って奴。営業なんてできてるの?Ωなことを全面に出して媚び媚び営業しからできなさそうだけど。」
三目君が口いっぱいにカルボナーラを頬張る。頬にソースが付いてしまっていたので、ティッシュで拭いてあげると「幸尚さん、お嫁さんみたい…。」と言われて、瀬尾君に頭を叩かれていた。
「…否定できないのが指導役として痛い所だな。確かに小鳥遊は容姿とΩって所を強くアピールして契約を取ってきてる。取引先の会社や相手について調べたり話したりしているところは見たことないな。…一応俺もしっかり調べるように伝えてはいるんだが、なかなか響かない。それに…。」
「自分に迫ってくる始末って?あーヤダヤダ。ああいうΩがいるから本当に仕事頑張ってるΩが馬鹿にされるんだよね。番のαを探しにきてるだけの役立たずってね。小鳥遊なんてそんな奴らの典型でしょ?」
三目君の言葉を聞いて、カルボナーラを食べる手を止める。そして不思議そうな顔をしている三目君の頬を思いっきり引っ張ってやった。
「いだだだだだ!いだい!いだいですよ、幸尚さん!」
「そんな悪口を言うのはこの口かなぁ?んー?どうかなぁ?分かんないなぁ?もう少し引っ張るかなぁ?」
「あーーー!いだい!いだいです!!ごめんなさい!もういいまぜんがらぁ!」
「よし、それでいい。」
手を離してやると、三目君は涙目で頬をさすっていた。
「うー、どうしてあんな奴庇うんですか、幸尚さん。あなたを虐めた奴なんですよ。それに指導役の瀬尾だっててをやいてるんだからろくな奴じゃないですって!」
「もう一度引っ張られたいのかなぁ?」
「ごめんなさい!」
今度は一瞬で謝ってきた。
「…俺もあいつを一人前にしてやりたいんですけど、ああもあからさまにアピールされるとやり辛くて。小鳥遊はΩだから下手なことをしてフェロモンなんか出されたら俺も危ないかなぁって、っでいでぇ!」
今度は瀬尾君の頭にチョップを喰らわしてやった。あまりダメージはないようだが、恨みがましい目でこちらを見てくる。
「…小鳥遊君はいい子だよ。」
「幸尚さんの博愛精神ですか?駄目ですよ、いくら優しいからってあんな奴を甘やかしたら。」
三目君の言葉に首を横に振る。
「ううん、甘やかしてる訳じゃない。俺は小鳥遊君をとても評価してる。彼はね、立派な営業マンになれるはずだよ。」
「…営業部内でも小鳥遊のやり方は問題になってきてます。でも契約がとれてきてるので上も何も言えない状態で。最近はそのせいで部内の雰囲気も悪くなってきてるんです。…俺が指導役として未熟だから。」
「はいはい。反省も大事だけど、現状を良くするための方法を考えるのが先だよ。小鳥遊君の営業スタイルが問題になってるんだよね?」
瀬尾君に聞くと、コクリと頷く。
「それなら営業スタイルを変えてもらえばいいだけだろ。」
「…そんな簡単にいきますかねぇ。いでっ!」
また生意気なことをいう三目君にチョップを喰らわしておいた。
「瀬尾君、悪いんだけど営業部の部長に繋いでくれないかな?」
「え?あ、分かりました。」
瀬尾君がポカンと口を開けてしばらく呆けた後、慌てて頷く。
「何するつもりですか、幸尚さん。」
三目君の言葉に「秘密!」と返して、残りのカルボナーラをかきこんだ。
12
あなたにおすすめの小説
α、β、Ωで結婚したら無敵だった
月田朋
BL
政府の少子化対策のためのお見合いシステム、「マッチングサービス」。α、β、Ωの男三人。
ビッグデータの解析結果によると、三人で結婚すれば相性はバッチリ!!だったら結婚してみよう。恋はその後すればいい。
【登場人物】
鳥飼誠(34歳)α 男性
井岡イオ(31歳)β 男性
淵 流助(21歳)Ω 男性
※結婚後の姓は選択制の世界です。(彼らは別姓を選択しています)
ほたるのうんめい
ruki
BL
長年の『発情期の相手』と言う役目を終えた誠也は、結婚に向けて再び婚活をすることにした。そして新たに入った婚活サイトで出会ったのは、訳がありそうな黒髪美人のオメガだった。
『ほたるのゆめ』の誠也さんのお話です。『ほたるのゆめ』を読んでいなくても楽しめるとは思いますが、そちらも読んでいただけると幸いです。
ちなみに読んでくださるなら
『さかなのみるゆめ』→『ほたるのゆめ』→『ほたるのうんめい』
が分かりやすいかと思います。
君と運命になっていく
やらぎはら響
BL
母親から冷遇されている町田伊織(まちだいおり)は病気だから薬を欠かさず飲むことを厳命されていた。
ある日倒れて伊織はオメガであり今まで飲むように言われていたのは強い抑制剤だと教えられる。
体調を整えるためにも世界バース保護機関にアルファとのマッチングをするよう言われてしまった。
マッチング相手は外国人のリルトで、大きくて大人の男なのに何だか子犬のように可愛く見えてしまい絆されていく。
【完結】変態αのフェロモン観測記録
加賀ユカリ
BL
欠陥Ωが使用済みマスクを落としたら、変態αにフェロモン値を実況されるようになった話
大学生の天橋瑞樹(あまはし みずき)は、帰り道でうっかり使用済みマスクを落としてしまう。拾ったのは、モデルのようなスタイルと整った顔立ちを持つ青年──神代慧(かみしろ けい)。だが、彼はただのαではなかった。
「このマスクは僕の宝物です」そう言って笑う慧は、瑞樹のマスクを返さないどころか、初対面で「君は僕の運命の番だ」と宣言してくる。
だが瑞樹は、自分が“欠陥Ω”──フェロモン値が極端に低い存在であることを知っていた。
そして、計測器と共に瑞樹のフェロモン数値を実況する“変態α”との、奇妙で騒がしい日々が始まった。
そんなある日。
瑞樹に人生で初めてのヒートが訪れる──
攻め:神代慧(かみしろ けい)。α。瑞樹のマスクを返さないヤバい男。
受け:天橋瑞樹(あまはし みずき)。欠陥Ω。
・オメガバースの独自設定があります
・性描写のある話には※を付けています
・最終話まで執筆済みです。(全35話)
・19時更新
・ムーンライトノベルズにも掲載しています
※過去作『番になれなくても』の主人公(天橋和樹)の兄の話です。本作品は『番になれなくても』の本編より前の時間軸になります。それぞれの話は独立しているので、読んでいなくても大丈夫です
【完結】番になれなくても
https://www.alphapolis.co.jp/novel/166551580/588945232
運命の君
沢渡奈々子
BL
【はじめに】このお話はBL(Boy's Love)です。他の投稿作品(NL)から来られた方はご注意くださいませ。【注意】
【オメガバース】設定捏造&造語あり注意。
ごくごく普通のベータである蒼は、ある日超美形のアルファ・鳴海から友達になってほしいと言われ快諾する。それからしばらくして、蒼はオメガと間違えられてアルファの小野塚に襲われるが……。
政略結婚制度に怒っています
河野彰
BL
「政略結婚法」が施行されて十余年。政治家や俳優、高額納税者などの著名人は三十歳までに結婚をしなければならないという法律だ。
主人公末永遥(すえながはるか)はごく一般家庭に育った地味なサラリーマンだったが、ある日一通の通知が政府から届く。それは、高額納税者である久堂清継(くどうきよつぐ)との婚姻が成立したという決定通知だった。
男同士で結婚!? と驚く遥。間違いかと思い、すぐに異議申し立てをしに市役所へ行ったが、そこで事実だと告げられてしまう。トボトボと帰路につく遥の前に清継が現れて……。
【本編完結】期限つきの恋
こうらい ゆあ
BL
神崎葵は、聖桜病院の特別病棟で静かな日々を送っていた。
Ω性特有の難病『フェロモン崩壊症』に冒された彼は、かつてイラストレーターとして活躍していたが、今では病室でひとり、スケッチブックに心を刻む。
余命わずかな時間の中、担当医・佐藤悠真との出会いが、閉ざされた白い病室に温かな光を灯す。
葵の海への憧れ、恋への憧憬が色鮮やかに花開くが、時間は無情にも迫ってくる。
限られた時間の中での、儚い恋のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる